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ワークショップについて その二(和田)

ふたたびのこんにちは。鳥公園アソシエイトアーティストの、そして、運動不足解消のためのストレッチを張り切りすぎたのか肩甲骨あたりのスジが痛む和田ながらです。現在参加者募集中のワークショップ「2020年に『2020』(作:西尾佳織)を飽きるほど読む」について、前回の記事の続きを書きます。

「ふだんのわたしの稽古のように」という文で締めた前回の記事ですが、ふだんの稽古場にはおおむね俳優と演出家のわたしがいるぐらいです。時折、スタッフがのぞきに来ることもありますが、スタッフとの具体的で密なやりとりはクリエイションの後半に増えてくる傾向にあり、稽古期間の始めのあたり=テキストを読む作業に没頭している時期は俳優と演出家だけのことがほとんどです。(この状況に関してはいろいろ思っていることもあるのですがまとまらないのでいったん横に置いておきます)

テキストへの潜り方、光の当て方、耳の澄まし方は、当然ながら人によって異なります。それは、個人差であると同時に、個々がそなえている専門性の違いもおそらく大きく関わっているだろうと思っています。たとえば、俳優は俳優的に読み、演出家は演出的に読む、みたいなことが起こっている。であれば、照明家は照明的に読み、音響家は音響的に読んだりしているのは自然なこと。でも、前者はかなりクリエイションに取り込まれるのだけど、後者のことをあまり知らないなあ…という個人的な感覚を持っています。

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クリエイションの後半にテクニカルスタッフの彼/彼女らと話すときにやりとりされる言葉やプランは、その時点でかたちを得つつあるパフォーマンスに対するリアクションとしての性質が強く、上演をいったん度外視してテキストそのものにあたる、という作業とは別のフェイズにあります。もちろん、彼/彼女らの専門性から出てくるリアクションはおもしろく、また、彼/彼女らからおもしろいリアクションを惹起するパフォーマンスをつくりたいという野心があるのは当然として、「上演をいったん度外視してテキストそのものにあたる」作業を、照明家や音響家のようなテクニカルスタッフをはじめ、俳優以外の専門性をもったパートナーとも一緒にみっちり過ごしてみたい、という欲望があります。

その欲望を成就したく、今回のワークショップ「2020年に『2020』(作:西尾佳織)を飽きるほど読む」では、対象を以下のように設定しています。

▶︎対象
照明家、音響家、美術家、衣装家、映像作家、舞台監督、演出助手、制作者、ドラマトゥルク、研究者、デザイナー、通訳、翻訳家、アーキビスト、俳優、ダンサー、作家、演出家、読書家、美食家、アクティビスト

上記のいずれかにひとつでも該当する方。経験の長短は問いません。特にテクニカルスタッフなど、普段読み合わせにプレーヤーとして参加しない方、大歓迎です

戯曲を読むことそのものは、誰にでもできることだと思っていますが、しかし果たして本当に誰とでも一緒に読んでいるのか、と問われれば、もっぱら俳優とばかり、と答えるしかありません。今回のワークショップは、その現状を少しズラせるんじゃないかと期待しています。しかしそのためには、多様な職能のひとに応募してもらわないといけません。読み合わせっぽいから自分には関係ないかな、と思わないで、そこのあなた、一度鳥公園ウェブサイトを見て、そしてスケジュール帳を開いてみてはくださいませんか。

★鳥公園ワークショップ参加者募集中!(締切:7/7)
詳細は⇒ https://www.bird-park.com/ws2020

(記事ヘッダーの写真は、したため『わたしのある日』の時に音響・甲田徹さんがアトリエ劇研のオペレーションブースから撮った写真。テクニカルスタッフが見ている本番の風景は、客席からの風景とはまた少し違う。記事中の写真は私が自分の劇場作品で初めて客席にいなかった(字幕オペレーションをしていた)したため『文体練習』から。上演に影響を及ぼすプレイヤーとして上演に参加している感触が強かった。)

まだ続きます。

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