見出し画像

#04 本当にこの資格ですか?

さっそく「中小企業診断士講座」を開講している学校を探した。通信講座もいくつかあったけれど、昔から勉強が苦手で、しんどいことから逃げてきた私が、独学で続けられるはずがない。そこで、通学コースがあり、家から通いやすく、経験値が高そうな学校を選んだ。しかも見つけた学校は、7月中に申し込むと割安になる早割キャンペーンをやっている。申し込み前提でギリギリの7月29日の面談を予約した。

学校は、駅から徒歩数分のオフィス街にある高層ビルの中にあった。高層階と低層階のエレベーターが分かれているタイプのオフィスビル。エレベーターにはIDカードを首からぶら下げているオフィスワーカー達が乗っていた。
しばらく、こういう社会生活と離れて暮らしていたので、それだけで新鮮で「うふふ」と心が踊った。

学校の受付で、「あのぅ、、面談予約した者なんですが、、」と気弱に声をかけると、テーブルに案内され、担当の方がやってきた。

「中小企業診断士講座にご興味いただきありがとうございます」そんな感じで話が始まった。勢いで申し込んだ私は、試験について何も知らなかった。
説明を受けてはじめて、1次試験と2次試験があること。1次試験では7科目あること。それぞれの試験の合格率が20%前後であること・・・そういう当たり前なことも知らず、話を聞いて驚いた。
やっぱ国家資格だもんな、、ヤバそうだぞ、、、(汗

「あの、、私大学も出てなくて、ずっとデザインの仕事しかしてこなくって。そんな私でも大丈夫でしょうか?」
少し不安に思った私は、素直に担当の方に聞いてみた。すると、

「えっと…、本当にこの資格ですか?」

という。
そりゃそうだ。“勉強苦手です”と白状した私に対し、「はぁ?ムリムリやめときな!」と思う方が自然だろう。でも、担当の方は至極やさしく、オブラートに包むように、「他に、こんな講座もありますよ」と言って、マーケティングのパンフレットなどを見せてくれた。
あぁなるほど。検定試験的なやつですね?でも、それは国家資格じゃない。そう思って、
「いえ。この資格がいいです。」
と、中小企業診断士のパンフレットを指差した。

すると、再び説明を続けてくれた。聞けば聞くほど、なんだか難しそうだ。ますます不安になってくる。

「あの、テキストを見せてもらえますか?」

とたずねると、「ちょっと古いので申し訳ないですが」と言って、テキストを見せてくれた。散々、難しそうな話を聞いていたので、さぞ小さい文字で文章だけが並んだ堅苦しい本なんだろうと想像していたら、大きい文字で図をたくさん使った、わかりやすそうなテキストだった。

これなら、いけるかも

なんの自信かわからないが、漠然とそう思った私は、急にワクワクしてきて、「申し込みます!」と宣言した。
担当の方は、不安だったかもしれない。でも、本人が申し込むというのだから、断る理由もない。
申し込み用紙に記入を終え、クレジット決済を済ませた。この時点で私のワクワクははち切れそうだった。

授業に何を持っていけば良いか、教室にはどうやって入るのか、授業はどんな感じか、、、永遠質問攻めだった。そして、帰りに、
「ちょっと校内を見て帰っても良いですか?」と聞くと
「もちろん。もう生徒さんなので、自由にご覧ください。」と言ってもらい、なんだかうれしくなって、そう広くない廊下をぐるぐるして、休憩室や自習室を覗いてみた。

この学校では、会計士や司法試験など多くの講座があるので、いろいろな生徒さんがいた。休憩室でテキストを見ながらご飯を食べている人や、自習室で黙々と勉強している人たちを見て、もう私のワクワクは最高潮だった。

ー2021年7月29日、46歳。新しい扉を開くー

デザインだけやってきたオバさんが一念発起して資格取得を目指した自分史を投稿しています。ぜひフォローやマガジン登録いただけると嬉しいです😊https://note.com/biri_oba/m/m30e1acfa6c30
スキ❤️も励みになります!

ビリオバ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?