厄日

今日は紛れもなく厄日。そんなような出来事が立て続けに起こった。

とは言っても僕がもっと余裕を持って計画的に行動していれば防げたことがほとんどなので、「自発的に発動した厄日」と言うのが適切だろうか。

この出来事は8月に起こったのだが、どうしても今年のうちに成仏させておきたかった話である。

・・・・

大学3年生にとってこの時期はインターンシップの時期である。簡単に言うと、インターンとは企業がやっている仕事を実際に体験し、それを通して企業やその業界について知るみたいな感じである。僕は院進学を考えてはいるが、就職もまだ可能性として残っていたため、今年は一応インターンに参加することにした。

インターン先を探すといろいろな企業が出てきて面白い。調べるだけで結構勉強にはなるが、その中でも1つをインターン先として応募することにした。

しかし、実はインターンは応募すれば必ず行けるとは限らない。書類選考やら何やらがあったりなかったりする。僕が応募したインターン先は、エントリーシート(ES)と履歴書(あと簡単な同意書)を送ってくれというものだった。まるで就活みたいだな。そして他でもないこの書類をめぐって厄日と言わしめる出来事が立て続けに起こったのである。

まずこの応募書類に手を付けたのが提出期限の5日前。これが全ての元凶だろ。ヤバすぎる。それで急いでESと履歴書を2日かけて完成させた。絶対早く提出した方が心象は良いと思っていたから(もう遅いことに変わりはないが)、完成させた日に郵便に出したいと思ったのだが、終わったのが昼の15:00。この日は平日だったから郵便局は17:00に閉まる。あと2時間。なんだ余裕じゃんと思ったそこのあなた。僕の怠惰を甘く見てはいけない。この時点で僕はまだ履歴書用の証明写真を撮っていなかった。さらにESはWordで書くタイプのやつだったため、印刷する必要もあった。僕は急いでデータが入ったUSBとスーツを鞄に詰めて、コンビニへ向かった。

コンビニに到着すると、まずは印刷。ここは正直楽勝。2,3分で終わる。と思った次の瞬間。次のような文言が出てきた。

「エラーなので店員さんを呼んでください」

は???????????

今まで生きてきてこんなの見たことないんだけど。しょうがないから店員さんを呼んだら店員さんも同じような表情。お前もこれ見たことないんかい。結局店員が店員を呼ぶということが起こる羽目になった。最終的にベテランのおばあちゃんみたいなのが出てきたけどその人もあまりわかっていない感じだった。お前は分かっとけよ。全知全能感出しておいて何なんだ。その時点で10~20分くらいは経っていたから、しびれを切らした僕は「すみません!もう大丈夫です!」と言ってその場を早々に去ってしまった。まさか印刷のためにコンビニをはしごすることになるとは。

次のコンビニでは先客がいたけどしっかり印刷は行われたため、無事にESはクリア。よし、次は証明写真だ。外に出て証明写真のアレの中に入り上だけスーツに着替える。もちろんジャケットも着たわけだが、この日の気温は30℃超え。熱すぎる。暑いんじゃない。熱いのだ。ただでさえ証明写真のアレの中は灼熱なのに、スーツなんて着た日にはもう地獄。「滝のような汗」なんて当たり前の世界が広がっていた。なんとか写真を撮り終えて逃げるようにそこから出ていったわけだけど、気のせいか写真の自分の笑顔はとてもぎこちなかった。ともあれ証明写真もESのコピーも終わったから、あとは貼ったり封筒に入れたりすれば郵便に出して終了である。残りあと1時間。

この時点でもう自分の怠惰に対する罰は受けきったつもりだったが、神はそれほど優しくはなかったらしい。

ここからのプランは次のとおりであった。

まず自転車を飛ばして郵便局まで行き、着いたらATM脇の長机で必要書類をまとめて封筒に入れ、窓口へ持っていく。一連の作業は20~30分で事足りる。これで万事OK。証明写真を撮り終えた僕は汗だくだったけど、構うことなく自転車を走らせて郵便局へ直行した。郵便局へは大体15分くらいで着いたから、あとは証明写真を貼って、同意書に名前を書いて、全部封筒に入れて終わりだ!やったー!!結局今日で終わらせてしまう僕すごい!!!

と思ってふと同意書の署名の欄に目を向けると、そこにはあのおぞましい漢字一文字があった。

マズい、、、これは大変マズい。

この漢字が何を意味しているか。そう、ハンコが必要なのである。生憎このとき僕はハンコを持ち合わせていなかったため、一瞬で窮地に追い詰められてしまった。

一回家に帰ってハンコ押してくるか、、、?いやそれだと確実に間に合わない、、、!それならばとるべき選択はただ一つ。自分の名字のハンコを近場から買ってくるしかない!!!

郵便局から現実的に行けそうなのは、本屋さんと100均だったため、そこに焦点を当てて探すことにした。まず本屋では残念ながら僕の名字を探すことができなかった。コンスタントにハンコが置いてあるわけではない自分の名字腹立つ。そんなに珍しいわけでもないのに。まあいい。まだ100均がある。あのクルクル4面ハンコ収納器を探しまくれば見つかるだろう。そんな一縷の望みをかけて100均に行くと、そこには自分の名字が!あった!あったぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!おおお!?お?お?お?

お?

これ自分の名字ちゃうやん。

いや、正確に言うと俺の名字のとこ違う名字のハンコ入ってるじゃん。例えるとTSUTAYAで6巻のDVD借りようとして取り出したら7巻入ってたみたいな感じ。みんなも経験あるでしょ。所定の位置に収まってないじゃん。実際そのハンコは一段上の名字じゃん。

覚える殺意。迫りくる時間。

でもここで僕は諦めがついた。もう間に合わないと。この日は朝から絶望的な状況だったけど、自分ができる最適解は選択したつもりである。よくやったよ自分。何なら今日出しても多分発送明日だし、明日朝出してもそんなに変わらない気してきた。もう明日朝出そう。

ということで次の日朝一ですべてをまとめた状態で郵便局へ赴いた。昨日とは打って変わって今日は余裕がある。窓口で必要書類を速達で発送してもらう。てか書類を速達で出すインターン生って何なんだよ。やる気なんて微塵も感じられないよ。あっちに届いてから赤々しい「速達」の文字がどうしても企業の目に入ってしまうの恥ずかしすぎる。

とはいえこれで僕の書類提出をめぐる戦いは幕を閉じた。こうして振り返ってみると、終始僕の怠惰は目に余るものであった。全面的に僕が全ての原因だし、僕が悪いというのも重々承知している。でもこんな仕打ちあるかね。

本当に物事は計画的に進めようと強く思った。マジで痛い目見る。こういう当たり前のことを気づかせてくれたという意味では、良い経験になったなと、今になって思うわけないだろバカ。腹立つ。

ちなみにインターンはめちゃくちゃ落ちました。知ってた。

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