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メタバースモブプログラミングをやってみた(後編)

前編で5人全員がOculus Quest 2を購入したため晴れてメタバースモブプログラミング会の開催が決まった。この会の内容はwikiにまとめているので、noteには自分が思ったことを中心にメタバースモブプロの感想を書いてみる。

そもそもメタバースでのパソコン操作は慣れが必要

メタバースでモブプロにするには、まずある程度メタバース空間でのパソコン操作に慣れる必要がある。今回、事前にHorizon WorkroomsでのVRチャットを数回実験的にやったり、VR空間でパソコンを操作したりしていたが、自分的には最初2時間VRゴーグルを付けているのもきつかった。これは恐らく訓練や環境整備によってある程度軽減出来ると思う。リモートワークするのに良い椅子を買うようにメタバースをやるのにも、ヘッドバンド長いケーブル度付きレンズ、机やその周辺の空間確保や、ネットワークの充実などコストによって環境をよくする努力も必要だと思う。そこを超えている状態であればまた違った評価になるかもしれない。今回はほぼ何も買ってない。

空間オーディオで同じ空間にいるような体験

これはVRチャット全般の話かもしれないが、音声のインパクトが一番大きいかもしれない。空間オーディオのおかげで、右にいる人の声は右から、左にいる人の声は左から聞こえる。この位置による声の差異はかなり新鮮な体験だった。席移動やレイアウト変更をすると相手との距離で聞こえ方も変わる。離れている相手とは離れているように聞こえるので、試してないが、こそこそ話みたいなことも出来るかもしれない。Horizon WorkroomsはホワイトボードモードにするとVR空間がなくなって現実空間が見える状態になる。この状態でも音声チャットは有効なので、試しに話してみるとVR空間という舞台装置が無い状態での空間オーディオはむしろ物凄い違和感だった。

同一デバイスを使っているので自然に話せる

空間オーディオ以上にポイントだと思ったのが、全員がOculus Quest 2という同一デバイスを使っていることのアドバンテージだ。zoomの場合は各々の環境でのマイクで話すため、ある人の声は非常にクリアであっても、ある人の声は聞き取りづらかったりする。その場合にボリュームを大きくすると今度は大きい声の人がうるさくなったりと、全員を良い感じに設定することは難しい。しかし、Oculus Quest 2ならみんなの声のボリュームが一定になる。これがかなり良くて、マイクに向かって話すことをほぼ意識しなてくて良い。この自然に話せるというがもしかしたら一番大きなポイントかもしれない。zoomよりもずっと自然な会話になっている気がした。

アバターにジーと見られると結構怖い

次にHorizon Workroomsというアバターを介したチャットならではの体験として、6人テーブルに3x2で座って話していた。その時にふと対面の3人を見た時に軽い恐怖を感じた。zoomでプレゼンしている時に相手のリアクションが見えなくて感じる恐怖とは別物で、単純に見られていることが怖ッとなったのだ。この理由を考えると一つは不気味の谷に近い体験かなと思った。つまり人間は本来殆ど動いてないとしても細かく小さく動いていると思うが、アバターの場合、静止していると完全に止まっているため、完全に動いていないものに見つめられる怖さがあった(瞬きとかは連携するが。。)。

特に光がなく大きい目の知らないのキャラは強烈

もう一つポイントは目。3人に見られて特に圧を感じたキャラを注視したら他のアバターよりも目が倍ぐらい大きかった。さらに重要な点としてその大き目のキャラは目に光が無い純粋な黒目だった。やはり人は死んだ大きな目にじっと見られるのが怖いのだ。あともちろん慣れもあると思う。つまり今回チャットをした相手は全てリアルな友人だったが、アバターを見たのは初めてだった。3人の内、2人は若干似せていることは分かったが、1人はデフォルトで選んだアバターだったため、ぶっちゃけ知らない人との会話に近い状態だった。

画面共有した場合に、画面の解像度が下がっていって中々戻らない

モブプロをするのに、一番大きなデメリットと感じたのは、パソコンの画面を共有してプロジェクターに投影した映像が、時間と共にクオリティダウンしていったことだ。通信環境が悪い状態で動画を見た時、急にブロックノイズが出てきて殆ど映像として確認できなくなる。それが発生する。理由が通信のせいか、PCの性能のせいかイマイチはっきりしないが、デスクトップのそれなりのハイスペックPCで有線接続していても起きたので良く分からない。そしてもっとも致命的なのが一度落ちたクオリティがなかなか戻らないことだ。特にソースがあまり読めないレベルまで落ちるのはかなり厳しい。

回避方法は、ゲストとしてWEBで参加してそっちで画面共有した場合はクオリティが落ちなかった。あと一人でテストしている時は全く感じなかったが多人数でやった時より若干入力のレスポンスが悪くなった。自分が思った速度で書けないせいか結構酔った。

モブプロに最適な方法は?

まず自分がメタバース空間上でのパソコン操作に慣れていないのも合ってコードを書く環境としてはzoomで画面共有している時の方がやりやすかった。一方でメタバースでの話し合いはzoomでの話し合いとは明らかに違う価値がいくつもあると感じた。メタバースのモブプロとzoomのモブプロはどっちが良いとか比較するものではない気がした。コードを書くことを重要視したいか、コミュニケーションを重要視したいかモブプロをするタイミングによっても変わると思う。その時の状況に応じて、モブプロをするツールを使い分けられればそれが一番良いと思った。

今後について

コードを書く環境としてメタバースが向いていないかは正直まだ分からない。現時点ではやりにくいというだけだ。なので、しばらく、隔週でのメタバースでモブプロは続けてみるつもりだ。アプリもHorizon Workrooms以外も使ってみるつもりだが、今の所メタバースでモブプロをするアプリとしてのトータルでの完成度は結構高そうなので、Horizon Workroomsが中心になる可能性もある。また何回に1回はzoomに戻したりとかモブプロの良いリズムが作れるように色々探ってみるつもりだ。さらに何度も開催したらまたまとめてみるかもしれない。

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