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昨年、取材で私は静岡県富士山世界遺産センターに行ったことがあるのだが、その時特に印象に残った作品が、江戸時代後期の南画家である谷文晁の『富士山中真景全図』(1795)という作品であった。同作は三十四図からなる画巻で、富士川から裾野市を経て富士登山し、小田原までの道中の景色を描いており、これは時の11代将軍の徳川家斉に上覧され、賛辞も付けられている。 カメラが日本に伝来する50年程前に描かれたこの作品は、富士山道中の壮大なパノラマを描いているという点で、現代で