受験期の苦労

お久しぶりです。あと10日程度で合格発表ですね。バイトや就活で忙しいからか、想像してた程は長く感じませんでした。とはいえ、論文本試験前の10日間は人生の中でも一番濃密にも感じた期間であったので、これから緊張が来るかもしれません。

さて、久しぶりの更新となる今回は、合格発表前に受験期の苦労を振り返ってみようと思います。

論文式試験後からの3か月間は、翌年以降の受験生のサポートをする機会が多かったです。大学でのリア友以外でも、TwitterのDMを通じた相談や、チューター業務を通じた初対面の受験生のサポートも行いました。そこで改めて感じたのは、各受験生が苦労して悩みながら勉強を続けていることでした。特に、入門期における苦労は、僕自身も忘れかけていたのですが、思い返してみると、僕自身も一番つらかったのが入門期でした。そこで、今苦労されている方の参考にもなるよう、①どんな苦労に立ち向かってきたのか、②その苦労をどう対処し乗り越えてきたのかを紹介しようと思います。


(1)財務会計論(計算)
僕は、高校時代に、日商簿記3~1級を市販の教材(3級はネットスクール、2~1級はTAC)を使用しながら独学で学んでいました。そこで、会計士受験に向けて大原に入塾する前に、財務会計論(計算)と結びつく簿記については、ある程度学んでいました。しかし、独学であるがゆえに、当時はめちゃくちゃ苦戦しました。
3級・2級については難なく乗り越えられたのですが、1級は心が何度も折れかけました。例えば、退職給付会計について、TACの教材では、基本的に仕訳と勘定図が用いられていたのですが、勘定図の意味が分からず、仕訳の意味も理解できていなかったので、理解なき暗記で終わらせてしまいました。また、連結会計については、タイムテーブルから数値を拾う方法に納得できず、仕訳のみで乗り越えようとしましたが、開始仕訳も上手く作成できず、まともに点数を獲得できませんでした。
ただ、大原に入ってから、講義を受けてみると、何となくでしか抑えられてなかった各論点が、納得感を持った理解へと昇華しました。
ありきたりな結論となってしまうのですが、仕訳を丸暗記するのではなく、ある程度理解をしたうえで抑えた方が苦手意識はなくなると思います。最近話を聞いてて感じるのは、財務計算を苦手とする人は、ツールに頼ろうとして仕訳が書けない人が多いイメージです。各論点には、仕訳を書かずにツール(タイムテーブル・クウィックメソッド等)のみで正答を導けるものもありますが、仕訳が思いつかないようでは結局は克服することは難しいと思います、なので、仕訳を抑えることを勧めます。
なお、会計士試験の勉強では、財務計算につまづくことはなかったです。おそらく、連結会計・企業結合・事業分離・キャッシュフロー計算書等の構造論点を入門期から警戒し、予めつぶしておいたからだと思います。財務計算は、大きく①個別論点と②構造論点に分かれると思います。そして、①を先に倒し、次に②を潰すのがベーシックなのかなと思います。

(2)財務会計論(理論)
財務理論で最もきついと思ったのは、入門期のレクチャー時です。大原では最初に総論系や概フレを学ぶのですが、それがとにかくきつかったです。それまでは理論を意識せず計算のみを無心にやっていたからこそ、堅苦しい専門用語が登場する理論の勉強は苦痛でした。ただ、後半では、各個別論点の理論を学ぶのですが、これは計算にリンクするものも多かったので、逆に理解が伴って楽しかった印象です。
理論は最初こそきついものの、計算と上手く結びつけさえすれば、むしろ楽しく学べる科目だと思います。特に、論文対策では、細かい規定ではなく論拠を深く学ぶことから、内容自体は楽しいと思います。暗記は容易ではないですけど…

(3)管理会計論
こちらも、財務(計算)と同じく、簿記の勉強を通じて、会計士試験受験前から学んでいたものとなります。ただ、同じ独学でも、財務よりかは学びやすかった印象があります。
苦労したのは入門期でも短答期でもなく、論文期だったと思います。もちろん、短答期も管理は鬼門ですが、個人的には論文期はレべチできつかったです。①単純に問題の難易度が高すぎる点、②問題のボリュームに対しての時間の制約が厳しすぎる点、③中問ごとに各小問が繋がっておりミスすると雪崩方式で失点してしまう点など、挙げたらきりがないですが、自身の努力だけでは克服しにくい問題点もありました。そこで、実力上げ以外に、制約時間内での適切な戦略設定が苦手意識克服に大切だと思います。これは論文対策のみならず、短答対策にも生きると思います。

(4)企業法
理論科目として初めて学んだのが企業法でした。法律科目を学ぶのは初めてでしたし、最初は不安もありましたが、意外にも入門期は楽しく学ぶことができました。長谷川先生の授業が具体的かつ楽しかったからだと思います。そのため、短答対策でも苦労することなく難なく学べました。
しかし、論文期には牙を向けてきた科目となりました。企業法については、短答対策と論文対策が全く別物であり、論文では長文を自分で展開する必要があるので、多くの受験生が苦労する点だと思います。苦手意識については、論文答練を通じて、経験とともに段々と軽減されました。最初は慣れがないだけであり、経験さえ積めば、段々と身体も慣れてきます。僕個人が苦手意識が薄まったのが、直対答練が始まった頃ぐらいでした。今苦しんでいる人も多いと思いますが、とにかく答練から逃げずに耐えてほしいです。

(5)監査論
企業法と同じく、短答式試験での理論科目である監査論は、監査という、多くの人が普段の生活では全く関与していない領域の専門科目です。そのためか、入門期のレクチャーでは一番苦手意識がありました。実務色が出やすい科目でもあるので、受験上の形式的な知識のみを学ぶのでは習得しにくかったのでしょう。
また、短答対策でも一番苦労した科目となります。この苦手意識は本試験まで解消されることはなかったです。
ただ、論文期では、それまで抱いていた苦手意識が解消されていきました。短答期では、基準上の細かい規定のみを追っていたことから理解には繋がっていませんでした。しかし、論文期では、各規定の趣旨を重点的に学ぶことから、そこで初めて監査論を理解することに繋がり、付随的に各規定も違和感なく受け入れられるようになりました。そのため、入門期で苦労されている方は、細かい規定ばかりを追いかけずに、広い視点から趣旨等を抑えてみると学びやすいと思います。意外にもシンプルな科目です。ただ、最初の苦手意識は通過儀礼だと思って大丈夫だと思います。

(6)租税法
論文期になってから登場する租税法は、計算メインの科目です。そんな租税法で一番苦労したのは、間違いなく入門期となります。
大原では、法人税法の交際費から学ぶという鬼畜仕様となっていましたので、いきなり暗記ラッシュが到来しました。その次には減価償却で、数多くのパターンを学びました。このように、租税法は知識がなければそもそも勝負にならない科目であったので、知識がない初学時の入門期はきつかったです。さらに、法人税法に慣れたと安堵しようとした矢先に、所得税法・消費税法が現れたため、入門期は心が折れかけた思い出です。
ただ、レクチャーが終わり、基礎答練が始まる頃には苦手意識がなくなり、むしろ得意科目となっていました。その理由としては、①年末に問題集を回しまくって計算処理に慣れたこと、②会計とは異なる税法ならではの理屈を理論的に抑えたことが挙げられると思います。特に、②については、理論ともつながる話であり、僕は理論対策を他の受験生よりも早く取り掛かっていました。そして、計算と結びつけたことで、計算・理論のいずれにも良い効果をもたらしたと思います。

(7)経営学(選択科目)
選択科目の1つである経営学は、租税法と同じく論文期になってから登場する科目です。そして、理論と計算が5:5の比重となっていますが、レクチャー期ではいずれについても苦手意識がありました。もはや、授業内容が何も頭に入ってこないレベルで、授業後に1から教科書を読みなおすレベルでした。というのも、①計算については、数学的要素が強く、理屈が頭に入りにくいこと、②理論については、規定を学ぶ形式ではなく純粋理論を学ぶことが多かったことが原因だと思います。
このうち、①については、例題・問題集・答練を解くにあたって慣れることで対処しました。また、慣れ以外にも、テキストを繰り返し読むことで、なるべく理解を伴った学習を行えるように意識しました。また、②についても、テキストを繰り返し読むことを意識しました。ただ、こちらについては、あまり理解ばかりを意識しすぎずに、一種の読み物のような形で、気軽に捉えていました。暗記なども試験直前までは意識してませんでした。だからこそ、勉強そのものに嫌気が指すことがなくなり、苦手意識も感じなくなったのかもしれません。

以上となります。
本当は、勉強の内容面のほかにも、精神面での苦労を書こうと思ったのですが、想像以上にボリューミーとなってしまったので、今回はここまでとします。個人的には精神面での苦労のほうがきつかったので、いつか気が向いたら書くかもしれません。

合格発表前のnote更新は今回がおそらく最後となります。あとは運命の時を待つのみですね… 試験後に色々な人と会って思うのが、受験期は我ながら本当に苦労してたんだなぁってことです。なので、2/16にその苦労が報われることを祈っています。そして、気が早いのですが、来年1年間は、一つのことにとらわれず、色々なことに携わりたいと思っています。ここ2年は会計士試験以外のことをすべて犠牲にしてきたので、その2年間を回収していこうと思います。

最後は謎の自分語りとなってしまいすみませんでした😇
noteを書いておきながら、未だESに着手していないという現実を思い出したので、いい加減着手しようと思います😥

ここまで読んでいただきありがとうございました!








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