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イタリアダービー preview

さて、カタールワールドカップ予選ではイタリアの敗退、日本の予選突破などさまざまなドラマがありました。そして、今週末はイタリアダービーです。個人的にはミランがナポリに競り勝った時点でミランのスクデットは決まりだと思っていますが、ミランがコケたときにインテルに可能性が残されるのかが決まる重要な一戦です。ユベントスにとっても、トップ4の位置を守るためにも勝ち点3が欲しいところ。見所を簡単に。

チームの心臓

インテル側は、とにかくブロゾビッチが出場するかどうかに注目が集まっている。ブロゾビッチがいるといないとではチームが変わるのだと。確かに、ブロゾビッチは3バックと連動してポジションを入れ替えてインテルのビルドアップに流動性をもたらすキーマンだ。相手の誰を引きつけて、どこにスペースを作り出し、そのスペースを味方の誰が使うのか。その辺りのデザインができる選手であり、稀有な選手である。インテルの心臓と言っても過言ではない。

ユベントスの方は、ロカテッリだ。ユベントスはビルドアップはダニーロを含めた3バックとアンカーでボールを保持して前進を狙うというやり方はほぼ固定されている。相手が人数を合わせてきた時にWGやCHがサポートのために下がってくる。インテルのようにポジションを入れ替えるなどして流動性を高くすることでビルドアップを機能させるのではなく、人数調整でビルドアップを機能させようとしている。もちろんロカテッリはビルドアップにも参加して鋭い縦パスやサイドチェンジでボールの前進に大きく関与できる。それだけでなく、ボールを前線に運んだ後、主に右ハーフスペースを中心にライン間に顔を出したり、右サイドに流れて起点となったりとフィニッシュワークにも関与している。サレルニターナ戦はロカテッリ不在の中、ハーフスペースやライン間に顔を出す選手がいなくなってしまって攻撃が機能不全に陥った。それこそ、ロカテッリがいるといないとでは違うチームと言えるくらいに。ロカテッリもまた、ユベントスの心臓と言ってもいいレベルまで成長してきている。新型コロナ陽性でサレルニターナ戦はベンチ外でチームを離れていた。コンディションが戻ってきているのかが心配だ。

ブロゾビッチとロカテッリ、どちらの選手がチームを勝利に近づけるプレーを見せてくれるのか。互いのチームの心臓に注目したい。

マッチプレビュー

インテルは5-3-2、ユベントスは5-3-2と4-4-2の可変システムで来るだろう。

予想スタメンは、インテルはハンダノビッチ、ダンフリース、デフライ、シュクリニアル、バストーニ、ペリシッチ、ブロゾビッチ、チャルハノール、バレッラ、ジェコ、ラウタロ。
ユベントスはシュチェスニー、ダニーロ、デリフト、ルガーニ、デシーリオ、クアドラード、ザカリア、ロカテッリ、ラビオ、ブラホビッチ、モラタ。ユベントスはルガーニの代わりにボヌッチもしくはキエッリーニ、ザカリアではなくアルトゥールの選択はあり得る。ザカリアが出ていればロカテッリはアンカーからパスを出すプレーが多くなるだろう。アルトゥールが出るならロカテッリはパスを受ける側に回ることが多くなる。効果的な攻撃を行うならアルトゥールだが、守備的に試合に入るならザカリアだろう。アッレグリがどちらを選択するのか。ザカリアを使って守備に軸足を置いてくると予想するが、果たして…?

噛み合わせ的には、互いの3バックのビルドアップに対して2トップでのプレスは数的不利になる。ビルドアップに制限をかけるとすれば、CHを上げるか、SHをぶつけるかしなければならない。おそらく、インテル、ユベントスともにハイプレスをかけに出るだろう。3月のゲームは両者ともにアグレッシブなゲーム運びをしていた。互いに主導権を握ろうと模索してくるのではないだろうか。ただ、早めにハイプレスを諦めて引きそうなのはユベントスだ。4-4-2と5-3-2の可変守備でインテルの攻撃を受け止めることも選択肢に入ってくるだろう。そうなった時に、インテルはユベントスの守備を崩せるか。インテルは5-3-2の位置からそのまま上がる攻撃のため、ユベントスの守備はマークにつきやすく守りやすいはずだ。CBの攻撃参加で攻撃に厚みをもたらそうとしているが、ブラホビッチを加えたユベントス攻撃陣に対してリスクリターンは釣り合うのか?ブラホビッチを軸とした新しいユベントス攻撃陣がインテルの守備に対して点を取れるかどうかも注目したい。スーペルコッパで当たった時はブラホビッチはいなかった。ブラホビッチがユベントスにどれだけの上乗せをできるのか。ポストプレー、裏抜けの意識の高さ、ミドルシュートと多彩な攻撃パターンがある。

インテル、ユベントス共にボール保持を狙い、互いにハイプレスをかけ合う形でスタートするのではないか。だが、インテルはブロゾビッチを中心とした流動的なビルドアップを武器としている。ブロゾビッチが出てくるのであれば、ユベントスの選択肢を奪うタイプのハイプレスはポジションの入れ替えで剥がしてくるだろう。そうなるとユベントスは引いた守備に移行する。前半15分過ぎくらいからはインテルがボールを保持してユベントスが引いて守る展開になるのではないか。今季、イタリアダービーは2度行われたが、インテルはユベントスの守備を崩して点は取れていない。チャルハノールの枠外へのミドルがディフレクションとポストへの跳ね返りで味方にこぼれた得点、PK、サンドロのプレゼントパス。インテルが取った点はいずれも幸運が助けてくれたものだった。今度も幸運が助けてくれるだろうか?

ユベントスが引いて守ることを選んだ時、ブラホビッチやモラタに対してインテルは何人守備に残すのか。3CBをそのまま残すなら、CBの攻め上がりは使えない。そうなると、試合はこう着状態になる可能性が高い。ここでインテルがリスクをとってCBの攻め上がりを使うなら、どちらかに点数が入る確率は高くなるだろう。おそらくだが、インテルが点を取る前にユベントスのカウンターが炸裂するような気がする。

もう一つのあり得る展開は、ユベントスがボールを保持する展開だ。インテルの2トップに対してユベントスは3バックでビルドアップするだろう。ユベントスが数的優位を保てるなら、ユベントスが押し込む展開もあり得る。そうなった時にユベントスがインテルから点を取り切れるのか。ユベントスもまた、インテルから謎のPKを含む2点しか取れていない。ブラホビッチの真価が問われる試合となるだろう。

インテルのキーマンはブロゾビッチとハンダノビッチ。ユベントスのキーマンはロカテッリとブラホビッチをあげておきたい。

予想スコアはブラホビッチに期待して2-1ユベントス。しかし、0-0も十分に可能性はある。今から月曜日の朝が楽しみだ!!

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