【初心者向け】ベーシストが知っておくべき、PAさんからの正しいアドバイスのもらい方
今回の結論:アドバイスはPAさんに聞きましょう
聞くと音作りが上達するからです。
「顔見知りじゃないし…」
「なんか怖そう」
と色々あるのは承知しています。
その上で、もう一度書きます。
"PAさんに聞きましょう"
説明していきます(以降敬称略)
✔もくじ
1.なぜPAに聞くのか
①バンドと目標が一致している
②音像全体をとらえている
③客観的かつ主観的
✅"アドバイス"と"感想"の違い
2.ベーシストとPAの関係性
3.アドバイスのもらい方
①出したい音を理解してもらう
②なるべく具体的に質問する
③必ず実践する
4.まとめ
1.なぜPAに聞くのか
以下3点に基づいたアドバイスが聞けるからです。
①バンドと目標が一致している
良い音を出したい(良いライブにしたい)。
②音像全体をとらえている
ベーシストはベースのこと、ドラマーはドラムのこと、と僕らバンドは個々のパートに専念しがち。視野が狭くなりがちです。
③客観的かつ主観的
▼客観的
例えば、音量メーターの位置は、誰が見ても同じです。
▼主観的
⇒例えば、"ボーカルへのリバーブのかけ方"。
こうした処理の仕方はPAそれぞれのセンス(主観)次第です。
✅"アドバイス"と"感想"の違い
前述の3点に対して、対バンやお客さんからのレスポンスというのは、基本的には"感想"です。
"アドバイス"ではありません。
例えば、「ベースかなり歪んでましたね」というのは感想です。
「DI回線が歪みすぎているから、下げた方が良い」というのがアドバイス。これはPAにしかできません。
※例外
"アドバイス"と"感想"をすみ分けれる相手からの意見は参考にできます。
例えば、
◎仲良い対バン
◎友達のベースプレイヤー
などは、先の3つのうち以下2つまで理解していることがあります。
①⇒バンド(プレイヤー)の出したい音を知っている
②⇒ライブを見ている=全体でとらえている
*③⇒ここからはPA領域なので除く。
したがって、本人は感想だと思って口に出してくれた言葉が、こちらにとっては参考になったりします。
例:よく対バンする仲間からの「今日ベースかなり歪んでたね」というのは"感想です"。
"感想ですが"、もし前回対バンした時と機材セッティングが全く同じだった場合はどうでしょう?
音がそう聴こえた要因を考えることになります。
「ギターが音変えたから?」
「会場が違うから?」
などなど。
これはPAにアドバイスを請う前段階の、
"正しいアドバイスをもらうためのヒント"になります。
"持つべきものは友"です。
PAからより具体的なアドバイスをもらうために、ある程度信頼できる視点からの感想は把握しておくと良いです。
変な話、バンドとPAが最高のサウンドだと思っても、"ライブを見てる側"に1%もライブが伝わっていなかったら意味ないですからね。
2.ベーシストとPAの関係性
音がお客さんに届くまでの大まかなルートがこちら
弾き手
⇩
ベース
⇩
ミキサー(PA)
👇
スピーカー
👇
お客さん(ここがゴール)
スピーカーから出た音がお客さんに届いてこそ、音作りをした意味があります。ところが、僕らが操作出来るのは"⇩"で示したミキサーまでの音です。"👇"からはPAの領域になります。
この状況をベースの音=サッカーボールとして例えます。
【僕らベーシストがパスを出す⇒シュートを決めるのはPA】という認識です。PAに"シュートを打ちやすいボール"を渡すことが役目です。
パスの出し手(ベーシスト)
⇩
受け手(PA)
👇
シュート(スピーカーから出る音)
👇
ゴール(お客さんの反応)
クロスが高すぎたり、パスが遅すぎたりしたらどうでしょうか?
シュートは打ちづらいですよね。打ち手のスキルが高ければオーバーヘッドやダイビングでシュートを決めてくれることもありますが、それはつまり、出音が相手(会場)に依存する形になります。
「悪い意味での打ち手任せ」は避けましょう。
たまに出くわす、駆け出しのバンドが常設機材でとても音の良いライブをしていた時。「あ、今日メッシいるな」と思います。
🌟ベーシストとPAの関係性について
自分が意識していることは2つあります。
1.「音が良かった」⇒PAさんのおかげ
2.「音に改善の余地がある」⇒自分が原因
✔この意識には、2つメリットがあります。
1.「良い音⇒自分の実力」という"慢心"の排除
2.「自分の行動で音は変わる」というポジティブなやる気
1:
パスを出した相手がシュートを決めても、パスを出した人の得点にはならないですよね。
2:
「もっと良いパスを出せたらシュートを決めやすいだろうな」というイメージ。
とにかくライブにおいては
"自分1人で良い音は出ない"という認識が大事です。
3.アドバイスのもらい方
アドバイスをもらう際、以下3点を軸にしましょう。
①出したい音を理解してもらう
②なるべく具体的に質問する
③必ず実践する
①出したい音を理解してもらう
"どういう音を出したいのか"を必ず理解してもらいましょう。
バラードをマイルドに聴かせたい指弾き奏者に対して、鋼鉄金属ギラギラの音作りをオススメする人はいません。
②なるべく具体的に質問する
実際にエフェクターのツマミや、設定に落とし込める内容を聞く。
このとき、ザックリとした聞き方よりも、なるべく具体的に聞いた方がよいです。
ザックリとした聞き方の例:
「今日どうでしたか?」
「どうしたらよくなりますか?」
具体的な聞き方の例:
「DIのトレブルが出すぎていませんでしたか?」
「アンプの歪みはもう少し上げても大丈夫ですか?」
そして、回答をただ鵜呑みにするのではなく、
「なぜその答えになるのか」を知る必要があります。
理由を聞く例:
ベーシスト「DIのトレブルが出すぎていませんでしたか?」
PA「【トレブルは抑えた方がギターとの混ざりが良くなる】から、下げても良いと思う」
【】内のような、「なぜその答えになるのか」という理由が大事です。理由や視点(考え方)を聞き出せたらベストです。
機材の設定は「何のために」そこを調節しているのか、という目的がないと終わりが見えなくなります。
この場合でいうと、【ギターとの混ざりを良くする】のが目的です。
"トレブルを0.001上げるか下げるか"に固執しすぎると、木を見て森を見ずどころか、葉を見て森を見ずくらいの状態になりかねません。
※セッティングを追い込むときはシビアにやりますが、まずは大きな視点で"どこを追い込んでいけばよいか"をつかみましょう。
③必ず実践する
アドバイスは、必ず実践する。
そしてまた新たなアドバイスをもらいにいきます。
例として、自分の場合の流れを書いてみます。
出したい音Aに対して、
アドバイスBをもらい、
Cという実践をしたケース。
A:出したい音
【ピッキングに心地よい歪み感がある】
+【ルート(コード)の音程が伝わる】
B:もらったアドバイス
「アンプとDIのキャラクターをもう少し分けても良い」
C.やったこと:
【アンプ側は歪ませた分、DIの手前にあるSansampの歪みを下げる】
「Aに対して、Bという狙いで、Cにしたのですが、Sansampの歪みはもう少し下げた方が良いですか?」という風にアドバイスを請います。
このループを行っていれば、どんどん音の精度は上がります。
※タイミングについて
アドバイスをもらうのは、余裕がありそうな時間帯が望ましいです。リハとオープンまでの間や、終演後などケースバイケース。
「貴重な時間を割いてもらう」意識を忘れずに。
4.まとめ
・なぜPAにアドバイスを聞くのか
①バンドと目標が一致している
②音像全体をとらえている
③客観的で、それでいて主観的
・"アドバイス"と"感想"は違う
例外:友達(音の理解者)からの"感想"は参考にしよう。
・ベーシストとPAの関係性
伸びる考え方
「音が良かった」⇒PAさんのおかげ
「音に改善の余地がある」⇒自分が原因
・アドバイスのもらい方
①出したい音を理解してもらう
②なるべく具体的に質問する
③必ず実践する
▼補足
"音良いな"と思った日のPAに聞くべきです。
音楽は好みですから、ある程度センスが合致する人(=こちらの意図を汲んでくれそうな人)を見抜きましょう。
ちなみに、少なくとも自分はアドバイスもらいに行って嫌な顔されたことは一度もないです(いつも親切に答えてくれる音響関係者のみなさん、ありがとうございます🙇)。
こうして好き勝手ライブできるのも、全てはPAさんのおかげ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
今回はここまで!
ひたすらに続く、ベース追求道の一助となれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ご感想はTwitterでシェアしてくださると嬉しいです! https://twitter.com/Bitoku_Bass