人生死ぬまでの充電期間④〜アメリカ生活〜

前回の投稿では、早期退職してからどのように過ごしていたかを書きました。今回はその後、アメリカに行くことになり、そこで過ごした約3ヶ月間を書いていきます。ゲイカップルのピーターさんとデイビッドさんにお世話になりました。

いざアメリカへ

 早期退職してから8ヶ月が経った、2014年の5月僕はアメリカへと向かった。ピーターさんはパートナーであるデイビットさんと一緒に住んでいて、僕は彼らの家にホームステイさせてもらった。密かに憧れていた、海外に自分がいる。大げさかもしれないが、映画の主人公になったような気分だった。

 彼らが経営しているお店は、家から車で1時間ほど走った所にあった。ピーターさんは僕になんでもチャレンジさせてくれる人だった。僕はペーパードライバーだったが、車の運転もするようになった(現在はまたペーパードライバーになったが)。そして、彼らのお店の手伝いもするようになった。彼らのお店は日本のアンティークを取り扱っていたので、お客さんも必然的に日本好きな人が訪れる。僕が日本人だと知るとみんな喜んでくれた。僕の決して上手と言えない英語も褒めてくれた。字を書くと、綺麗だと言ってくれた。

 ピーターさんもそうだったが、アメリカの方はすごく褒めてくれると感じた。日本は100点満点からどこが悪かったかという減点方式だが、アメリカは0点からどれだけ出来たかという加点方式なのだと思った。どちらが良い、悪いというのは一概には言えないが、その当時の僕は加点方式によって失っていた自信を取り戻していった。

 そして、ゲイカップルであるピーターさんとデイビッドさんを周りの人が当たり前のように受け入れていた。セクシャリティに関係なく、他者を尊重していた。これは地域によって差があるかもしれないが、僕が滞在していた所はそうだった。これが僕にとっては衝撃的だった。セクシャリティで悩んでいた自分を、ありのまま受け入れてもらえてるような感覚になった。

 もう一つ僕は、驚いたことがあった。それは、「彼女か彼氏はいるの?」と聞かれたことである。日本にいて、こう聞かれることはまずありえない。この些細な質問でさえ、僕にとってはすごく嬉しい体験だった。

3ヶ月のアメリカ生活での自分の変化

 この3ヶ月で、こんな生き方の人が世界にはいるんだと知ったことは大きかった。ゲイのカップルであっても、会社に雇われなくても、生き方はたくさんある。こうあるべきだという固定観念が弱くなっていくのを感じた。

 それから、自己肯定感が高くなったのも大きな変化である。自分が当たり前にやっていたことが、実は当たり前でなかったり、出来ないことではなくできることに目を向けてくれる彼らの風潮は自分が変わる大きなきっかけとなった。

 この経験を通して、僕の居場所は海外にあるのかもしれないと思うようになった。ピーターさんやデイビットさんのようにゲイであっても、パートナーと生活して、周りから奇異な目を向けられることなく生活できるかもしれない。僕には希望が芽生え始めていた。

(続く)

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