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つながる ひとさし指の爪と、爪やすりと、ガンプラと、つながる。

小説の大事な要素のひとつに「つながり」というものがある。

小説を読んで小説を書いて、としてるうちに感じたのだが、世の中のモノゴト同士は非常に強い「つながり」を秘めている。

『終わりなんてないんだよ。ヒトとヒトはみんなつながってるんだ──』こういうセリフは誰でも聞いたことがあると思う。ヒトとヒトがどれだけ繋がってるかは知らないが、「みんなつながってる」というのは一種の真理だと思う。

「帰り道に鯖の味噌煮の匂いがして食べたくなってたら、その日の晩ごはんが鯖の味噌煮だった」。これも一つの直接的な「つながり」。
それよりももっと概念的で物語的な、運命としか言い表せないような「つながり」が世界には無限に存在する。

例えば。
99%実体験から書いた、私なりの「つながり」の例です。あと1%は、折角書くなら上手に小説っぽく仕立てたいという自尊心です。終わってみればどこひとつ小説らしくない。悔しい。まぁ小説らしくないと分かっただけ成長してるってことで。

「左手の人差し指の爪を、左手の中指でこするのがクセで、爪の左半分がツルツルになった。その爪を下唇に当てて感触を確かめながらぼーっと部屋を眺めていると、鉛筆立てにささった爪やすりが目に入った。ガンプラを作るときにも使ったものだ。ガンプラを作っている時の自分は無心だった。ものづくりは私を無心にする。明日は、ここ数日計画しているものづくりに取り掛かるはずだ。」

私は小説脳などと呼んでるのですが、そういった「小説の目」で見れば、至るところに「つながり」があり、世界がいとも簡単に物語のリズムを帯びはじめます。こういう感覚をおぼえはじめてから、とんと小説が好きになった。


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