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葡萄の品種からワインの味わいを知ろう シャルドネ編

今日6月21日は夏至、新月、日食が重なるスペシャルな日なんですって。

今日から新しいことを始めるのはとてもいいということで、私も少し、ワインをより楽しんでもらえるような、初心者向きのワインの知識について、シリーズもので書いてみようかと思っています。

まずは世界でもっとも有名な品種といってもいい白ぶどう、シャルドネについてです。

シャルドネについて

シャルドネのワイン、必ずどこのお店にもリストアップされていて、誰もが飲んだことがあるワインですが、この品種、産地、造り方で本当に七変化するので、特徴を捉えるのが、なかなか難しい品種です。

フランス・ブルゴーニュ産の世界最高峰のワインもあれば、コスパのよいチリ産のものまである。価格レンジは500円から100万円オーバーまでとびっくりするほど広く、ほぼすべてのワイン生産国で造られています。

石田博ソムリエの「10種のぶどうでわかるワイン」ではシャルドネは「純白」とあらわされています。石田さんは言うには、

シャルドネの一番の特徴は、ニュートラルだということ。つまりブドウ自身の香りの特徴が少ないことです。よい言い方をすれば、「純白の個性」なわけで、醸造、熟成段階において身につける個性がうまくなじむ、つまり造りやすい、造り甲斐があるブドウなんですね。

ぶどうの特徴がないのか特徴。だからこそ、いろいろな味わいに変化します。

初心者向きのワイン本で漫画がたくさん入っていて読みやすい「ワイン一年生」(小久保)ではこう書かれています。

世界中で愛されるスーパーアイドル。変幻自在、その土地その土地の風土に見事に染まる真っ白なキャンパス。

純白、真っ白、というのがキーワードですね。

最近出版された、こちらも初心者向けのワイン本「先生、ワインはじめたいです!」(こいしゆうか、先生杉山明日香)では、

シャルドネくんは育った場所によって味が変わる「あなた色に染まります♡」的な素直な子よ。

と書かれていました。

(ちなみにどの本もお勧めです。石田さんの本はちょっと上級向きかもしれません)。

私がJSAのワインエキスパートの受験をした際は「シャルドネさんは、すっぴんだと地味なお顔なのですが、お化粧映えする子です」と習いました。

ということは、育った場所の特徴をおさえないと、シャルドネでつくられたワインはどう選んでよいかわからないということになりますね。

産地分類

産地は大きく分けて、昔からワインをつくっていたといわれる伝統国(ヨーロッパ)いわゆる旧世界のワインと、それ以外の新世界・ニューワールドのワインに分かれます。

旧世界は産地によってつくられるブドウ品種が決まっていて、けっこう複雑です。ラベルを見てもなんのワインか知識がないと分かりません。ニューワールドはラベルにはっきり品種名が書かれているので、選びやすいです。味わいもニューワールドは、わりとはっきりと、わかりやすい味わいになっています。

お値段も大手が効率的につくっているワインが多くて、お手軽プライスが多くなっています。

というわけで、初心者がワインを楽しむのであれば、最初はニューワールドのワインがお勧めです。

シャルドネもまずはニューワールドのものから試してみるのがよいと思います。

アメリカ、オーストラリア、チリなどフランスよりも温暖で日照量が多く、果実味が豊かになります。トロピカルフルーツ、バターのようなこく、樽からくるナッツ、ヴァニラやトーストのような香りが特徴的で、酸味はなめらかです。

チリ

一番お手軽でデイリーワインに適しているのは、チリのシャルドネでしょうかね。コノスルが有名ですよね。チリワインはもともと関税が低かったのですが、2019年から完全撤廃され、このままデイリーワイン市場を牽引していきそうですね。

日本

日本のシャルドネもお勧めです。特に長野県はシャルドネの産地として有名で、こだわりのワインをつくる小さなワイナリーもたくさんあります。小布施ワイナリーのドメーヌ・ソガがかなりお勧めなのですが、なかなか手に入りずらいのが、たまに傷ですね。

手に入りやすいでところでいくと、メルシャンのシャルドネは間違いないです。シャルドネの特徴のすっきりとした酸とミネラル感を楽しめて、すこし樽の風味があって、複雑味を与えています。デイリーワインとしてはかなり優秀です。

アメリカ

少しシャルドネを飲みなれてくると、こってりとしたバターのような風味、樽がしっかりきいているものが好きになってきたりします。というか、インパクトがあって、結構初心者でも、この味わいを覚えやすいのですよね。

ワインショップで「樽のきいたワインがいい」と店員さんと話している方をよく見かけますが、ちょっと通っぽいし、店員さんもワインを選びやすいし、いいですよね。

バターのような風味でお勧めのワインといえば、やはりアメリカカリフォルニアのシャルドネです。

本当にバターみたいで最近人気なのはこちら。

樽からくるバニラの風味、まさにあまーいBread & Butterです(ワインは辛口です)。

フランス

ニューワールドから入るのがお勧めと書きましたが、世界中がお手本にしているのは、やっぱりフランスのブルゴーニュのシャルドネです。

私が愛してやまないのも、この産地。ワイン好きが行きつく幸せな(不幸な?)ヘブンがフランスブルゴーニュだと思います。

ブルゴーニュは地域、村、畑、造り手と迷路のようで、それがマニア心をくすぐるのですが、まずは2つの産地の有名生産者のシャルドネを試してみることをお勧めします。

まずは有名産地で名前を聞いたことがあると思う、シャブリです。ブルゴーニュの北の産地で、もはやシャンパーニュに近く、かなり冷涼な気候。
レモンのような柑橘の香り、青りんご、きりっとした酸が特徴的です。

お勧め生産者はWilliam Fevre。魚介類との相性がよく、お寿司屋さんでワインをおいてあるところにはシャブリがおいてあることが多いですね。

シャブリだと、ちょっときりっとしすぎると思われたら、ブルゴーニュのもう少し南の産地でつくられている広域地域のワイン、ブルゴーニュブランから試してみるのもお勧めです。
レモンのような柑橘の香り、りんご、白桃、洋ナシ、すっきりした酸とミネラル。バランスのよさが味わえます。

お勧めの生産者はたくさんありすぎるのですが、あえて選ぶとすれば、オリヴィエ・ルフレーブでしょうか。ブルゴーニュの特徴をよく表しているワインだと思います。他の産地との飲み比べをするにはよいと思います。

シャルドネについては、わりと分かりやすいニューワールドから徐々にフランスに移っていくのもいいと思いますが、まずは気になる産地のものから飲んでみて、自分の好みの味を見つけてみるのがよいと思います。

好みの味がみつかったら、産地と味わい(樽がきいているもの、酸がきりっとしているものなど)を覚えておけば、お店で選ぶ際に、もう迷いませんよね。

jane2494によるPixabayからの画像



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