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伝説に居合わせるのはむずかしい

伝説に居合わせたんだぁ、って人、いるじゃないですか。
私の身の回りで、もっとも古い伝説に居合わせてた人は「ザ・ビートルズ日本公演」を観てた方。1966年の日本武道館。今は80手前のその方も、当時は20代だったそう。
何かの話の流れで、そこに居合わせていたということを知りました。

感想を聴いてみると、
「うるさかったねえ」
だそうです。

淡泊な感想ではあったけれど、それもまた体感しないと出てきません。

あのビートルズ、日本武道館で初めて行われたライブ……。
「伝説」という言葉は軽々しく使うものじゃないと思っても、やっぱりそれは歴史の一つに数えて良いライブだと私は思います。
良いなあ。純粋にうらやましい。

みなさんにも、そんなご経験ありませんか? 伝説に居合わせてた知り合いって。
で、やっぱり思うわけですよ。伝説に居合わせたいよなあ、なんて。

多くのアーティストに、伝説の一日がある

ライブは一期一会で瞬間的だからこそ、そんな伝説的公演というか、語り継がれるようなものってあると思います。
「あの雨の屋外ライブ」とか「あの名MCが飛び出したライブ」だとか。

それって彼らにもあると思うんです。
GUNS N’ ROSES。今回の記事の主役です。

GUNS N’ ROSESの東京ドーム

日本でも何度かライブを行っているガンズ。
そのうち、ちょっと語り継がれて良いライブと言えば、東京ドーム公演じゃないでしょうか。

1992年の東京ドーム。2枚同時発売のアルバム「Use Your Illusion」を引っ提げた、ワールドツアー。
20代で脂の乗り切った、ボーカルのアクセル・ローズを中心に、まあ黄金期のメンバーだと言って良い布陣。
これは映像でも発売されていて、まだVHSだったころにレンタルビデオショップで借りて観ましたね。キレキレのメンバーのパフォーマンスがとてもかっこよかった。

で、これを「観に行った」っていう知り合いがいたわけです。

「うっわぁ、行ってたんだあ」って思いました。
伝説に居合わせたんだなぁ、ってそんな感覚をまたも覚えました。

で、感想を聴いてみると、
「時間がだいぶ押していました」
だそうです。

音楽的な印象よりは、そっちのほうが印象深かったようです。
でも、やっぱりパフォーマンスがキレキレだったことは、間違いなかったようです。

ガンズが、来る!

そして、時計の針をぐんと現代に回します。
GUNS N’ ROSES、来たる、と。

キャリアの長いバンドとは言っても、実質、活動が止まっていた時期もありますし、メンバーチェンジもあります。
それが、現在のメンバーには、アクセルはもちろんのこと、一度離れていた黄金期のメンバー、ギターのスラッシュ、ベースのダフ・マッケイガンが戻ってきているわけです。

ビートルズはとうに解散したどころか、もう二度と4人が揃っているライブを生で観ることは叶わない。
けれど、ガンズは今観られる。
60代になったメンバーのパフォーマンスがキレキレかは難しい。チケットは高い(SS席1万9000円)。けれど、見逃せばさらに歳をとって、体も衰えていくはず……。

そこでチケットを買い、行きましたよ。さいたまスーパーアリーナ。

2022年11月6日

さて、その日のパフォーマンスがどうだったか。

まず、ほぼオンタイムに驚き。1時間は押してもおかしくないと思ってました。
中身は、代表曲ぞろいのセットリストの中に、Velvet Revolver演ってて、ピリッと来る感じは良かった。

ただ、個人的にはやっぱり全盛期の印象が強すぎて、ちょっと残念な感じも否めませんでした。
太ってるアクセル・ローズ(わりとスラッシュも)、やっぱりショックなんですよね。ダフがカッコいいまんまだったから余計に思いました。まあ、ダフが奇跡的すぎるのかもしれませんが。

そういう意味では、私にとって、伝説の一日ではなかったわけです。
すごく良かったし、しっかり記憶して、たぶん今後も話題にあげるだけのライブだったんだけれど、伝説というほど心に刻まれるものではなかった。


別に誰かにうらやましがられたいなんて思わない。
ただ、本当に心打たれ、衝撃を受けるようなパフォーマンスを観たい。
それはたぶん全盛期で観たほうが良いんだろうな。後回しにしちゃいけませんね……。

やっぱり見るなら、いつでも“今そのとき”。
伝説に居合わせるのはむずかしい。
そりゃ当然の話なんだけれど。

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