ギフト

好きな人は私が喜ぶことばかりする。

免許を更新したその日に免許証の写真を送ってくれたり、仕事が始まる直前に連絡をくれたり、私をイメージして甘い林檎のお酒を買ってきたり。こんな些細なことで私の心を掴んで離さないんだからずるい。実際、踊り出してしまいそうなくらい嬉しかった。きみねえ、少しくらい手加減ってものを知りなよ。私が簡単すぎる？免許証くらいで大袈裟だって？ここまで夢中にさせておいてよく言うよ。

彼は私を喜ばせることが好きだと言う。あの日はこんな反応を見せたから、今度はああしたらきっとこの子は喜ぶかな、なんてことをずっとやっている。すごい。私のことをうんとたくさん考えてくれるのは素直に嬉しい。ただ、たとえそうやって考えたこと全部が空回って絡まって何もうまくいかなくて、私が喜ぶどころか怒りだしてしまっても何も心配しないでほしい。先に挙げたように適当にぽいっと投げたものが予想以上に刺さって抜けない日もあるからね。私が欲しているのは、あなたが私のことを考えて何かした時間や思考の手順そのものです。その中身がなにかなんて実はあまり重要ではないのかも…と言ってしまったらあなたは落ち込むんでしょうね。

でも、そんな小さなすれ違いにこそ私たちの恋のおいしいところがぎゅっと詰まっているよ。

さあ、今年の誕生日は何を贈ろう。楽しみに待っていてね。