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結婚式で脱出ゲームをやってみた

みなさんは脱出ゲームをご存知でしょうか?
実際にやった事がある方もいらっしゃるかもしれませんが、脱出ゲームとは、いわゆる謎解きゲームです。
卓上で謎を解いてストーリーを進めていくホール型や、本当に部屋に閉じ込められてしまうルーム型、最近ではオンラインで出来るものや書籍など、様々なものがあります。
私はそれが大好きで、旦那を連れてよく参加しています。

そこで、その楽しさをみんなにも知ってもらいたいと思い、自分の結婚式で脱出ゲームをやってみることにしました。

色々調べてみると、専門の業者を呼んで司会から演出までお願いできるものもありましたが、私たちが選んだ結婚式場は業者の持ち込みNGだったため断念。
その他、ある程度のメールのやり取りで謎を用意してくれるサービスなども検討しましたが、演出力に欠けていたり、ストーリーが最初から決まっていたりと、私たちが求めるものとは少し違った気がしたため、悩んだ挙句自作する事にしました。

脱出ゲームが大好きで、月に一回程度は参加していますが、だいたい脱出は失敗するし、謎なんてもちろん作った事などありません。
そこで私たちはネットで謎の作り方を検索しまくったり、持っている書籍版脱出ゲームを参考にして試行錯誤しました。

まず、招待状にも何か仕掛けを作りたいなと思い、色々考えました。
しかし、招待状をもらった相手が必ずしも結婚式に出席するとは限りません。
残念ながら欠席となった人にとってそれは永遠に謎のままになってしまいます。
そこで、招待状にはそれだけで完結する謎解きを入れる事にしました。
難し目の問題設定にして、正解者にはちょっとしたプレゼントを渡す事に。

書籍版脱出ゲームにとてもいい問題があったので、それをまるパクリ。
とは言っても、出てくる単語や答えは結婚式用にアレンジしました。
ただそれだけの事でしたが、それがなんと難しいことか。
一つ単語を変えるだけであちこちに矛盾が生じたり、○から始まり□で終わる5文字の単語、しかも結婚式にちなんだワードを探さなければならない、などなど…
想像以上に大変で、これを一から作った人は本当にすごいなと尊敬しました。

私たちはパソコンがそれほど得意ではないので、問題は全て手書きで作成し、なんとか完成。
あとは印刷して製本するだけと思ったら、紙の端いっぱいいっぱいまで使いすぎて印刷すると切れてしまったりと問題は山積み。
一度スキャンして印刷してみたり、縮小コピーしてみたりと試行錯誤してやっと完成しました。
しかしこれはまだおまけ程度の招待状の謎。
本番はこれからです。

まず最初に演出を考えました。
すると旦那が、お色直しで幼稚園児の格好をするのはどう?と言い出しました。
というのも私は童顔で、2人でデートしている時に何度か親子に間違われた事があるくらいなのです。
そこで、お色直しで幼稚園児の格好で登場し、みんなに謎解きをしてもらって正解したら我に返り、改めてお色直しをするとゆうストーリーにしました。
では何をきっかけに我に返る演出にしようか…
お酒を飲んで大人の味を思い出すとか、逆に酔っ払って幼稚園児の格好をしているていで、水を飲んで我に返るとか…
色々考えた結果、お姫様抱っこをして結婚式中である事を思い出すというストーリーにしました。
その伏線で、前撮りではお姫様抱っこの写真をいっぱい撮ってウェルカムスペースに飾る事に。

前撮りのお姫様抱っこ


ストーリーが決まれば問題を作っていきます。
まず難易度設定ですが、相手は脱出ゲームをしに来た人々ではなく結婚式に参列しに来た人々なので、問題は簡単にしました。
しかし、脱出ゲームの面白さを知って欲しかったので、最後のどんでん返しのひとひねりは加えました。
制限時間は他の余興などの時間も考えて短めの15分。
テーブルごとに協力して解くスタイルにしました。
披露宴は1テーブル5名から7名だったので、小問を9問作成。
問題は席次表や問題を入れている封筒も絡めて作る事に。
中でも席次表を絡めた問題作成が1番苦労しました。
席次表のデザインにたまたま蜂がいたので、その軌跡を辿ると文字になるという問題を作りたかったのですが、レイアウトが決まっているのでそれに合わせて挨拶文や改行を考えるのがとても大変でした。

蜂が通った最後の4文字を「なかよし」
にしたかったので、文字の位置を少しだけ
上げてもらうように調整


9問全て解いて回答用紙を埋めると、「きいろいぼうしとれ」となるようにしました。
幼稚園児の格好をしている私たちが黄色い幼稚園帽を被っているので、それを取ると帽子の裏に「カバンの紙を1枚ずつ取れ」と書いてあります。
私たちが持っている幼稚園バックの中に最後の問題が入っているという仕様です。

最後の問題は折り紙になっていて、指示通り折ると答えが現れるのですが、そこに引っ掛けを加えました。

折り紙の問題


折り方の指示


普通に折ると投げキッスと現れるのですが、新郎が新婦に投げキッスをしても何も起きません。

ダミーの答え


実は最初の小問の中で嘘つきを探す問題があり、折り紙の指示の中にもその嘘つきの指示が紛れ込んでいるのです。

最初の小問


嘘つきの指示だけ反対に折ると、お姫様抱っこという文字が現れる仕組みです。

本当の答え


問題の構成が決まればあとは手書きで作成して印刷。
招待状の謎は全員分作りましたが、今回はテーブル数だけだったので少し楽でした。
謎を入れる封筒にフライヤー風のイラストを書いたり、脱出ゲームでよくある「脱出成功」「脱出失敗」のプラカードを作ったりもしました。

さて結婚式本番。
スケジュールがカツカツだったせいもあり、進行は秒速で進んでいきました。
入場してウェルカムスピーチ、乾杯の挨拶、友人代表スピーチ、ケーキ入刀の代わりのカラードリップ、ここまで休憩なしで流れるように進み、そのまま退場。
普通ならみんなで写真を撮る時間があるので、会場はややざわつき、前の方の人は席から自撮りでなんとか一緒に写真を撮ったりと工夫してくれていました。

ウェディングドレスでみんなと写真を撮れなかったのは少し残念でしたが、脱出ゲームのためなら仕方がありません。
いよいよ幼稚園児の格好での入場です。
入場の曲はクレヨンしんちゃん。

イントロで会場はざわつき、パニックパニック〜♪の出だしで幼稚園児の格好の新郎新婦が登場。
至る所から「えーっ!」という悲鳴に近い声が聞こえてきて、かなり気持ち良かったです。
全てのテーブルに問題の入った封筒を配りながら入場。

驚きのお色直し


タイトルは「永遠の五歳児からの脱出」。
司会者さんには入場時、「あれー?どうしたのでしょう…何か様子がおかしいですねぇ。お二人は幼稚園児に戻ってしまったのでしょうか?」などと言ってもらいました。
そして、「封筒の中に問題が入っているみたいですね。それを解いたらお二人が元に戻るのかもしれません。それでは制限時間15分、永遠の五歳児からの脱出、スタートです!」とアナウンスしてもらい、いよいよ脱出ゲームのスタートです。

えいえんの五歳児からの脱出

みんなが一生懸命謎を解いている間、ここぞとばかりにご飯を食べました。
スープを一気飲みし、ステーキをガツガツ食べる。
ドレス姿では中々がっつけませんが、幼稚園児の格好なのでお構いなしです。

その後、世話役の方にせっかくなので周りの様子を見て回ったらどうですか?と言われ、2人で会場内をお散歩。
ヒントを出したりみんなで写真を撮ったりしていると、黄色い帽子を取りに来るグループがちらほら。謎解きは順調に進んでいるようです。
そして何組かは見事ダミーの答えに辿り着き、投げキッスと答えてきました。

そんな感じであっという間に15分が過ぎ、脱出ゲーム終了。
結果、13組中5組のチームが正解しました。
正解チームを発表し、せーので本当の答えである「お姫様抱っこ」と言ってもらい、新郎が新婦をお姫様抱っこ。

脱出ゲームクライマックス


そこで2人にマイクを向けてもらい、「あれ?そういえば結婚式中だった!急いで着替えに行かなくちゃ!」と言って退場。
きっとみんなにかなりのインパクトを残せたと思います。
その後無事にお色直しをし、その間に脱出ゲームの解説動画を流してもらいました。

ガーデンからカラードレスで登場し、後は余興の動画、旦那のいとこ達からの歌と進み、今度はみんなで写真を撮る時間も少しは設けれました。

ちなみに余興の動画は職場の後輩にお願いしたのですが、女優の知人にお祝いメッセージをもらったのでそれを使って欲しいと言うと、僕たちはバーターですね!と自虐を交えつつ喜んで作成してくれました。
彼女が出演していたドラマをパロって、主題歌を流しつつ登場人物に扮してアフロや金髪のヅラを被りお祝いメッセージを言ってゆき、途中でドラマの映像が流れたかと思うと本人からのメッセージが流れるという、まさに後輩たちはバーターでしたが、素晴らしい動画を作ってくれました。

最後に両親への手紙と記念品贈呈。
記念品は何にしようか色々考えましたが、どれもこれも高い高い。
産まれた時の重さのぬいぐるみや、一枚の木からできた三連時計、メッセージ付きの似顔絵など、全部高くてどうしようか考えた結果、私が絵を描き、書道をやっていた旦那がメッセージを書いてプレゼントしました。
製作費0円。
我ながらまあまあな出来栄えだと思っています。

両親へのプレゼント

ということで無事に結婚式を挙げ、脱出ゲームは大成功。
みんなにとって忘れられない結婚式になった事を願っています。

ちなみに2次会も自分たちで企画しましたが、ぽんこつペイントというゲームをしました。
詳しいルールはググったらすぐに出てくると思いますが、なかなかおすすめです。
2次会は20人程度の少人数で行い、半分のチームに分けてゲームをしたのですが、片方のチームが絵を描いている間、もう片方のチームと歓談する事ができたので、ゲームもおしゃべりも楽しむ事ができました。
そして用意した景品は書籍版の脱出ゲーム。
趣味の押し付けです。
別に回し者ではありませんが、少しでもみんなが脱出ゲームに興味を持ってくれたら嬉しいなと思っています。

私がやりたいと言った結婚式での脱出ゲームに全面的に協力してくれた旦那や、式場のみなさん、特に司会者の方、そして参加してくれた親族や友人のみなさんにとても感謝しています。
全てが手探りでしたが、やってみてよかったなと心から思っています。

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