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【神奈川のこと88】初めての転職活動(横浜市西区/リクルート人材センター)

最近、ちょっとした別れがあった。

よって、これを書く。

あれは、新卒4年目の1996年頃(平成8年)だったか。

初めて転職活動をした。

アポイントメントも取らず、当時横浜駅西口の北幸エリアにあったリクルート人材センターにいきなり訪問した。今では、そんな飛び込みで転職相談をするなんて考えられない。ちゃんと事前に登録して、面談のアポイントメントを取ってから訪問というのが当たり前だろう。

横浜駅西口にあった欧州系メーカに営業に行った帰りに飛び込んだのだ。

感じの好い受付の女性が対応してくれた。手始めに、書式に則って経歴を書き、その後、国語と数学と英語のテストを受けた。そして、しばらく待っていると面談室に呼ばれた。

入ってみると、強面の年輩男性キャリアコンサルタントがいて、私の経歴を聴き始めた。

しばらくやりとりをしていると、

「君に『うん、うん』と返事される筋合いはないよ」

と低いドスの利いた声で怒られた。

当時勤めていた会社では、営業としてお客さんと対等の関係でいろ、若く見られるなと教えられていた。本来それは、もっと深い意味での教えだったと今振り返れば理解するのだが、当時は表面的なことだけを捉えて、お客さんに対しても平気で、「うん、うん、なるほどな~」なんて対応をしていた。クソ生意気にも程がある。

その態度を一喝されたわけだ。

「数学はあまり点数が良くないけど、英語は良くできているから、海外営業職を紹介しましょう」という展開になった。

恐らく数学の点数は、かなりまずかったと想像する。

そんなクソ生意気なおたんこなす野郎ではあったが、リクルート人材センターは、私に立派な老舗専門商社の輸出営業職を紹介してくれた。

面接はとんとん拍子に進み、ほぼ内定となった。

虎ノ門にあったオフィスでは、「今度新しく入ってくる中途入社の方です」と紹介までされて、その足で銀座に連れて行ってもらい、食事をご馳走になった。そこでは、ビールの注ぎ方がなっていないと課長さんに怒られた。

最終的には、その内定を断って現職に残ることにした。虎ノ門の地下鉄の駅で、例の強面年輩キャリアコンサルタントに電話をかけて断ったのだ。さんざん大人を振り回しておいて、いざ内定となったら怖くなって断る。ああ、腹が据わっていない典型であった。

ふと、あの専門商社に入っていたら今頃どうなっていたのだろうかと考えることがある。

数年後に転職し、リクルート人材センター出身の上司にその話をしたら、「ガハハハッ、そりゃきっと〇〇さんだな」と笑いながら言っていた。

「うん、うん」と不遜な返事をする自分を戒めてくれたキャリアコンサルタントの〇〇さん。

ビールの注ぎ方がなっていないとやり方を教えてくれた課長さん。

その節は、ありがとうございました。

でもいまだに「うん、うん、なるほどな~」って言っちゃうんだよね~。

三つ子の魂百までも。





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