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雨季の近づく海のそばのバス停には時間と行き先の表記がない。 そこで陸地が終わり、こ…
連絡が来ないことが安心だった。 私の村に配達がくるのは日に一度、夕を告げる鐘が鳴らさ…
月と陽が入れ替わる真新しい時間帯に彼女は湖のそばにある、誰の気配もないモーテルで目を覚…
その一脚は南を向いて遥か彼方を眺め続けている。 雨季は終わりを告げ、凪いでいた波は夏…
夕暮れは近く、西のほうは深みを増した青が黄色を挟んでオレンジにグラデーションを描いてい…
その樹々は切り倒されて、 根は土から掘り返された、 指先ほどの小柄な緑は皮を剥ぐよう捲り…
世界中の真夏をすべて集めたくらいに赤くて熱い土、君はそこで彼らと肩を抱き寄せ合って円になっている。 胸の前で手を組んで、バラバラに砕けてしまいそうな胸の内を繋ぎ止めていた。 空を眺める。 そして目を閉じる。首筋から背中へと熱を持った滴が伝わる、食いしばっているはずなのに奥のほうから震えが止まってくれない。 すぐそばに見る彼らはくだらないお喋りで笑い合っている「いつもの」少年じゃないみたいに見えた。 やがて少年たちは散り散りになる、広大なグラウンドでそれぞれがそれ