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“心が腰痛 整形外科的認知療法” 呼吸と姿勢の研究ノート no.3

良い姿勢とはこうあるべきというイメージを人は何かしら持っている。

例えばある方は、胸を張ることが良い姿勢だと思っている。

そうなると、その人は良い姿勢を保とうとするたびに胸を張って頑張ろうとする。その結果、反り腰になり、腰痛を引き起こす。
反り腰を直しなさいと言ったら、ではその逆をやってみようと、今度は猫背になる。猫背でまた腰痛になる。

思考が現実化するという点で、姿勢のイメージほどそれが即時的に作用しているものはない。

腰痛にならない良い姿勢のイメージを知らないというのであれば、
もうその人の心が腰痛を維持するためにしか働いていない、ということになる。このように心が腰痛を作り出す場合がある。

心が腰痛になっていないか、考えてみよう。

しかしその実、本当に良い姿勢のイメージを、医師やリハビリ士、ヨガの先生なども正しく教えることができる人がどれだけいるだろうか。
一般の方となれば、腰痛を直したくともメディアの情報に振り回されて悪化させるのが関の山である。

ある先生は、腹筋を鍛えなさい、と言う。
ある先生は、背筋を伸ばしなさい、と言う。
ある先生は、丹田に力を入れなさい、と言う。

部分的には正しいけれど、総合的に説明でき、理解を促すことのみでその方の腰痛が良くならなければ、姿勢をわかっているとは言えないと思う。

知っているということは、そのことを完全に理解し、行動しているということだ。

厳しいことだけど、実践してないなら、知らないのと同じ。

良い姿勢のイメージとは、ニュートラルなポジションを保つこと。

難しい言葉じゃない。

反り腰で円背でもない、ただ中間の姿勢のこと。

例えば、そう言うと、『わかりました。壁に背中をつけて背中がべったりつけばいいんですね?』

と言われる先生がいる。やってみるとどうしても反り腰になる。すると、

『これが脊柱の生理的曲線ですね』と言う。

生理的とは、心臓や内臓の筋肉の動きのように自分の意図ではコントロールできないと言うことだ。

反り腰になったりならなかったりと自分の意思の運動で容易に変動するのに、どうしてそれが医学的に”生理的”と言えるのだろうか。

正しい姿勢について、足の裏から頭の先まで、解剖学的に説明できるのは骨盤底筋群の最先端の理解に基づいた運動療法であるガスケアプローチだけかと思う。

姿勢の教育は、まだ始まってもいない。

まず良い姿勢のイメージを知ろう。

次回は、ニュートラルポジションを説明しますね。


[運動教室ビソアダラカ] http://bit.ly/bisolife

國本 文平 Bunpei KUNIMOTO 作業療法士 ダンサー 運動教室ビソアダラカ主宰

15 歳の時、交通事故に合いリハビリのためにバレエを始める。文化庁新進芸術家海外研修生2016-2018、ポーラ美術振興財団在外研修員2018-2019 として渡仏し創作や医学の研究をパリ大学医学部などで深める。2004年よりフィットネスインストラクターとして仕事を始め、これまで、広島市や横浜市、日本バレエ協会などでも講師をする。広島大学医学部で作業療法の免許を取得し、作業療法士として、またダンサーとして医学と芸術を舞台やワークショップにおいて融合させ、より良い心身の在り方を探求している。周産期医学より生まれたフランスの骨盤底筋群の運動療法ガスケアプローチ“骨盤底筋群”、“破壊行為を伴わない腹筋運動”、“呼吸”の3つの指導者資格をInstitut de Gasquet,Parisにて取得。現在、原田リハビリ整形外科勤務。

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