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【神奈川のこと96】秋にまた行きたくなる映画館(藤沢市鵠沼海岸/シネコヤ)

すこぶる忙しかった7月が終わる。
その終わりの記念に、映画を観に行った。

熱中症警戒アラートが発表されて、家から一歩外に出れば、殺人的な暑さが襲いかかるというこの異常事態の中、日焼け止めクリームを塗り、日傘を手に出掛けた。

よって、これを書く。

まず徒歩8分のイワサワランドリーへ寄って、スーツのズボンを2本預ける。シャッターがまだ半分閉まっていたので、待つべきか行くべきか3分ほど逡巡していると、「あら~ごめんなさいね~」と、ここで働くマミさんは小中学校の一つ上の先輩。「いや、今着いたばかりですから」とやせ我慢の応答。ちょっと鼻にかかった艶のあるマミさんの声に押し出されて、再び熱中症警戒アラートの中、湘南モノレール西鎌倉駅へと歩く。

3分ほどで駅に到着し、いつもとは逆方向にモノレールを乗って、終点湘南江の島駅で下車。他の乗客がエスカレータを利用する中、一人、階段をひょひょいと下りると、本日3回目の熱中症警戒アラート降り注ぐ外へ。
ワンタッチ日傘を「バサリ」広げたら、江ノ電の踏切を渡って通りを歩く。朝の9時台であったが、中国人の観光客と10人以上はすれ違ったか。ところどころ様子の変わった通りを歩きながら、幻滅と安堵の入り混じった心模様も、熱中症警戒アラートが鈍らせる。

いつもより長く時間がかかったような気がしてならないが、ようやく小田急線片瀬江ノ島駅に到着。

ちなみに、江の島と名の付く鉄道の駅は3つある。湘南モノレールは「湘南江の島」、江ノ電は「江ノ島」、小田急線は「片瀬江ノ島」だ。「の」だったり「ノ」だったりするわけだ。ちなみに、「の」は所有を意味するということであれば、「へのかっぱ」は、「屁」が「河童」を所有しているのか?
事を荒立てるつもりか?とけんか腰になる竹中直人とビシバシステムのシュールなコントが思い出される。

片瀬江ノ島駅発で、藤沢駅行きなんてのがあるわけ?わずか3駅のジャーニーの最初の停車駅、鵠沼海岸駅にて下車。

家を出てから45分。この鵠沼海岸駅は、我が母校、東海大相模高校の同級生、ノムとトモちゃんの実家の最寄り駅。二人の学生服姿を日傘に映しながら、本日4回目の熱中症警戒アラートを往く。

3分ばかりで、目的地であるシネコヤに到着。
初めて訪れた。民家をちょっと改造したような作りで興味深い。一番に到着したので、お店の主人が椅子を出してくれて、日陰で座りながら、待ち時間は神奈川新聞を読んで過ごす。

時間となり、受付で映画料金を払ってアイスコーヒーを注文。案内されて2階に上がるとこじんまりとした部屋にソファが並べてある不思議な空間。定員は30名ぐらいだろうか。こういう場合は「端っこ美学」の法則に従って、一番前の一番奥を確保。上映開始までの間、館内を散策。映画に関する雑誌や何やらが色々置いてある。映画に対する愛と慈しみ溢れる棚がたくさん。

映画は、毎月買っている雑誌「ビックイシュー日本版」の6月1日号で紹介されていた「ぼくたちの哲学教室~YOUNG PLATO~」。北アイルランドの小学校を舞台にしたドキュメンタリー映画だ。

内容は、すこぶる良かった。何が良かったかって?上手いこと表現ができないので、文章にすることはあきらめる。肩も凝ってきたところだ。だから、公式サイトの映画評を記しておく。

”非常に魅力的な映画”
”ただただ素晴らしい…私はこの映画が大好きだ”

秋にまた来ると心に決めて、シネコヤを出た。

本日5回目の熱中症警戒アラートの中を、鵠沼海岸の駅へ向かって。

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