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10/31-11/5 初外岩_s

ドキドキ。週末、「初級アルパインの練習場」と聞いている、つづら岩へ。10月は忙しすぎてボルダリング練習もほとんどできてない中で大丈夫なのか!?と恐る恐るのチャレンジ。そもそもアルパインとフリークライミングはどう違うのか?も分からず(ネット検索してもいまいち分からなかった)道中、今回ご指導いただいた先輩方お二人に聞いたところ、アルパインはあらゆる手段を使って登頂することが目的で、アプローチも長く何ピッチ(先に登った人のところまで後から行った人が追いつくところ。1ピッチはロープの長さで決めるらしい)も登る。フリークライミングはアルパインよりは行程は短いがルールや順番などが決まっていて「道具を使ったから上まで行ったけど完登したことにならない」など細かい決まりがあるとのこと。どっちもキツそうだけど私はルールとか(うっかり)忘れがちだからアルパイン向きかな、、と思った。

分かりにくいかもだけど、やってみてなるほど!そういうしくみなのか!と思ったので説明してみる。

【なるほど!なクライミングのしくみ】※埋め込み多用。

今回は3人。アルパインは2人か3人で登るらしい。理由は後ほど。目的地のつづら岩に到着して(着くまでの急登がかなりしんどかったけどこれもアルパインの練習のひとつとのこと)道具を準備。ハーネス(命綱のロープを腰につけるための装備)をつけ、クライミングシューズ(練習用と同じ)を履き、ビレイデバイス(相手を確保する際に命綱のロープを伸ばしたり短くしたりする際と、懸垂下降するときに使う金具)を腰にぶら下げておき、ヘルメットをつける。揃える道具が多くてヘルメットも用意できずにお借りした。その他ヌンチャクなどの道具も先輩頼みで本来は自分で用意する。

今回使用するロープは2つでダブルロープというらしい。2人で登るならロープ1本でも登れる。まずは先頭をリードする人が2本のロープの端を腰のハーネスにつけて、先に登る。岩につけられた金具(練習場なので、すでに打ち込まれている。自然の岩場では自分で岩に打ち込むか、岩の裂け目にセットする)に、カラビナが両端にふたつついたヌンチャクをセットし、岩についてないほうのカラビナに一本ロープを引っかけていく。また少し登って、別の金具に同様にもう1本のロープを引っかける。これを何ヶ所も繰り返す。残った2人のうち1人は岩の下で2本のロープを手に持ち、なるべくロープを貼った状態に調整(ビレイ)。こうすることで、登ってる人が万が一落下しても最後に引っかけたカラビナの高さで落下が最小限に防げるというしくみ。必然的に3人目(今回の私)は待機して見てる感じになる。登ってる人は1ピッチの終了点まで行ったら、岩についてる金具にセルフビレイ(自分で自分を確保する)のカラビナをセットし、自分の腰のハーネスにもう片方のカラビナをつける。これで自分で安全確保できたことになるので、下の人にそれを伝える。下でロープを持ってビレイしていた人は上で安全確保ができたのを確認したら、握っていたロープを緩める。※最初に上った人は終了点でたぶんもっと複雑なことをしていると思うけど見てないので省略。

今度は下に残ってた人が登り、上にいる人が登ってくる人の安全確保をする番。上の人はロープを手繰り寄せて、なるべくロープを張った状態にする。下の人2人は、それぞれ1本ずつロープを腰につけて、少し間をあけて登る。さっき上の人がつけていったカラビナ付きヌンチャクの地点を目指して登り、ヌンチャクを今度は岩から外しながら登る。ヌンチャクを岩から外しても、上からロープで安全確保されてるので落下しないしくみ。外したヌンチャクは腰のハーネスにつけていく(なので腰のあたりがだんだんジャラジャラしてくる)。こうして終了点までついたら、同様に岩の金具にセルフビレイして、2人とも登ったら1ピッチ終了。これを岩の高さだけ何ピッチも繰り返して高度をあげていく。

だいたいこんなような動作だった・・・と思う・・たぶん。

【で、】

1回目は岩の上は目指さず、岩の途中まで行って、「懸垂下降」の練習からスタートした。1ピッチの終了点で3人ともセルフビレイして安全確保したら、2本ともロープの端を改めて岩についた金具に結び直し、残った部分のロープを下に投げて、1人ずつロープをすべり降りる。ここで、滑車?のような役割をするビレイデバイスをロープにつけるので、ロープを滑るか、止まるかは調整できる。懸垂下降はめちゃくちゃ楽しかった。まさしく空中浮遊!飛んでる~!鳥になる夢が叶った~!

ただ初めての岩場の登りのキツさといったらなかった。本の説明もネット情報も「持ち手が豊富」「初級」「易しい」など書いてたので、ボルダリングの1番易しいのくらいかなと思ってたら、全然違った!!とにかく足が置けない、つかむところが分からない、つかんでも指先がひっかかる程度で苦戦。つかむところが違ったんだろうか。チョークの跡などのヒントもないのでまったく分からず。数センチの足の置き場につま先だけ乗せて、腕でなんとかしがみつく。クライミングしてるというより、壁にへばりついてる感じ、、。落ちても安全確保してるから大丈夫なんだろうけど、とにかく怖かった。足はワナワナ震えちゃうし、必死。壁から体を離したほうが腕力を消耗しないらしいが、怖くて壁から離れられない。心理的なものなのか、ついつい壁に身体を近づけたくなってしまうのだ。しかし少し登ったらもう周りの木が下に見える高さ!で、一番良くないへばりつきポーズで何度も止まる。か、かっこ悪すぎる。懸垂下降は楽しかったけど、一発目ですでにヘロヘロ。

とはいえせっかく来たのだから頑張らねば。2発目は「一般ルート」というコースを登った。今度は岩の上を目指す。1ピッチ目の終了点で(終了点は、両足で普通に立てるくらいの広さのテラスがあったので)周りを見渡すと、ぜ、、、、、絶景!!富士山まで見えた。しかも視界になにもない。下に木々の頭のてっぺんが見える。鳥が飛んでるが、視界の高さを飛んでる!やっぱり鳥サイドになってる気がしちゃうよ!?ワー、、、。すご。ワー、、!!(泣き笑い)。2ピッチ目も必死に登ってやっとこさっとこゴール。計2ピッチで頂上に。岩の上は踊れるくらい広くて安全だった。素晴らしい眺め!下りはやはり懸垂下降で。宙ぶらりんで岩肌を眺めながら降りる。BSの番組で崖を下るドキュメンタリーやってたときのカメラワークと同じだ…。BS入る必要ないな…。やっぱり楽しい。でも死亡事故の7割は懸垂下降のミスで起きるらしい。降りたら、懸垂下降中の摩擦でカラビナが開かなくなってしまった。「こうゆうハプニングはよくあるんだよ〜」と先輩方は笑いながら金槌を取り出して開けてくれた。道具のひとつひとつ、工程のひとつひとつが超大事で、一個でも無くしたり、壊れたりしたら致命的になる。ロープが絡まったり。想像するだけで鳥肌がたつよぅ。

3回目は別のルートにチャレンジするものの、1ピッチの途中で私がまったく上に行けなくなり、バランスを崩し落下、というか「ワーもうダメっぽいです〜ロープに体重かかります〜(必死)」と言いながらロープに身体を預ける形に。補助的にお助け道具を使わせてもらい、なんとか終了点まで行くがヘロヘロ。この日はこれで終わりにしてもらった。事前に調べた情報では、皆さん4回くらいは登っていて、4回も登るなんて信じられないと思った。本番のアルパインは7ピッチくらいはひたすら登るらしい。ロープをつけたり外したり、絡まないようにまとめたり、とにかくやることがたくさんあるみたい。ヒェー。

帰りも急坂を下る途中、綺麗な滝の横を通る。夏は沢登りが最高らしく、基本的にはクライミングの技術と同じなのでクライミングができれば沢登りもできるとのこと。来年あたりやりそうな予感が。谷川岳一の倉沢、北岳バットレス、など名前だけでもかっこいいとしか言いようがないワードを耳にしながら、さすがに本チャンの山に登るのはものすごく先か、来世になるだろうな、と心の中で遠い目。ふたつめの滝でなにかお経みたいなのを絶叫しながら滝行をしてる若者ばかりの集団がいた。新興宗教か、若者自立支援系のあやしい団体かな、とあとで調べたら天光寺というその付近の滝行で有名なお寺が主催してるものらしい。若い子たちが絶叫しながら滝に打たれて、なになに様、ありがとうございました!と言ってるのは異様な光景だった。お金払って滝行するなら沢登りのほうがいいのにと思った。

帰りの車ではいろいろなお話聞けて楽しかった。寛大な経験者がいなければ絶対にできない趣味なので本当にありがたい。しかしもうちょっと登れるようにならないとまるで役に立てない。せめてビレイヤーとして同行できるくらいにはならないと。帰ったら猛烈な筋肉痛と、あちこちにアザが。緊張が続いたからか珍しくなかなか眠れなかった。高さとか全然考えてなかったけどつづら岩は高さ40mらしく、そりゃ怖いわけだよ、、と思った。やっぱり若干おクレイジーな趣味である。そこがいいのだけど。1日たったらジワジワと嬉しい気持ちに。次回が待ち遠しい。

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