真藤順丈「宝島」読書感想文①

自分は今、真藤順丈さんの「宝島」という小説を読んでいる。

昨日の夜、近所の書店で30分ほど迷ったのちに購入したこの本は、第二次世界大戦後の沖縄を舞台にした、戦果アギヤー達のお話だった。

戦果アギヤー(せんかアギヤー)とは、アメリカ統治下時代の沖縄において、米軍基地からの窃盗行為を行う者たちを意味する言葉。「戦果を挙げる者」という意味である。 ——Wikipediaより

自分は今、40ページほど読んでみて、手に汗握る展開と淡い青春ドラマに熱中してしまった。

この本は、帯に青春を謳っているだけあって、恋愛や友情、夢や希望のようなものが、頻繁に出てくるような気がする。

普段、ミステリーをよく読む自分だが、案外恋愛ものが好きなことに気づく。

これは個人的な見解だが、恋愛というものは基本的に自分の胸の内で展開され、わざわざ他人に説明したり、共感したりするものではないという認識がある(もちろん恋人は例外である)。

もしかしたら男性と女性で、この辺りの感覚は違うのかもしれないが、少なくとも男性である自分は、そのような心持ちで恋愛ものの小説を読んでいる。

だからこそ、人の胸の内に秘められたものを感じることができるというのが、なんだか尊いことのように思えてしまうのだ。

他にも、自分がなぜ恋愛ものの小説に惹かれてしまうのか、いくつか思い当たる節があるが、ここでは割愛させて頂く。

ともかく、40ページほど読んでみて、真藤順丈さんの「宝島」は面白かったし、もっと読んでみたいと思う作品だった。

この小説は直木賞を受賞しており、上巻と下巻、トータルで700ページ以上ある長編ものである。

長編ものは良い。
物語のボリュームと、そこに詰め込まれた作者の伏線が綺麗に完結するとき、自分の心の中で、一種の感動と作者・作品への称賛が巻き起こるのである。

「宝島」は、まだあと660ページほども残っている。

この先、どんな青春・恋愛ドラマが展開されているのか、どのような伏線がめぐらされているのか、楽しみにしながら読んでいこうと思う。

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