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母の顔


私の母は末期の胃がんでした。
(初めて私のnoteを読んで下さっている方は、マガジン「母の記録」にて、これまでに母と私達家族に起こった出来事を記していますので、よかったらそちらの方も読んでみて下さい。)




2024.1.21
特別に面会の許可が出たので、
父と一緒に母に会いに行きました。


口は開きっぱなし唇はカサカサ、ガーゼを湿らせて唇を拭いてあげると母は小さな声で『ありがとう』と言いました。父が何か飲むかと聞くと母が頷いたので、コップにお茶を注いでストローで飲ませようとしましたが、上手く吸い上がりません。


やっとの思いでストローの中を吸い上がったお茶は、母の喉へ。ゴクリ…、痩せた喉が大きく上下しました。ほんの少しのお茶を飲み込むのも辛そうで、母は私にも何か飲むように言ってくれましたが、そんな母の顔を見たら何も飲む気にもなれませんでした。


『明日、個室に移動するけん。そしたら、お父さんも病院に泊まるっちいいよるけん一人じゃなかよ。』
そう言うと、母は嬉しそうな顔をしました。




明日、母は個室へ移ります。2024.1.21



#お母さん #胃がん #末期がん

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