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ひきこもりを加速する…?メタバース最前線を語る

メタバース(metaverse)とは、コンピューターやネットワークのなかに構築された現実世界とは異なる仮想空間やそのサービスで、新しいインターネットワールドと称される「メタバース」は英語の「超」を意味するMETAと、「巨大な空間」を意味するUNIVERSEの造語と言われています。

2022年2月18日 松戸市コンテンツ事業者連絡協議会の「ひきこもりを加速する…?メタバース最前線を語る」に参加しました。渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト「バーチャル渋谷」などの大規模メタバース空間をプロデュースした、株式会社クラスターの代表取締役 CEO 加藤直人氏さんと黒川文雄(黒川塾主宰)のメタバースの現状についてのセッションでした。

今回はこのセッションの内容の一部と補足とコメントをのせたいと思います。

メタバースはいつ来るか

全世界から1日約5000万人がログインし、2400万本以上ものゲームタイトルを遊ぶことができる基本無料のゲーミングプラットフォーム、「Roblox(ロブロックス)」のユーザーはすでに2億人にものぼり、半分が小学生です。

フェイスブック(Facebook)社は昨年(2021年)10月、Meta(メタ)に社名を変えました。オキュラス(Oculus)社を買ったりもしています(Oculusブランドは終了。VRヘッドセットは『Meta Quest』へ)。メタ社のVRは何かずれているとは思うが、毎年巨額の投資をしているし、ゲームエンジニアを採用しています。これだけお金が動くということは何かが動くと思われます。

VRデバイスの未来

デバイスはもっと進化して身近にならないといけない。ホライズン(horizon)は、大きくて毎日使い続けることはできないだろというレベルのものでした。1000万台売れてデバイスとしては失敗と言えるがようやく一線超えた感じがあった。

「horizon Worlds」 Meta Questより引用

レンダリングが無線でできるなど技術の発展はひとつひとつ進んでいきます。スマホも一夜にして世界を変えたといわれますが、モバイルインターネットでは20年かかって機種変更を重ねて今の状態になっています。VRデバイスも機種変更を重ねるなかで発展していくと思います。

日本的メタバースはガラパゴス化?

メタ社やMS社のアバターは簡易的で本物ではないと思うが、やりかたがうまい。日本は日本発のクオリティでこえないといけないと思います。
クラスター社は日本だったからポケモンとコラボできたけど、これをこえていかないといけない。日本は、UGC(UGC:User Generated Contents:ユーザーの手によって制作・生成されたコンテンツ)の扱いがへたくそなので海外へ行けない。ユーザーが気持ちのいいと思う体験をゾーンニングしていかないとYoutubeとニコニコ動画の関係みたいになると思います。

※ユーザーを巻き込んだマーケティングをしていき、ユーザーがより気持ちいいと思える、ユーザーがより満足する方向へつくっていく必要があります。

なぜニコニコ動画はYoutubeになれなかったのか

データを活用してユーザーに最適な体験をしてもらうことが重要です。一部コアなユーザーのランキング重視というところから、アルゴリズムで機械学習して数十億人のユーザーがよい体験ができるようにする。あなたにとっていい体験をというコモディティ(日常をつくること)が差別化になります。それをまともにつくれているところはまだない。マーケット構造的にいいとこをとる必要があります。
※ニコニコ動画は、一部コア層に特化してしまったためにマーケットが広がらなかったと思われます。

また、(ブロックチェーンを活用してセキュリティを高める)Web3.0はまだ住み心地が悪いので、ユーザー獲得でいうと(SNSを活用した)Web2.0の方がいいと思います。

日本のゲーム会社はどうすべきか

メタバースは日常の一部となり、生活の中ですごい時間を使うことになるはずです。日本がメタバースで負けたら、つまりメタバースのプラットフォームをとられたらしんどい立場になります。ゲーム会社はソーシャルゲームをつくっている場合ではなく、人材をメタバースへ流すべきだと思います。

メタバースハイウェイをつくるとか”公共事業”をメタバース上やるのは面白いと思います。そうした”インフラ整備”に巨額を投資してつくるのを国策としてやっていいと思います。

将来は、人が動かなくなり情報だけが動く世界へ移行します。人間はそちらを目指さざるを得ないはずです。

メタバースで少なくなる格差

アバターは自分でつくることができるかというと今でもできます。3Dの作成コストはさがってきますし、国民皆Vチューバー化すると思います。メタバースの世界では、情報格差は物理に依存しているよりかなり小さいです。出会った人が、実年齢が40代と10代であったり年齢性別の格差は関係なくなります。
VRコンテンツをつくる人が今後増えていくと思われるが、環境として2点必要だと思います。
・作れる環境のハードルをさげる
・クリエーターが稼げる

そうして今まで関わってこなかった名もなき人がこの世界の裾野をひろげていくと思います。

ローズデールのつくった「セカンドライフ」は現実世界をそのままシミュレートして作ろうとしたが、動作が重たくて動かなかった。

メタバースはデフォルメの世界、バーチャル世界です。セカンドライフとロブロックスとは同時期につくられたが、現在その差が出ています。

「生活の一部」ではなく、メタバースのなかで生活する

メタバースは、今はまだSNSのようなひとつのアプリ、”アプリレイヤー”としてとらえられているかもしれないが、朝起きたら入るという具合に生活の基盤”OSレイヤー”としての機能を果たすようになります。
SNSなどのアプリは、OSレイヤーとしてのメタバースの中で動かすことになると思います。


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