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オタール・イオセリアーニ監督の映画をテーマごとに紹介していきます(4)🎬

いよいよ公開まで1週間となった「オタール・イオセリアーニ映画祭 ~ジョージア、そしてパリ~」。
宣伝スタッフが監督の作品のうちテーマ毎におすすめ作品をご紹介していくこの企画。ご鑑賞の参考にしてみてはいかがでしょうか?🎶

最後は…(!)「頭が取れちゃった時」

(※「頭が取れるシーン」が印象的な作品を集めてみました)


『皆さま、ごきげんよう』

武器商人の男と骸骨集めが好きな人類学者、その周りのユニークな街の住人たちを中心に、
現在も変わることなく繰り返される人間の営みを描く。

2015年の作品ということで、こちらは劇場で既にご覧になった方も多いのではないでしょうか?
最初はきっと驚いたことでしょう…。

”共和国を害した者として、ここに死刑を宣し処刑するものである”
そのように宣告されたひとりの男は、兵士に連れられ斬首台へ運ばれる。
その後、窓から様子を覗く女性たちを順番に映していく内に、首が斬られる音がする。

覚悟して場面が切り替わると、そこには頭部を持つ兵士。
そして、その頭部を受け取るひとりの可愛らしい少女…!

海外版ビジュアルにもなっています!

現実では絶対に起こり得ない(起こってはいけない)場面が、ユーモラスに描かれています。必見です。

『そして光ありき』

セネガルの森に住む部族の牧歌的な生活と、産業により文化が侵食されていく様を、
森林伐採や人権問題など世界情勢を扱いながらも、イオセリアーニらしくユニークに描かれている。全編アフリカで撮影された異色作。

全編アフリカで撮影。それだけでイオセリアーニ作品群の中では異色作。
森林伐採の様子だったり、住んでいる村を追い出される様子だったり…
産業により文化が侵食されていく様が描かれているのですが、
もちろん、本作でもノンシャランと笑い飛ばすイオセリアーニ節を感じることが出来ます!

そのひとつが、男たちが川で洗濯をしている場面のこと。
突如、頭部を持った人物を追っていくと、そこには頭が取れた人体が土に埋められているのです…
頭を固定して継ぎ合わせていくと…咳をして生き返った!

と、文章で書くと一見怖く、深刻なものに捉えてしまいそうですが、
これらはイオセリアーニ流のユーモアです。
是非シーンの全貌を劇場でご覧ください。

頭と首を繋ぎ合わせられている人物


『月の寵児たち』

イオセリアーニがフランスに拠点を移して初の長編。
十八世紀末の絵皿と女性の裸体画の所有者が変転する経緯と共に、
ポリフォニーのように個性溢れる様々な人物の行動が、ユーモラスに描かれる。

『そして光ありき』と同じく、劇場初公開の本作。
パリの女画廊主とその愛人の技師、鉄砲店主、女美容師、警視、空き巣の父子(マチュー・アマルリック!)、過激派の音楽教師、娼婦、暗殺者のアラブ人…複数の人物の行動が主役と脇役の区別なくユーモラスに描かれる本作でも、「頭が取れる」シーンが存在します。

パリの美しい公園。3人組の男が、何やら様子を伺っています。
ひとりの男がベンチに座っているカップルを退けると、別の男が銅像に火を点けます。火が徐々に上へ登っていくと、銅像が爆発!
カメラが下を移すと、そこには銅像の「頭部」が転がっていて…。

全貌は、劇場でご覧ください!
実は、映画祭のチラシのどこかにも「転がった頭部」が隠れていたりして…


オタール・イオセリアーニ映画祭は、2月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムにて劇場初公開含む21作品一挙上映!


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