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シベリア鉄道3日目。6月7日

眠り男との会話とスペイン巡礼の先輩との出会い

翌朝、部屋でバナナとパンを食べていたら、眠り男が、「おはよう!」と初めて英語で挨拶してくれ、初めて少しだけ話した。

眠り男はその後、部屋の外の廊下で数時間車窓から景色を見続けていた。

ずっと続く似た景色の中に廃墟や家屋。たまに行き交う列車と線路の点検をする人。

何とも言えず素晴らしい景色。僕もしばらく眺めつづけた。

別車両の探索に行くと、何かのスパイスと足の匂いが混ざったような体臭やらが、車両ごとに違う匂いに感じるのは何故だろう。酒盛りでもしていると想像していた3等車でも、寝てるかスマホを見てるか本を読んでるかで、誰かに話しかける雰囲気ではなかった。

部屋に戻ると、向かい下段の夫人がラジオを聴きながら何か刺繍を縫っていて、笑顔で会釈してくれたが、話しかけたら反対を向かれてしまった。ちょっとぐらいロシア語を勉強しておけばよかった。

13時Obluch’e駅で15分停車。売り子がパンや魚を売っている。気晴らしに外に出てきた乗客たちの中に、フェリーで少し言葉を交わしていた日本人女性の花田さん(47)を見つけた。彼女は、イルクーツクの後サランスクへ行き、サッカーのワールドカップ日本対コロンビア戦を観戦する。

僕がこのあとスペインの巡礼を歩くと言ったら、「15年前に私も歩いた。頭を丸坊主にして。世界中旅したけど一番印象に残っているよ」と言っていた。

今回の僕の旅のメインは、スペインの巡礼を完歩すること。

1000年続いていると言われるスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼道は複数のルートがあって、今回はフランスとの国境、ピレネー山脈越えの全行程約800キロメートルの「フランス人の道」を行く。

シベリア鉄道を降りた後は、電子国家と言われるエストニアでは2泊するが、長距離バスと鉄道を使って西へ西へ。巡礼起点の村まで一気に移動しようと思っている。

「道」で登録されている世界遺産は、このカミーノ・デ・サンティアゴと日本の熊野古道。5年前に友人と歩いたことがある。

実は、ずいぶん前から四国のお遍路に行こうと思っていたが、数年前に四国を周ってきた友人から、「スペイン巡礼がいいらしい」と聞いて、国内は後回しにしてまずスペインを歩きたいと思い始めた。

2ヶ月休むことを簡単には考えていたわけではなく。半年以上前に会社の上司に、相談のような報告のような打ち明け話のような、そんな話をしてから一気に具体的なプランを考えだした。

今日の写真

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