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誰も悪くない。2月25日

電車にて。

左隣に座っていた男性(30代半ばくらい)が、寝始めた。

ウトウトから、やがてカクカクしだし、前で組んでいた手が離れ、彼の右手が僕の左足に当たる。

それに気づいた彼は起き、すみませんの意で頭をペコっと一回。それに対し、僕も会釈。

15秒ほどすると、また彼はカクカクし出す。そして、手が当たる。彼は起き、再びペコリ。僕もペコリ。

その後にも、この一連が3.4回あった。

そして気づく。これ、誰も悪くないよね?


手が当たってることに彼は気づいてるし、それを悪いと思い謝罪もしている。

それに対し、何回当たっとんねん、と僕がキレるのはあまりにもお門違い。

それだけ謝るなら頑張って起きとけよというのも、同じ人間であれば、無理なことはわかるはず。

では、手がほどけない程度に寝ろよという要求するのはどうか?

いや、もし彼がそれを実行できるのであれば、最初からこんなことにはなっていない。

彼は眠いから寝ているだけに過ぎない。
嫌な顔をしたり、当たってるんですけど、と声をかけることはできるけど、それは少し冷たすぎる。

要するに、彼はどうしようもなく眠いのだから、僕は許すしかないのだ。

「誰も悪くない」ことが、世の中にはきっとたくさんある。

誰も悪くないなら、さっさと許した方が、気持ちいいですよね。

怒るのは簡単なことなんだから。

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