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#27 第2次試験当日 ー最後の絶望ー

2022年10月末、とうとう第2次試験の当日がやってきた。
今回も、1次試験の時と同様に神戸の人工島が会場だった。1次試験初日に電車が止まったことを思い出して、ずいぶん余裕を持って家を出た。

1次試験の時と違って、試験の雰囲気にも慣れ、会場までの電車の乗り換えも把握していたこともあって、気持ちに余裕があった。3ヶ月の準備でまさか合格は無理だろうし模試のつもりで…と考えていたことも、大きかったかもしれない。
そんなわけで、前夜もぐっすり眠ることができ、万全の体制で挑むことができた。

そうして、試験が始まった。

事例1、2、3と順調に終えた。
解答のポイントは迷うことがなかった。正解かどうかはわからないけれど、自分の中で「これ」というのが決まっていたので、あとはそれを文字数制限のある中で、どう解答するか。だけだった。これがなかなか難しい。パソコンなら、全文書いたあとで文字を増やしたり減らしたりが簡単だけれど、筆記なので、句読点を1つ入れるか入れないかも、後からやるとなると、全部消しゴムで消さないといけない。
あまりに、ゴシゴシと消すと長机なので隣の人にも迷惑がかかる。
そういえば、2次試験のために私は消しゴムを買った。ゴシゴシしなくても文字が簡単に消えるという消しゴム。効果の程はいまいちわからなかったけれど、できるだけ隣の人の迷惑にならないように気をつけた。

と、書いたり消したりしながら、文字制限いっぱいまで文字を埋めた。
そしていよいよ最後の科目、事例4。私の苦手な財務会計。

最初の問題は定番の経営分析の問題。ここは点数を取れるところ、、と思ったら、いつもと違う聞かれ方をされて、初っ端からパンチを喰らってしまった。焦る…焦る… 第1問はそんなに時間をかけるところじゃないとわかっているのに、「えーー、これって何率だっけ?計算式なんだったっけ?」って、もう最初からプチパニックになった。

とりあえず適当に答えて、次の問題へ移る。
次の問題は勉強してきたセールスミックスの問題だった。焦った頭を落ち着けて、これは解けるはず。そう思ってなんとか解答がかけた。正解かどうかはわからないけれど…

そして、第3問。苦手な投資問題。あんなに何度もNPVの練習問題を解いてきたのに、ちょっとひねりが加わるともうわからない…
あぁ、これは答えが出せない。と思い、第4問の論述問題を先に答えた。これもあっているかどうかわからないけれど、たぶん第3問をやっていたら、4問まで辿り着けないと思ったからだ。
そして、第3問はお手上げ状態だった。考えてもわからないから、どうしようもない。だけど、財務の先生が言っていた言葉を思い出した。「絶対諦めてはダメ。知らない問題が出た時でも、知っている知識を駆使して考えろ」って。そうだ。白紙で出すのだけはやめよう。そう思って、間違いだとわかりながらも、とにかく計算過程を書いてみた。

そして、試験時間終了。解答用紙が回収される間、だまって席で待っていると、周りの人の解答用紙がチラッと見えた。意外とわからない問題を白紙で出している人が多くてびっくりした。

帰り道、冷静に考えれば考えるほど「落ちた」と実感してきた。事例1〜3はともかく、事例4は最低ラインの40点も到底無理だ。自分の感覚では10点くらいだった。そう思うと悲しくなってきた。どうせ無理だとわかっていたけれど、やっぱり悔しかった。あんなに頑張ったのに…
帰りの電車で、緊張の糸が切れたせいか、ついぽろりと涙がこぼれた。今まで頑張ってきたけど、やっぱ無謀だったよなぁ。と絶望感いっぱいになった。

先生に報告しよう。

苦手な財務を最後まで根気良く教えてくれた先生に、メッセージで報告した。「激ムズで事例4で完全に死亡しました(泣」と。
そうしたら、「激ムズなら、みんなできていないので吉報を待ちましょう」という心強い言葉とともに、

「人よりたくさん頑張って来た人が難しいと感じたなら、それは他の人にはもっと難しかったってことですよ」

という嬉しい励ましの言葉をもらい、涙腺が崩壊した。
電車で泣いたのは、あとにも先にもこの時くらいだ。

ーこうして1年ちょっとの私の受験勉強が終わった。

デザインだけやってきたオバさんが一念発起して資格取得を目指した自分史を投稿しています。#01から順番に読んでいただけると嬉しいです☺️
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ビリオバ






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