クリエイター投稿58回目 芸能人、有名人というのは強くないとやってられないようだ

またもや昔話を書こうと、(何しろ年中ステイホームなので、昔のことか本のことしか書くことがない) 確認したいこともあってスマホで調べたのはいいが、途中で知らなくてもいいことまでいやになるほど目にしてしまった。

そもそもは、毎日のように目にしたり耳にする「ジャニーズ」という言葉。 これでもって私の脳内スクリーンに映し出されるのは、50年も前のある劇場ロビーでの一シーンだ。 「イエス・キリスト・スーパースター」(再演以降はジーザス・クライスト・スーパースター) の初演で、開演前のロビーは観劇を前に高揚した気分の人達で賑わっていた。 そんな中に、スポットライトを浴びたように人目を引く、いまだにはっきりと思い出せる二人連れがいた。 5,6歳の可愛い女の子と手をつないだ10代の目立つ顔立ちの少年。 少年は、郷ひろみくんだ。

ブレークする寸前だったせいか、周りの人達に騒がれることもなく二人は普通に客席へのドアへ向かって行った。 

ブレーク前であるにもかかわらず、なぜその少年が郷 ひろみという歌手だと私が知っていたかというと、「マーガレット」を読んでいたからだ。 「マーガレット」は少女向けの週刊誌(隔週だったかも)で、私はその対象となる年代はとっくに過ぎていた。 が、 どんな関係からか、勤め先のある部署に出版元の集英社から毎週送られてきており、他に読む人もいなかったので私が読んでいたのだ。 「郷 ひろみ」を売りだす、あるいは応援するためなのだろう、「マーガレット」には、本名、家族構成、父親の職業を始め、彼の日々のエピソードが毎号事細かく書かれていた。 それを読んでいたものだから、ひろみくんがジャニーさんとメリーさんという人達と関わっていて、メリーさんの子供のジュリーちゃんというのがひろみくんになついている、なんてことを知っていた。 だから、ひろみくんのことはもちろんわかったし、手をつないでいた可愛い女の子がジュリーちゃんだと想像できた。 「イエス・キリスト・スーパースター」には「ジャニーズ」のメンバーだった飯野おさみさんが出演していたので、その関わりからひろみくんが舞台を見に行ったと何かで知ったから、ジュリーちゃんだったと言っていいだろう。

それにしても絵になる二人でした。 郷ひろみくんはあの通りの美少年だったし、ジュリーちゃんの可愛らしさといったら。 もちろん母子ではないのに、「聖母子像」という言葉が浮かんできたほどだ。

このジュリーちゃんが、後の、というか今のジャニーズ事務所の偉いさんなのだ。 で、私の「ジャニーズ」という言葉に対する反応が、いまだにあの時のシーンということだ。

先に書いた確認したかったことというのは、飯野おさみさんとジャニーズとの関わりについてだった。 ジャニーズの一員だったことを確かめようと、(世の中の趨勢に関わりないどうでもいいことだが、仮にもこういう場で誤った情報を流したくない。 しかも自前の記憶保存装置もだいぶ怪しくなってきているので) 例のごとくスマホに向かって発声した。 で、いくつもの関連するサイトが提示され、確認は出来たのだが、どこをどう迷ったのか、芸能人についてあれこれ質問したりそれに応えたりというところへ入り込んでしまった。 スマホを持つまでは、ギガ制限のあるネット接続でパソコンを使っていたため最低必要なサイトしかのぞかなかったのだが、無制限の接続に換え、しかもスマホを使うようになってからというもの、ネット上の寄り道がおおくなったようだ。

そして、今回迷い込んだのは、私にはとんでもないところだった。 ある女性歌手が整形手術をしただのしないだの、費用はいくらかけてやっただの、お医者にコネがあるはずだからそうはかけてないだろうだの、みんなして言い合っているのだ。 別の女性歌手は父親の出自を話のたねにされていた。そういう話を、当事者あるいは近親者、はたまた存在するのならば担当した執刀医が言うのならともかく、直接関わりがないらしい人が単なる想像や貧弱な又聞き情報を根拠に、ああでもないこうでもないとそれぞれの考えを披瀝している。

これは何なのだろう、と考え込んでしまった。整形手術をしてはまずいのか。こことここをこう直しました、と公にしておけばいいのか。自分の親兄弟が突然顔を変えてしまうのは、いろいろ問題があるかもしれないが、直接的な接点のない芸能人が自身の資産である顔や体の営繕、あるいはさらなる価値を生み出すための投資としてお金をつぎ込んでお直しすることが他の人にどういう意味を持つのだろう、などと。そして、それよりも、つまり、整形手術がどうのというより、他人の整形手術について熱心に言い合うことの方が不思議だった。

ネットで取り上げられている、先に挙げた女性歌手達は、あれこれ言われて一体どんな気持ちなのだろう。第一線で活躍していた頃の容姿と比べられ、酷い言われ方をしている年輩の女優さんもいたが、普通、面と向かってあんなこと言われたら落ち込んで寝込んでしまうかもしれない。

私自身かなりのミーハー、ゴシップ好きではあるけれど、ネットを使ってまで芸能人への想いを表そうなどと思ったことはない。これはネット世代ではないからだろうが。ネット時代の芸能人、有名人は、何を言うかわからないネット世代のファンやいわゆる一般の人に対応出来るように、心を強固にしておく必要があるようだ。

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