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#07 ビリオバ誕生

2021年9月。そうこうしているうちに、いよいよ学校がはじまった。
ドキドキしながら教室へ。教室は5〜60人は入れるような広さだった。
私は、前から2列目の真ん中の席に座り、今後この席を自分の席と決めた。(席は決まっていなかったので、時々先に取られることもあったけど)
私はすぐに集中力が切れて、ほかのことが目に入ると興味がそっちへ移ってしまうので、できるだけ前の席を選んだ。でも、一番前はちょっと緊張するという小心者がゆえの、前から2列目。
20人くらいの人数が居たと思う。このクラスは11月から別のクラスと合流するので、全部で40人は居たと思うけれど、私はいつもこの前から2列目の席に座るので、後ろが見えないため、いったいどんな人がどれだけ居るのか把握できていない。

科目によって担当の先生がおり、最初の経営理論の授業は女性の先生だった。アパレルの会社を経営していて中小企業診断士になったという先生で、こうして学校で教えながら、診断士業務を行う現役の先生だった。

すげー。かっこいい。

社長やりながら、士業もやって、それでいて授業を教えてるなんて、バリバリやん。めっちゃかっこいい!自分もいつかそんな風になれるかなぁ。なんて、夢みたりもした。

授業が始まって1ヶ月ほど経った頃、先生の提案で「飲みに行きましょう」ということになった。
先生が学生だった頃は、毎授業後にクラスメートと飲みに行っていたらしい。授業後と言っても平日夜の授業は21:30に終わるので、それから飲みに行っても入店からラストオーダーの感じだと思う。
けれど、2021年といえばまだコロナ禍で、時短営業を課されていて、20時以降はほとんどの店が閉まっており、大阪の夜はとても暗く静まっていた。
そんな中、数少ない営業中の居酒屋へ入った。
参加したのは10人ほどだったと思う。コロナ禍なので、外での飲食を禁止する会社もあったと思うし当然だ。

参加したメンバーで初めて自己紹介をした。マスクを外した顔を見るのも初めてだ。男性8割女性2割くらいだった。
「〇〇銀行に勤めています。35歳です。」
「税理士事務所に勤めています。36歳です。」
「コンサルティング会社に勤めています。38歳です。」
みたいな感じの中、
「フリーランスでデザイン業をやってます。オーバー40です。」
と、自己紹介した。さすがに誰も何も言わなかったけれど、ツッコミどころ満載だ。フリーランスも居なければ、デザインとかいうふわっとした仕事の人もいない。しれっと「オーバー40」と言ったけど、本当は46歳でしっかりアラフィフだ。この時に痛感した。

ああ、これは完全に場違いだ。間違いなく私はクラスの劣等生だ。

でも、まあいい。そんなこと他の誰も気にしない。
むしろ、こんな野良犬みたいなオバさんが仲間だと誰も思っていないに違いない。それでいい。それでいいよ。だけど、、

こんな私が合格したら、面白いんじゃね?

ビリギャル的ノリで、ビリオバ(クラスでビリのオバさん)として頑張ることに決めた。

ビリオバの誕生である。

しかし、クラスが40人だとして、合格率から単純計算すると、1次試験に合格するのは8人、さらに2次試験に合格するのは1.6人。このメンバーの中で、まさか自分がその1.6人に入ることができるとは、その時は思いもしていなかった。(合格率は全国平均なので実際はもう少し居たかもしれない)

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ビリオバ


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