総裁に聞いてどうするおつもり?

※読者にお願いします。以下の文は私の論に過ぎません。読んだら忘れてください。お願いします。

株式相場が乱高下する今日この頃。

専門家の見方は「日経平均がもともと異常な高さだったのが、正常に戻ったというだけである。」と冷静な見方をしている。実益が伴わないのに株価だけが独走しているのは、日常生活で感じている人は大勢いると思う。

今回の株価の異常下落と高騰には、NISA及び新NISAを手掛けている人間の「パニック」があるのはほぼ確実である。素人が急勾配でやすくなっているからその流れに追いつこうとした。そして安全と言われる債券に飛びついた。しかし株の儲けと債券の儲けの仕組みは全く違っている。にもかかわらず飛びついたのは理由なき避難措置としか思えない。このことからNISA及び新NISA利用者は、情報や傾向による傀儡であることが証明されてしまった。

日本の投資家構造がこれで赤裸々にされれば、いかようにも謀略のシナリオは書ける。ただ急落して反発したのだから情報に惑わされず辛抱することは大切だとわかったであろうから、投資には忍耐と冷静が必要だと学習はしただろう。

ところがこれに水をさすのではないかというニュースが流れた。

自民党と立憲民主党が日銀総裁と財相を国会に呼んで、今月8月中に何かを聞くというのだ。

呼ばれる2人の発言はマーケットに多大な影響を及ぼす。質疑に対する答弁次第ではマーケットは敏感に反応して激しい売買が発生する確率が高い。

最悪なシナリオはこうだ。

①審議が行われる予定が明らかになると相場は小さな売り買いが頻繁に行われる。そして手元に円とドル。株に債券。そして先物マーケットを操るに十分な軍資金を蓄える。ただしこれは少額でおさえる。

②審議が開始される。立民はここぞとばかりに総裁を責めまくる。その中で、もし市場に影響を与える文言を発すれば、株・債券・先物の激しい売り買いが始まる。

③一般市民投資家はそれにつられて売り買いをしはじめる。すると売買の幅が短時間で激しくぶれまくる。

④立民が「今○○と言いましたよね。おかしいですよね。」「するとあなたは☓☓ということを言いたいんですね。」などと詰めよって立民がキャスティングボードを握った瞬間に、「日本政府は脆弱」とみなされ、莫大な円と株の同時売りと同時買いが行われ、先物が異常な高騰を見せる。サーキットブレーカーどころの話ではなくなる。日銀のオペレーションは意味がない。

結果最悪日本経済が沈滞し、物価が異常高騰になる。

私は立民が憎くて言っているわけではないし、植田総裁を庇うつもりもさらさらない。脅しているつもりも毛頭ない。
ただ立民は、敵討ちのように質問をかますことがしばしばある。質疑で心理的に疲弊した総裁の本音をとって、勝利宣言みたいなことをしても、マーケットはより鋭敏になりかつ興奮状態になり、手のつけられない状態に陥る可能性をどうしても考えざるを得ない。

勿論投資家が日本をメチャメチャにする気もない。日本の相場で稼がせてもらっているのだから大切に扱うだろう。問題は今回のように新参の個人投資家がどのような動きをとるのか。なのである。彼らが元本割れを恐れるあまり売り買いするのが、全体的にみて投げ売りを支えてしまったり、異常な買いに転じたりさせてしまったりする。だから専門家は事態を注視せよと言い続けている。

改めて言うと事情を聴くのは勝手だ。
ただ「政治家は全てに於いて万能」という思いで国会の質疑応答をしてもらっては困る。

政治家は政治の脈はとれるが、マーケットの脈をとらえることはできない。
逆に金融のプロはマーケットの脈はとれるが、政治の脈はとれない。

それを念頭に国会の開催を今一度検討してもらいたい。

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