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“身体とは適応である” 呼吸と姿勢の研究ノート no.2

パソコン仕事で腰痛になりました__。

そうやって患者さんが整形外科病院に来られます。
毎日来られます。『ノートパソコンで仕事をしていて、最初は痛くないのですが、だんだん前屈みになってきて、腰が曲がって、でも運動もせずにストレスも溜まってご飯はよく食べるしということををここ何年も続けてたら、背中が痛くなって』、と相談に来られます。

お一人お一人の痛みは、私には想像をし得ない辛いものだと思います。しっかりとお話を聞かせていただいた後、痛みを取りながら伝えます。
「お体は今このような状態ですが、あなたの体は悪くないですよ。とても良く頑張ってます。いい体です。今、痛みがあるということは、筋肉や骨が変形している最中だからです。この変形が完了すれば痛みは無くなりますよ。しかし、この変形は何のために起こるのでしょうか。あなたが普段行っているパソコンでの作業に合わせて、身体が適応しているのです。お腹の前くらいにあるモニターに対して、モニターをよく見るために頭が下がります。それを支えるために腰が後ろに行きます。 肩も上がり、猫背になり、呼吸も胸で浅くしかできなくなります。その構造をより強固なものにするために筋肉を萎縮させ、骨を折ってでも変形させ、その仕事に身体の方から、適応をしてくれようとしています。この身体の働き自体は、むしろ適応する力があるということです。だからと言って、身体をそのようにしたあなたのせいではありません。知らなかっただけです。モニターの位置を上げたり、外付けキーボードをつけたりと、まず環境を変えれば大丈夫ですよ。」

外反母趾になりました____靴と靴下を見直しましょう。
肩にコブができました____肩掛け鞄を見直しましょう。
指の皮が硬くなりました____最近何か硬いものを触りましたか。

身体とは適応です。身体は良いも悪いもなく環境と姿勢にベストなように適応します。

ここでいうベストとは、例えば、ある仕事環境で一番多くの時間を猫背で過ごしたとしたます。その猫背をベスト=最適と判断し、それが長期間続けば圧迫骨折を伴ったとしてもそれに近づけようとするということです。

リハビリとは、フランス語でréadaptation(リアダプタシオン)とも言います。

つまりré=再、daptation=適応で再適応の技法です。

しかし、それはまた物理的な要因にだけに留まりません。


no.3に続く


[運動教室ビソアダラカ] http://bit.ly/bisolife

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