【2020/7/16】参議院予算委員会 参考人答弁書き起こし①0:35:00~0:48:00

児玉教授の答弁には感じ入りました。
全くの素人ですが 答弁内容を書き起こしました。
ご参考までに。自分の備忘録なので精度低いです。
誤記・脱字多々あるかと存じます。
何度かヒアリングして 気付いた箇所は修正しておりますが
何かお気づきの点があれば 御教示頂ければ幸いです。
動画リンク: https://youtu.be/kUkFXIMNQ78

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【2020/7/16】参議院 予算委員会 参考人答弁書き起こし

①0:35:00~0:48:00
杉尾議員:(パネルを示し東京・全国の感染者数について言及した後)
そこで今日はですね 参考人として、東京大学先端研の
児玉龍彦名誉教授にお越しいただきました。
先生は 新型コロナ抗体大規模測定プロジェクトのリーダーでもございます
そこで児玉先生に伺いますけれども
一旦収束した感染がですね、再び拡大している。
一体全体何が起きているのか
いわゆる第二波の序章 という風に考えているのか 
これについて先生の見解を示して下さい。

「児玉参考人」

児玉教授:え~私は、今日極めて深刻な事態を迎えつつある
東京のエピセンター化という問題に対して 国会議員の皆様に 
全力(強調)を挙げての対応をお願いしたくて参りました。

今、杉尾議員のご指摘にもありました通り
このゥイルスは まあ中国発祥なんですが コロナゥイルスというのはまあ中国南部から 風邪コロナ等様々なゥイルスがいます。
それで先程発生率の問題がありましたが、
私共抗体プロジェクトから この「交差免疫」という 
似たゥイルスに対する免疫があって 東アジア諸国では、一定の数に抑えられる傾向が強いという事を予測して参りました。
ところが 第一の波、武漢・中国の旅行者から来たものは 
すっと 自然と割と消えてまいりました。第二の波、
これは例えば東京大学でも欧米からの帰国者が1000名を数えましたが
この~ 3月下旬をピークとして起こっていたものも、追跡していますと
実は 緊急事態宣言を発する前から 自動的に減り出している。

ぇ~ これは一体どういう事なのだろうか と思って
非常に まあ、興味を持って見てきておりましたが ところが、そこで
もう一つ 東アジアの国が力を入れて対応している
「エピセンター」というのに気付きました。 

クラスターとエピセンターは 全く違います。
エピセンターはそこに一定数の
無症状の方が集まり、さらに その中に
私共7月7‌日に 緊急の記者発表を行いましたが
PCR陽性の方の中でも 無症状の方を見ていきますと
抗体がつくられない方がいらっしゃる 
いわゆるスプレッダーになる可能性のある方がいらっしゃる
という事に気付きました。
そして 第一の波、第二の波の時にこれをきちんと制圧して
無症状の感染者も無くしていくという事を行うべきだったのに 
それが行われないままに 実際に、東京のなかに
今エピセンターが形成されつつあると 思っております。
これをもう一つは 遺伝子のゲノム疫学というので見ますと
第一の波は武漢型です。
第二の波は まあ武漢型から イタリア・アメリカ型 へ
変わってって(語尾聞き取れず)ところが 現在私共も地方自治体に 
支援頼まれて 参ったりしますと ゲノム配列の報告を 見ますと
東京型 埼玉型 になってきております。つまり
日本の中にエピセンターが形成されている これを
国の総力を挙げて止めないと ミラノ・ニューヨークの二の舞になるという事を懸念しております。

「はい、杉尾君」

杉尾議員:今先生からですね 大変希少なですね見解が示されました。3月まず武漢型・中国由来のですね 波が来た。
そして4月にはですね 今度欧米 イタリア・アメリカ こちらの方ですね
で 帰国者からもたらされた第二の波でした
そして今回は 国内で 先生がエピセンターという言葉を使われましたけど

感染集積地 エピセンターとは「震源」の事ですね はい
震源地なんですけれども ま 感染集積地という風に言ってもいいかも知れませんがそれが それが 国内、とりわけその新宿で形成されつつあると こういう見解だったという風に思います。
ちょっとあの 各国のですね比較を見て欲しいんですけれども先程 みやけ 議員の指摘で 確かに
日本はですね 欧米諸国に比べればですね え死亡率が低いです。ただ、東アジアの国の中で見ます 実は
フィリピン に次いでですね 死亡率が高いという
こういう現実ですね。
でこれ先生は 交差免疫が原因でですね 東アジア諸国は死亡率が欧米に比べて低く【以下杉尾議員の答弁内容は一部修正中】
こういう事なんですけれども
単に 検査数が 東京都も今日は
検査数が増え これはどういう風に理解すれば宜しい【修正中ここまで】

児玉教授:えーと 皆様にお配りしております私の資料の
3というページを見て下さい この資料は東京大学アイソトープ総合センターの協議会のHPにも掲載されておりますので
DLして頂いて閲覧・使用して頂いて
クラスターとエピセンターの違いという概念を示しております。
それで クラスターというのはまあ外来の感染者が来て
それが 最適な条件ではない所で増えていく所に起こるものであります。
それに対して エピセンター というのはですね
そこで 自立的にその(資料のエピセンター図解ページをカメラに向け)
感染が増えていくという事が起こります。
それでエピセンターになるとどういう事が起こるかというと
一般には 感染の経路という事が言われます。
飛沫感染 これは 
20マイクロメーター位のものが散って食事やなんかに落ちますよと
2メーターの ソーシャルディスタンス 
それから 接触感染 これは例えば消化器に感染して
嘔吐物なんかあると非常に高いコピー数
それからお手洗いの靴の裏なんかから 一番感染が広まるという そういうので言われている。
ただですね 実際にはもう一つ心配なものがありまして
実は5マイクロメーター以下(以外?不明瞭)位の粒子でも 
この感染してしまう空気感染
例えば痘瘡(とうそう/天然痘)(*1)なんかが怖いのは
この空気感染がある為であります。
これをですね 皆様の方では これを 
ガイドラインとか何かで一律に分けられるとお考えかも知れないですが
まったく違います。

今の細かな感染疫学から分かって参りました精密医療では
感染者の数と そして スプレッダーの様な大量排出者が居るかで
この確率が変わって参ります。
ですから 色々な例えば「電車に乗っても大丈夫」というのは
感染者が少なくて 排出量が少ないという前提で作られております。
それで何か 事故が起こると ガイドラインに従っていないからいけない
という事を言われますが それはガイドラインというのが
実は感染の状態によって全く変えないといけない。
ですから エピセンター化してしまったら 
劇場も電車も危険になってしまう。このエピセンターの制圧というのを 
国の総力を挙げてやらないといけないという
例えば私共はICUで扱う際には 人工呼吸器を使いますから
飛沫します それで 飛沫するから ICUでは普通のマスクでは駄目です。
だけど普通の劇場でそういう事を期待(?)しないのは 感染者の数も少なくて しかも交差免疫もありますから 一定の軽いものであれば 
これは大丈夫であろうという そういう知識に基づいて やっております。

それでエピセンターが一回起こりますと、次(資料の)5ページ目の所を
見て頂きたいんですが
制圧には大体、20万PCR以上が必須です。
一番目の例は韓国が何故PCRを整備したかと言うと
宗教団体が20万人 これが一大の感染の原因になるという事で
PCRが一挙に整備されました。 
続いてシンガポール。外国人労働者の量 これを制圧するのに
30万PCRと抗体検査を行っております。
更に 6月に起こった北京の食品市場 これは22万PCRを行って
エピセンターを制圧しようとしております。
このようにエピセンター対策が必要となっている こういう状態に
今なっている所で 国会が迅速な対応をする事を期待しております。

「はい 杉尾君」

杉尾議員:はい、今のですね エピセンター。
感染収束地 震源地。東京とりわけ新宿がですね そうなりつつある。
総力を挙げてこれはもう与野党 問わないそして政府国会 全ての機関挙げて取り組まなければいけないテーマということで時間がありませんので
すぐに一文だけお伺いしますけれど 具体的にですね どうすればいいのか
そして先生はですね ここまでの日本の対策というのが 失敗だったとそう仰っている。ただ 全国一律のステイホーム 
これは実はナンセンスの極みなんだと こんな事やったら
日本は潰れちゃう という事なんです。
それで 経済と 両立させる為にはどうすればいいのか 
それを お答え頂けますか。

「児玉参考人」

児玉教授:えーと今 要するに今一番大事なのはですね
感染集積地とそうでない所を分ける事です。
1月18日に武漢に入ったしょうなんざん先生(*2)は
1月19日に北京に戻って武漢の閉鎖を進言したと言われますが
実際に彼が行ったのは全く違います。
感染集積地と非集積地を分けて 私共見ていてびっくりしたんですが 1000床の病院を二つ作りました。
そして そこに 54000人の医療従事者を投入して
これの制圧にあたりました。要するに、全国一律の
ステイホームが何故間違いか というと
20世紀のスペイン風邪の頃は、全員一律で
マスクをしましょうと 距離を取りましょうと 追跡をしましょうだった訳ですが 
21世紀は、基本的に遺伝子工学と計測化学 ロボットやなんかとそれから情報科学を用いまして 精密医療という
要するに感染集積地をし(き?)っかり指定して その集積地という「面」を制圧する 
そしてその面の制圧を次々行っていって。

コロナゥイルスの一番の問題はクラスターではなくて
このエピセンターを形成する。 
感染力自体は弱いし、交差免疫がありますからすぐ消えて 無症状の人が発症 まあ症状のある人も、発症前に結構
感染すると。それで致死率も一見低く見えます 
ところが時間を追って その率が増えてくる。
クルーズ船の時も全員下船した時は
まだ重傷者・死者があまりおりませんで、
公共交通機関で帰っております。
それから14人が亡くなっております。

ですから今、新宿エピセンターを制圧するのには
この制圧する地域にしっかり 
それでその地元の医師会やなんかにこれをやらせては駄目(強調)です。
これは地元の医師会はまずそこの診療の(に?)
あたって頂かなくてはならない
それで 東京大学でもどこでもいい 会社でもいい その…そのよ(うな?不明瞭)
その為の計画は、本日の資料に全部見積書まで添えて書いております。
東京大学の我々の例えば計測化学のあれでは 
テカン(テカンラボ)という会社とやっておりますが 
5000人1日で出来ます。 
5000人1日で出来ると8検体プールですと4万人出来ます。
2セット作ればもっと出来ます。それでプールにしてますから8万人出来るといっても5万人という風になります。 こういう作業をやるのには
例えばロジスティクスはあのSRIだとか LSIメディエンス 
って民間の検査企業 非常に大きな検体の運搬輸送情報伝達の素地(?)
を持っております。
それから計測化学においては専門の会社があります。
計測を短くするキットはなんかは タカラバイオで非常に素晴らしい物ができております。
ですから国会に是非お願いしたいのは こうしたものを
総力を挙げて投入して 一気に しかも責任者を明確にして
その トップダウンで 前向きの対策を直ちに始める そうしないと
今日の勢いでいったら 来週は大変になります。 
今日の勢いでいったら 来月は目を覆うようなことになります。
その対策は交差免疫もある東アジアの日本ならば 必ずできます。
(拍手が起こる)

(*1)「とうそう」は痘瘡(天然痘)ではないかと ご教示頂き
文脈から見てもそのように思いますので 修正致しました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%84%B6%E7%97%98#:~:text=%E7%96%B1%E7%98%A1%EF%BC%88%E3%81%BB%E3%81%86%E3%81%9D%E3%81%86%EF%BC%89%E3%80%81%E7%97%98%E7%98%A1,%E5%85%A8%E8%BA%AB%E3%81%AB%E8%86%BF%E7%96%B1%E3%82%92%E7%94%9F%E3%81%9A%E3%82%8B%E3%80%82
(2020/7/19追記)

(*2)鍾南山(しょう なんざん、チョン・ナンシャン、中国語: 钟南山)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8D%BE%E5%8D%97%E5%B1%B1
衛生当局の専門家チームのトップとして中国Covid-19対策の指揮を執る。
(2020/7/19追記)

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