見出し画像

ユキコさん

週5日、会社に行くことがいつまでも慣れない。

定時になるまでに、トイレに何回行ってるだろう。手を洗ってると、よく見かける人ばかりのことに気づく。

便器に座りながら、ツイッターを見ている。

呟きが流れてくるが、この人たちも同じだろうか。匿名の世界なのに、何も知らないのに、親近感が生まれる。


毎日、見てるのは数字の羅列だ。何が費用だ。前年よりも数字が増えているかどうか、興味がないことに神経をすり減らしている。経営者に伝えることが役割らしい。その経営者と話す機会は、殆どない。

そんな日々も3年も過ぎれば、何かが身についているのかもしれない。


けれども、その何かは、どこかの誰かが言う成長という言葉とは重ならないだろう。どちらかといえば、農家の人が日々過ごす中で身に着けるような知識だ。誰かに自慢するようなものでなく、誰かに見つけてもらわないと気づけないのだ。


猛烈な眠気が瞼にへばりついている。不調が、普通に変わっていく。

電車の中で座りたい気持ちなんて、10代の時は分からなかった。いまでは、そんな気持ちが湧くことはない。

天気のいい朝ですら、瞼から離れない。

薄く目を開けて、閉じて、そしてまた薄く開く。

ポケットに手を突っ込んでいる高校生がそんな自分を見てくる。

17歳の時に、友達が教えてくれたバンドがイヤホンから流れてくる。今年復活して、セトリがツイッターに流れてくる。


次に流れてきたのは、叫び声だ。このバンドも好きだったが解散した。辛い今は食えるだろうか


教えてくれた彼とは、何年会っていないだろうか。最後に遊んだのは、一緒に行ったフェスだったんだよ。










あなたのおかげで、美味しいご飯が食べられます。