続・平方数と数列

ある人から立方数の数列も知りたいという要望(?)を頂いたので、考えてみようと思う。

実はこれ意外と単純で、ある考えを使えばすぐに式を構築することが出来る。

そもそも階差数列とは式でどのように定義されていたのか考えてみる。

階差数列を$${\{b_n\}}$$とすると、数列$${\{a_n\}}$$に対して

$$
a_{n+1}-a_n = b_n
$$

と定義されたのであった。

ここで数列を$${\{a_n\} = n^3}$$とおくと、$${(n+1)}$$項目は$${\{a_{n+1}\} = (n+1)^3}$$とおけることが分かる。

3乗の展開式が

$$
(n+1)^3 = n^3+3n^2+3n+1
$$

であることを踏まえると、今考えている階差数列は

$$
\{b_n\} = 3n^2+3n+1
$$

で与えられることが分かる。

これで要素は揃った。つまり立方数を階差数列を使って表すと

$$
\{a_n\} = 1+\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1} (3k^2+3k+1)
$$

となる。(ただし$${n\geqq2}$$の場合) 

また平方数の数列と合わせて

$$
\{a_n\} = 8+\displaystyle\sum_{k=2}^{n-1} (3(1+\displaystyle\sum_{j=1}^{k-1} (2j+1))+3k+1)
$$

とすることも出来る。(ただし$${n\geqq3}$$の場合) 無駄に複雑。

もちろんこれもガリガリ計算すると$${n^3}$$が出てくる。(そりゃそう) これで無事立方数を数列で表すことが出来た。

この考え方を使えば、$${n^4}$$も$${n^5}$$も原理的には簡単に階差数列を使って表すことが出来る。それになんの意味があるのかは分からないが。

<補足>
前回おこなった平方数の場合も今回と同様に考えることが出来て

$$
(n+1)^2 = n^2+2n+1
$$

を考えれば階差数列$${\{b_n\}}$$はすぐに

$$
\{b_n\} = 2n+1
$$

とすることが出来る。


この一連の考え方、平方数は使う機会あるかもしれないけど、立方数はまあ使わないでしょうね。

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