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飼育日記「めだかのきもち」㊶ハナの異変

7月のメダカ鉢。

暑さのためか、朝の抱卵が少なく、泳ぎにもいつもの勢いがない。水草だけはグングン逞しく育ち、ビオトープの主たちのスペースを侵食しつつある。毎朝、ひとつかみトリミングしている。

これ以上大きな器は無理、と思っていたけれど、夏の間は水温が安定するよう、水草がのびのび花を咲かせられるよう、一回り大きなトロ舟を用意したほうが良いかもしれない。

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ここ2、3日、ハナ(親メダカ♀)の元気がない。ぷっくりしていたお腹がいつの間にかやせている。勢いよく泳ぐ仲間をスッとかわすことができずに出会い頭にぶつかりそうになる。泳ぎ回っていても餌を食べる様子がない。

これは一大事。

昨年6月、一番小さな体で我が家に来たハナは、すぐに抱卵を始めた。あの個性的なヒメダカ♂のお気に入りの、綺麗なメダカだった。

塩水浴をやってみることにする。弱ったメダカを回復させる方法として、知ってはいたけれど、試みるのは初めてだ。1リットルの水(飼育水+カルキを抜いた新鮮な水)に5グラムの食塩をきっちり量って、0.5%の塩水を作る。水草を入れて水温を確認し、ハナを移して様子を見る。

お玉で掬い上げでも抵抗せず、されるがままだったが、思いの外、胸鰭をしっかり動かして、静かに泳いでいる。しばらく餌は控えて、28°に設定した室内の窓際で、数日間様子を見ることにする。

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子世代の大きさがほぼ親世代に追い付いて40匹の群れになった今、個々の見分けは難しい。それでも体の大きなボス♀(どういうわけか、冬眠明けからふてぶてしさが消え、穏やかな気性になった)と、色が仲間と微妙に違うハナはすぐにわかる。

来たばかりの頃は艶めいた黒い背中が、ひときわ美しかったハナは、今は底砂の色に合わせたような薄茶寄りになった。他の♀と共に、冬眠明けからも毎日抱卵してきたが、体の小さいハナには負担が過ぎたのだろうか。養生が間に合えば良いけれど。

実家からブルーベリーが届く。梅雨明けが早かった今年は、6月の内に完熟した様だ。枇杷も例年よりずっと早かった。季節が早回しになっている。

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朝、ハナが水面に上がってきたので、ベビー用の餌をパラリと撒く。少しだけ食べた。浮いている水草も突いている。これは良い兆候。

夕方、ハナの塩水を取り替えようと水草を取り除くと、ガラス鉢の周囲を泳ぎ出した。もっと広いスペースの方がいいかと、少し大きな器を探すことにして、水替えは明日に持ち越し。ハナが少し元気になったのは嬉しい。    

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夜、集合住宅一階の青森出身のMさんから、さくらんぼのお裾分け🍒🎶     悲しいことだけが続くわけではない。                                                                          7.   3 

朝、ヨロヨロ泳ぐ親メダカをもう一匹、塩水に移す。ハナと同時期にやって来て、いざこざの絶えなかったメダカ鉢に安定をもたらした♂の一匹。ガラスに体を寄せてほとんど動かない。すると、じっとしていたハナが、ガラス鉢をぐるぐる泳ぎ出した。同居人が来たことで、何らかの刺激を受けているのだろうか。

昼前に覗くと、さっきまでガラスに寄ったまま動かなかった新参の♂も泳いでいる。

えっ! ハナに異変が起きていた…両目が飛び出して、風貌が変わっている。調べると、体力が弱って免疫力が下がり水中のエロモナス菌が感染する病気(この他、原因は様々)、ポップアイらしい。視力も低下するという。仲間にぶつかりそうになっていたのは、やはり見え辛くなっていたのかも知れない。

見ると、新参の♂が、ハナの異変を感じ取ったか、ずっとそばに寄り添っている。感染はしないとのことなので、見守りを任せる。

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朝は元気に泳いでいたハナの急変。昨日までは弱っていても見た目の異常は全くなかったのに。なんとも痛ましい姿。

夕方覗くと、ハナが水面に残った餌を突いていた。ゆっくり泳ぎながら、少しだけ。視力が全く無くなったわけではなさそうだ。生きようと頑張るハナの意思が伝わってくる。あれっ?心なしか、目が元の場所に収まってきたようにも見える。

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衰弱して浸透圧調整ができなくなり、高まった体内圧力で眼球が飛び出してしまう事でも発症するポップアイ。対処が遅れると戻らなくなるという。浸透圧調整を助ける塩水浴で、初期治療の効果があったのかも知れない。

♂は底中央に佇んでいて、時折ハナの側に寄っていく。弱った二匹は、互いを必要としている。                                   7.   4

今朝また、餌を食べる様子がなく、動きのおかしいメダカを見つけて、塩水の住人は3匹となった。昨年、ハナと前後してやってきて、数日前まで毎日抱卵していた♀のサキ(名前を付けたのは、ハナ、サキ、ボスの♀と、稚魚の頃、お玉杓子体型がちょっと不恰好だったブカちゃん、の4匹)。

弱ったメダカは逃げる気力も無く、すぐにお玉に掬われてしまう。

昨年6月にやってきた3匹のメダカ達。産卵の季節を終えて今、力尽きようとしているのだろうか。産卵でかなりのエネルギーを消耗したのだろうが、繁殖を終えたら寿命、では悲し過ぎる。少し体を休めてもらって、まだまだ長生きしてほしい。新米飼育者には特別の思い入れがある初代のメダカたちである。

サキはまだ水草の陰で動かない。静かに養生を見守りたいと思う。回復したら、みんなで長閑な稚魚たちの鉢に移って、のんびりしてもらおう。

明日、60Lのトロ舟が届く。最近はかなり混泳になったと感じていたのに、もっと早く対処すべきだった。これ以上体調異変が出ないよう、たっぷり水を張って、水温が安定した広いスペースで、酷暑を乗り切ってもらおう。メダカも水草も。

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塩水浴5日目のハナ。目玉OK🙆‍♀️

おー、糞も出てきたね😊体調よーし👍🏼

明日から徐々に塩水を薄めていこう。そうして、春に生まれて、もうすぐ里子に出るチビたちと、しばらくのんびり過ごしてもらおう。親子対面の反応が楽しみ。   

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