【グリユニ】ヒーローと少年少女の間に芽生えた友情のお話【アニメ映画感想】

 ついに配信されましたね、グリッドマンユニバース。
 もう語りに語り尽くされていて、考察として書き残すことは今更ないかな、と思うのですが、配信を見て感動してしまったので衝動的に文を綴っています。
 今回は考察でも分析でもなんでもない、いつもの自分の感じで感想記事を書いていきます。レンタル期間が今日までなんですけど、今日は学校帰りでかつ自作を2作投稿してる分の披露があるので、良い意味で頭を使ってない心の底からの感想が出てくるんじゃないかなと思います。
 それでは、スタート。


〇響裕太という少年

 劇場版を見ていて、「お前は何者なんだ...」と一番なったキャラクター。六花への初々しい恋心を見せつつも、正義感だけは常軌を逸したレベルなんですよね。
 これ、別の場所で語った話かもしれないんですけど、一応小説を8年間書いている身として思う「理想の主人公像」って、個人的には「何かに依っている存在」だと考えているんです。それは「愛人」だったり、「信念」だったり、その中でもとりわけ「博愛」だったり「正義」だったりするわけです。さっき裕太の特性を"正義感"と言ったんですけど、実際には正義の感情というよりかは「守れるものを守りたい」という博愛の化身なのかな、というふうにも思えます。対照的に、テレビアニメ「SSSS.GRIDMAN」では、"怪獣を倒す正義の化身"としての一面の方が強かったのかなと。なぜならグリッドマンそのものでしたからね。結果、グリッドマンの"正義感"と裕太の"博愛"がコネクトして、ユニバースファイターの姿になったわけです。
 そういう意味では一つ、僕が求めていた主人公の姿だったな、と思っています。


〇ガウマと姫のやりとり

 ここもかなり印象に残ったというか、姫の存在が本編で回収されるとは全く思っていなかったので。あれだけ意味深にとっておいた「人として守らなきゃいけないものの3つ目」を、多少ギャグっぽく、だけど大切な言葉として本編で解禁したのは、制作してる側もなかなか思い切ってるな、と感動した記憶。
 ガウマにとってはやっぱり、姫と幸せに暮らしているのが「何事も無く幸福だったルート」なのかもしれませんが、蓬たちと出会って過ごした今のガウマも素敵だし、姫もそんなガウマの姿を応援していたみたいです。個人的にもすごく心が温まったやりとりでした。


〇アンチ君と新条アカネ

 個人的な最泣きポイントだった、最後の2人の会話。新条アカネの助太刀シーンでかなりうるっと来て、総力戦で泣いたんですけど、最後のやり取りがもう最高すぎたんですよね。アンチ君のアカネへの思いは「SSSS.DYNAZENON」でも語られていたところですが、お互いにお互いが伝えたい思いを伝えられたのが本当に良かった。大人になったアンチ君が、新庄アカネに「ありがとうございました」って深々と頭を下げるところ、アンチ君は命を授かったことに本当に感謝しているんだなって思ったし、その後アカネがアンチ君の髪をわしゃわしゃするところで、ある意味ではやっぱりアカネの大切な"人の心が分かる怪獣"というか、小さい頃から一緒にいた犬みたいな、またある意味では息子みたいに、アンチ君を想っているのかな…と、あの一瞬のやり取りはすごく大切なシーンでした。


〇"グリッドマン"

 ああいうヒーローの描かれ方って、あんまりないんじゃないかなって思いました。
 グリッドマンって、出自は人間でもない、本当にただ"ヒーロー"なんですよね。ウルトラマンでいうウルトラマンみたいな、つまりは"人に共感されることのない英雄"だったわけですね。これがもし人間のヒーローであれば、人の応援を受けて立ち上がり、そしてヒーローもまた人に寄り添うわけですが、彼らのような"存在からしてヒーロー"なキャラクターって、応援ももちろんされるけど、それって"共感しているから"というよりも"戦って立ち上がる姿に偉大さを見出している"からで、実際にはやっぱり「ヒーローである故に形成されている存在」っていう感は否めないと思うんです。特にグリッドマンは、人知れず怪獣と戦っていて、彼の戦いを知っているのはグリッドマン同盟くらいなものですから。
 そんなグリッドマンの、あまりにも人間らしい一面が見れたのがすごく良かったです。グリッドマンは「夢のヒーロー」なんだけど、裕太たちグリッドマン同盟にしてみればやっぱり同盟であって、大切な仲間だったわけです。ここでグリッドマンと人が"ヒーローと小さきもの"じゃなくて、完全に"グリッドマンとその友人"として同格に描かれたのが、あの対話のシーンとしてもめちゃくちゃ意味があると感じています。
 完璧なヒーローとしての姿を…それこそ"夢"と歌われるほどに理想のヒーロー像を確率してきたグリッドマンが「私は弱い」と認めた上で、仲間たちと肩を並べて敵を打ち倒した姿。それがこのグリッドマンの唯一無二のヒーロー像だったんじゃないかと思います。


 映画の感想記事にしては長々と書いたような気がします。
 今年見た映画の中では、最高傑作と言いたいくらいの名作だったグリッドマンユニバース。アニメ見てこんなに泣いたのはじめてでした。
 現在各配信サイトで見ることが出来ますので、気になった方はぜひ見てみてください。まずはGRIDMANとDYNAZENONを見てから、ね!

 それでは。

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