部屋

20代の頃

不動産会社の社長のSさんという危ないおっさんに可愛がってもらっていた。

社会のことやら仕事のこと、遊びの事など
沢山教えてもらった。

ある日、Sさんから電話があり

「夜、空いてる? 物件建てたから見に来てよ」って…

Sさんからのお誘いは基本、断らないので
「はいっ!」と快諾

夕方、仕事を終えて指示された物件の最上階へ

ピンポン押して、中からSさんが迎えてくれた

「おつ、おつ、お疲れちゃん〜からのびーちくりん」

相変わらず軽い、いや軽すぎる!

56歳だよな

まっ、いいか

部屋は軍属向けのかなり広い間取り

リビング以外にも4つ部屋があった

リビングにはいかにもリッチな雰囲気のソファーセットがドーン

テレビはなく、いい感じのスタンドライトが天井を照らしていた。
カーテンのない大きい窓が開放的
高台なので、眼下に海だ。
オーシャンビューのいい部屋

照明がかなり暗いbarのような雰囲気の部屋

シンプルでいい部屋だ

いつものようにシーバスリーガルをソーダ割りで
乾杯

「アンちゃん、俺さ、色々やりたいことやってきたけど、まだやってないのがあんの!」

「部屋作りたいの、調教部屋…」

はじめはこのおっさん、何を言ってるのか?と

「分かる? 調教だよ SMだよ BDSM」

「女の子、飼育するんだよ 開発するの?」

「開発部屋ね、秘密のお部屋、女の子から要望があるのよ」

要望あるんだ?へー
おいっ
まじか?エロジジ
調教部屋で緊縛、ペチペチ要望あるんだ?
需要あんのかよ

「俺、BDSMの世界好きでしょ…調教や緊縛してる子達から設備がちゃんとしたとこで、やって欲しいって…ホテルって滑車とか、大掛かりな装置って持ち込めないでしょ。防音も甘いからさっ。だから、ちゃんと吊るしてあげたり、大きな台とか用意して、ちゃんと緊縛したり、飼育できるって部屋が必要になったのね」

酒が進む、話になってきた。

「アンちゃんさ、一緒に部屋作りやりたいんだけど、いいでしょ?色々知恵かしてよ」

BDSM専用の部屋作りの知恵って…俺、20代の若輩が知るわけないだろっとは思ったが
まっ楽しそうだから…はいっ!やらせてください
と返事した。

「やっぱ、アンちゃん、スケベだ!エロ万歳
乾杯」

このSさん
改め、このド変態のおっさんは、
一見、真面目そうに見えるのに、中身は生粋のエロじじ…歩く生殖器のような方(古っ)

ただ話方、言葉選びが綺麗で
雰囲気がダンディだった。
シャイで謙虚な一面もありちょっと抜けた天然なとこも可愛いく、本当っ不思議な魅力を持った方だった。

余裕があるから、
モテてたし、モテまくって皮が切れてオロナインH軟膏をいつも常備していた。

こんなド変態のSさんと調教部屋を作るプロジェクトがスタートする事になった。

奇しくも26歳の誕生日の前夜だった…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?