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益子の住み処#3 庭を見守る樹々

ここの庭は雑木林に囲まれています。雑木林の「雑」という言葉の意味には「主要なものではないけれど、たくさんのもの」というニュアンスが含まれているように思いますが、もともとはもっと素敵な意味を持つ言葉だったようです。
日本に現存する最古の和歌集である「万葉集」は、「雑」の巻から始まるそうです。ここで使われている「雑」の意味は、「五色の彩りが一つになる」という意味だそうです。また、雑草の研究者であるの稲垣栄洋さんの本には、以下のような記載がありました。

「雑」という感じのもともとは「集」に「衣」を加えた漢字である。「衣」というのは布を意味している。布を染めるときに、さまざまな草木を染色に使うと一色に染まらず、色々な色の布ができた。これが「雑」である。つまり、「たくさんの色が集まってまじる」というのが「雑」の由来なのである。

すごく素敵な意味ですよね。雑木林はたくさんの樹々から成り立っています。そして、主に落葉広葉樹で構成されている雑木林は、冬には暖かい太陽の光が林床まで届き、草花やたくさんの生き物の住み処にもなるのです。まさに、「五色の彩り」ですね。

この庭の周りにも数え切れないほどの樹々や草花が生きていますが、ここでは私が認識できた樹々たちを中心に紹介します。

マイドキュメント (15)

ヤマザクラ
雑木林の樹々の中でも、私が大好きな樹。春には淡い桜色の花を咲かせます。ここのヤマザクラは見事で、花が咲くのもきれいなのですが、花が散る時もとてもきれい。花の蜜を吸いに、多くの野鳥が来てくれます。少しずつ剪定をして、枝は燻製チップとして使いたいなと考えているところ。

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コナラ
この辺りの雑木林を構成する主な樹です。新緑の時期の若葉の色がとっても素敵。落ち葉は良い堆肥になるそうなので、庭には堆肥場もつくりたいですね。このコナラがたくさんあるおかげで、夏には強い日差しを遮り、冬には暖かい日差しを届けてくれます。枝はキノコの原木として使用できるので、キノコ好きな我が家にはなくてはならない存在です。

クリ
秋になるとたくさんのクリを落としてくれます。地元の人は「山栗」と言うそうで、実は小さいけど甘いよ、って教えてくれました。クリにはアレロパシーという、他の植物の生長を抑制する成分を出す性質があるそうです。のんびり生きているように見えて、植物には色んな生存戦略があるのですね。

他にも、私が見つけられた限りでは、ほうのき・エゴノキ・ヒイラギ・ナンテン・ウグイスカズラ等、たくさんの樹が生きています。これからも少しずつ、どんな樹々が生きているのかを観察していきたいと思うのです。

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