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北欧文学散歩-北緯55度以北を読む

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今後、不定期ではございますが、日本では知られていない北欧の作家や作品の紹介をして頂きます。北欧文学より日本社会に身近になることを願って。
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2024年7月の記事一覧

病床と文学の親和性

   昨年、取材で私は静岡県富士山世界遺産センターに行ったことがあるのだが、その時特に印象に残った作品が、江戸時代後期の南画家である谷文晁の『富士山中真景全図』(1795)という作品であった。同作は三十四図からなる画巻で、富士川から裾野市を経て富士登山し、小田原までの道中の景色を描いており、これは時の11代将軍の徳川家斉に上覧され、賛辞も付けられている。       カメラが日本に伝来する50年程前に描かれたこの作品は、富士山道中の壮大なパノラマを描いているという点で、現代で