β遮断薬の作用・副作用


作用→心拍出量の減少

適応→若年者、心肥大、心不全、頻脈、狭心症、心筋梗塞後

効果→降圧、虚血性心疾患予防

要注意の病気→不整脈の一部、気管支喘息、冠攣縮性狭心症(かんれんしゅくせいきょうしんしょう)、糖尿病、高脂血症

副作用→徐脈、低血糖、だるさ、運動能力の低下、手足の冷え、中性脂肪の増加

代表的な薬→カルベジロール、アテノロール


β遮断薬の作用


過労、ストレス、睡眠不足等
    ↓
自律神経の一種である交感神経が活発化
    ↓
交感神経系の伝達物質であるカテコールアミンというホルモンが分泌される
    ↓
カテコールアミンの一つであるノルアドレナリンが心臓の筋肉細胞にあるβ受容体と結合
    ↓
心臓が強く縮小(戦闘モードに入る)
    ↓
血圧が上昇

このように、過労、ストレスは血圧を上昇させる原因となります。
そこで、ストレス等が多い患者のβ受容体を遮断して、心臓の収縮を弱め、心拍数を減らす作用を持つ降圧薬がβ遮断薬です。
β遮断薬を服用することで心拍数が減れば、血圧は下がります。

β遮断薬の適応

ベータ遮断薬には心臓の収縮を抑えて心拍数を減らす作用があります。
そのため頻脈性不整脈(1分間の心拍数が100回を超える程度)や狭心症患者には適しています。
また、心不全や心筋梗塞などの病気で心臓の働きが低下している患者にも適応します。


要注意の病気


β遮断薬には心拍数を減らす作用があります。
よって、1分間の心拍数が60未満に低下する徐脈性不整脈のある患者に使用すると危険です。


β遮断薬の副作用


β受容体には心臓にあるβ1 受容体の他に、気管支や血管にあるβ2 受容体があります。
β遮断薬はβ1 受容体のみならずβ2 受容体も遮断する作用があるのですが、β2 受容体が遮断されると気管支や血管が収縮します。その結果、気管支喘息などが誘発されるリスクがあります。
また、β遮断薬は糖や脂質の代謝に影響するので、血糖コントロールやコレステロール値のコントロールが悪くなるリスクもあります。


代表的なβ遮断薬


カルベジロール〔製品名:アーチスト〕
アテノロール〔製品名:テノーミン〕


参照文献

医者からもらった薬がわかる本
高血圧のすべてがわかる本
高血圧 無理なく、自分で下げる



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