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Wake me up! 〜もう泣かない〜

物件契約を終え合同会社を立ち上げた私は、法人での融資獲得に向けて動いておりました。(醸造免許取得後の法人成りは免許の再取得が必要となってしまうので、余程規模感の小さい醸造所でない限りは免許取得前での法人化がおすすめです)

葛飾区区議会議員にご紹介いただいた区の創業融資制度を使わせていただく為、申請に必要な資料を昨年より準備しておりました。

法人化を済ませ、ようやく申請の段階までにこぎつけることが出来た私は、早速創業支援を行なっている区の経営支援課へと赴きました。

区が認定した企業診断士の相談員からのお墨付きもいただき、いざ申請という段階となったところで、受付事務員の方が資料を見ながら不安げなお顔

「こちら、もしかすると融資の審査通らないかもしれません・・・」

えっとなる私と相談員。

「区の創業融資制度だと基本的に開業に必要な免許が降りてからでないと審査に通らないはずなので、こちらは一度保証協会に確認してみないとなんとも」

ここで区が行っている融資制度をざっくりご説明すると、
区の経営支援課は、葛飾区における創業を支援するための旗振り役を担っており、実際の融資を行うのは区内にある提携金融機関(主に民間の信用金庫)です。

支援という観点から、私のような新規創業者には基本無担保での貸付および金利を区が負担してくれるなどの優遇措置が盛り込まれています。

ただ、どれほど優秀なビジネスプランを持って申請したとしても、無担保のまま融資を行うというのは金融機関にとって非常に大きなリスクとなります。

そこで出てくるのが保証協会という公的機関。担保を持たない私のような赤ちゃん創業者の保証人として金融の側面から支援を行っていただける非常にありがたい存在です。

つまり、保証協会が保証人となった場合に限り、金融機関が無担保で融資を行なっていただけるということです。(間違ってたらすません)

そして今回この保証協会が保証人となる条件として、開業に必要となる免許取得があったのです。

そもそも醸造免許は設備を設置してからでないと取得出来ない免許(税務署による実地調査など必須)のため、取得条件として設備購入はマストなのですが、その免許がないと保証人となれないという何とも歯痒い状況に。。

免許ではありませんが、飲食店営業においても設備設置後の保健所の検査後でなければ営業許可が取れないため、過去の実績として飲食店を開業された創業者の場合はどうなるのか伺ってみると、やはりある程度の内装および設備費を自己資金から出し、営業許可が取れる見込みがあった上で保証をするとの事。

もちろん私にも自己資金はありますが、醸造免許を取れる状態までとなると設備費のみならず、防水対応の醸造所内装や動力関係工事などおおよそ自己資金でカバーしきれる金額ではありません。

つまり、区の融資制度を使っての資金繰りは実質無理という事となってしまい、葛飾区初という前例のない取り組みに対する予期せぬ障害が早くも出て参りました。

そんなこんなで保証協会、企業診断士の方々との話し合いののち、区の融資制度への申請は今回は断念ということに・・・

そして区の融資制度から日本政策金融公庫へ申請を切り替える方向で再度融資獲得を目指すことになりました。

日本政策金融公庫(以下公庫)とは
民間の金融機関から融資を受けることが難しい、中小企業や零細企業、またはこれから起業する人への融資を積権的に行っている国が100%出資する政府系金融機関。スタンスとしては、銀行等の民間の金融機関の補完的な役割を担っています。

公庫であれば、ビジネスプランや売上などの収支予測、将来的な展望をしっかりプレゼンできれば、免許取得前であっても融資が降りる可能性があり、公庫を利用して立ち上げたブルワリーは非常に多くあります。最近だとベアード時代の先輩が立ち上げた香川の白雀(しろすずめ)さんや、茅ヶ崎のPassific Brewingさんなど

そんなこんなでここ最近は公庫への融資申請のための資料作成に勤しんでおりましたが、先週その申請も終え、公庫職員の方とも面談も行なって参りました。
昨年から準備してきたということもあり、かなり手応えはありましたが、この後実際に契約した物件の内見や諸々の審査を経て、融資可否および金額決定のご判断をいただきます。

私は日本に多くのブルワリーが出来ることを切に願っています。(急に話し飛ぶ)地域地域で醸したビールを地元の方が飲めるような状況は、昨今のクラフトビールの盛り上がりと共に着実に実現してきており、微力ながら私の醸造所もそんな流れの一部として地域の皆様にご愛飲いただければと夢見ております。
しかしながら通常の飲食店等と比べ、醸造所開業に関する情報はまだそれほど多く出ておりません。更新頻度は決して高くない私のnoteではございますが、ここでの記事を通じて、そういった情報を今後ブルワリー立ち上げを目指される方々への多少なりともの手助けとなれば幸いでございます。
そしてそんな開業を目指す中、奇跡的にこのnoteをご覧いただいた方に向けて僭越ながら一言アドバイスをさせていただきます。


市区町村の融資制度の条件はあらかじめしっかりチェックしとかなかあかんでっ!!

私のように申請土壇場で泣きを見る方が少しでも減りますように!!ぴえん

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