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【ネタバレ】甘酸っぱいレモンで済まない、ボディーブロー映画/「シチリア・サマー」

こんばんは、瓶宮です。
いっけな〜い!卒論卒論〜っ!私ったらどうなっちゃうの〜!?💦という日々。しかし、それをサボって毎週ライブに行く背徳感が、うますぎる!!!もう二度とこんなライブ味わえないんじゃないかと思います。

シチリア・サマーを観たぞ!

「君の名前で僕を呼んで」的なアレや!美少年どうし恋に落ちるやつだ!と思い、公開前から楽しみにしていた作品です。BLは特段好きというわけではないのですが、同性どうしの恋愛というと、どこか「禁断の恋」とか「報われない結末」といったところが思い浮かびます。だからこそ、相手に向ける想いの美しさ……が好きなので、どんな感じに描かれているんだろう!と気になり、観に行ってきました。

以下、ネタバレあります!!!!!






映画『シチリア・サマー』のレビューを書きました! | Filmarks(ネタバレあり)
https://filmarks.com/movies/109947/reviews/165095337 #Filmarks #映画 #シチリアサマー

こういう映画で終わり方に圧倒されるとは、思わなかった……。周りからは特異な目で見られてしまうけれど、それをも厭わず2人きりで過ごすことを選択したのね、ハピエンや!と思った矢先に2発の銃声が……。久しぶりに息が止まるような思いに駆られてしまいました。

後から知ったのですが、実話をもとにしていたんですね。

「ジャッレ事件」という2人の若い同性愛者が殺害された事件があったようです。上のサイトによれば、真相はわかっていないものの、一説に容疑者は被害者の甥だったと言われています。この作品と照らし合わせてみれば、トトがニーノとジャンニを銃殺した……というふうに読めてしまうわけです。たしかに、もともとニーノの子分のような存在だったトトですが、ジャンニが現れてからは2人の仲を引き裂くような何かをしでかすのではないかとヒヤヒヤしました。最後にトトは、はじめて銃を撃たせてもらい、見事にウサギを仕留めます。もし、それがこの作品の終わりの伏線なのだとしたら、ちょっとむごすぎませんか!?

そのように描かれている一方で、トトはニーノ・ジャンニと海に行ったり、ニーノが泣いている部屋の外で寄り添っていたりと、自分の意思で撃ってやると思い立つキャラではないような気もしているんですよね。本当にジャンニのことが憎ければ、一緒に海へ行くことはないだろうし、泣いているニーノのもとに扉を開けて駆け寄って「あんなのに騙されなくて本当によかった、ニーノおじさんには僕がいるからね」と言いそう。いや、ちょっと妄想すぎたかもしれませんね。ただ、うっすら「なんでいんだよ……」くらいで済んでいる。

そうなると、親族からの教唆のほうが自然な感じがします。ニーノからジャンニを引き剥がした後、わざわざジャンニの職場に押し寄せて彼をボコボコにするシーン、ヤクザすぎますよ。あれって、ヤクザじゃなくて採石場関係の人たちですよね?(違ってたらすみません)思わず、街の人々がドン引きするレベルの暴力。ジャンニ自身はなにも悪いことをはたらいていないのに、同性愛者というだけであんなにボコられるのって、人々の意識がマジでヤバかったんだな……と思います。ニーノを悪魔の道に誘った同性愛者への罰として、ジャンニの街の人々でも、彼の義父でも、母でもなく、トトあるいはニーノ以外の一家が手をくだす。あくまでも作品内で犯人が示されるわけではありませんが、こういう図になっているのって本当に同性愛者に対する蔑みや憎しみが激しく渦巻いていたのだなと思います。こわすぎる。

そして、ジャンニがまた好青年として描かれているのも個人的にうおお……となってしまいました。いじめられているため、無口ですましているといえども、採石場での働きぶりを褒められ、ニーノ一家にもものすごいスピードで気に入られる様子は、ジャンニに悪魔的魅力があったといってもいいのではないかと思ってしまいます。そんな人間に同性愛者という特徴を付与するだけで、彼の住む環境がこんなにも最悪なものになってしまう。な〜んでよ。同性愛者はそんなに悪なんですか。
こういう映画を観ていると、つい自分は差別の側に回ってないよな!?大丈夫だよな!?と足元確認をしたくなる。私が悪にいってたら、ぶん殴ってください。

「君の名前で僕を呼んで」のノリで観たら確実に強烈なボディーブローを食らう映画。禁断の恋とか言ってられません。BLを堪能するとか、美しいお顔を楽しむとかそういう映画というよりは、社会派な映画といったほうが正しいような気さえする。みんなの感想が気になります。

それでは。瓶宮でした。

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