獅子舞と伊勢大神楽と

幼いころ、お正月になると家に獅子舞が来た。

伊勢大神楽の人たちが各戸をまわり竈祓いを行う際、
獅子舞を舞うというものだ。


最初のうちこそ、能面と同じように『獅子舞=こわいもの』だったのだけれど、5歳ごろから大好きになり、遠くから笛の音が聞こえてくると、もうすぐ来る?、もうすぐ来る? とわくわくしながら待ったものだ。

家族並んで順番に頭を噛んでもらい、獅子舞が玄関先で舞うのを見る。
あの笛の音はいつ聞いてもどきどきする。

また来年よろしくお願いします、と言って獅子舞が隣の家に行った後も、
もっともっと見ていたかった私は祖父に肩車をしてもらい、大神楽の人たちが一軒一軒訪ねて歩くのを数キロ先までついて行ったそうだ。
祖父にとってはいい迷惑だったことだろう。

近くの神社では総舞があり、これも毎年楽しみにしていた。数年前、久しぶりに見に行ったところ、大神楽の方が話しかけてくださり飴をくださった。数年ぶりに見た総舞には一瞬で心を持っていかれ、子どもの頃にかえったかのように楽しんだ。

と、伊勢大神楽のことを懐かしく思い出していたら、
もしかして、能とも何か関係があるのだろうかと思った。

またもう少し能のことがわかるようになってきたら、調べてみることにしよう。


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