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【沖縄→北海道】沖縄を後にして02

【フェリーに乗って鹿児島へ】日常使いしている110ccのSD(ベトナムHONDA製スーパーカブ、Super Dream)号で、沖縄から北海道まで6泊7日で走りきる? 机上では大丈夫そうなので、実際に走ってみました。……鹿児島新港行きのマルエーフェリーは梅雨前線下を北上。奄美大島名瀬港を出港すると時化。真夜中、船は揺れに揺れました

SD号をのせた那覇港発、鹿児島新港行きマルエーフェリーあけぼのは45分遅れで奄美大島名瀬港に寄港。風と波が凄まじいなか、それでもフォークリフトはコンテナの積み下ろしを続けます。

梅雨前線下、島々に寄港してもこの荒れ模様

名瀬港を離岸したのは予定より50分遅れの22時過ぎでした。そこからさらに船は揺れます。二段ベッド下段に横たわっていると、ギギギギギッ、ミシシシシッと部屋はきしみ時に無重力となり体が浮きました。

あけぼのは2、 3階が車輌甲板。3、4、5階が旅客エリア

全長145m、全幅24mの船体が波に乗るとしばし無重力に。次の瞬間波間に船底が叩きちけられ、ドーン!と号砲のような衝撃が。僅かに浮いた体が背中から薄いマットに落ち、冷や汗が流れます。用心して食事を早めに済ませて正解でした。

那覇-鹿児島航路。途中五つの島に寄る

ベッドで目を閉じていると意識が揺れに集中、より船酔いしそうです。意を決して起き上がり部屋を出て、食堂のテーブルに。ノートや資料を広げ、明日からの予定を確認しておきましょう。

揺れのなか食堂のテーブルで明日の予定を確認

今回の旅、沖縄本島南端の喜屋武岬から北海道北端の宗谷岬まで一般道のみ、6泊7日で走りきるため、宿はすべて予約済みです。スマホを充電しながら、排気量設定を原付2種としたナビアプリ『TOURING SUPPORTER』に道案内してもらいます。この後山口県周南市、鳥取県倉吉市、富山県富山市、山形県鶴岡市で1泊ずつし、最後は八戸港(青森県)からのシルバーフェリー夜便に乗り、翌朝苫小牧(北海道)着。その日のうちに宗谷岬を目指すつもりです。

九州泊の予定は無く、鹿児島に上陸したら阿蘇を横断し大分県の竹田津港をめざし北上。竹田津港19時発のスオーナダフェリーで徳山(山口県)に渡り、そこで1泊の予定です。すでに鹿児島着が1時間以上遅れそうなので、鹿児島新港から武田津港への330㎞を8時間ほどで走らなければなりません。「……きついなぁ」と走り出す前から、ちょっとビビり気味になりました。

竹田津港19時発を逃すと次は23:40発。スオーナダフェリーは原付の予約を受け付けていないので遅れてもかまいませんが、徳山港着が午前1:40となるので翌日の予定に響きそうです。……ちょっと目が覚めました。船酔いも幾分おさまった気がします。

10:30 スロープを下り鹿児島上陸。90分遅れの2日目スタート

フェリーあけぼのは、その後危ぶまれていた屋久島寄港も無事終え、鹿児島新港に入港。10:30、90分遅れでSD号は鹿児島に。雨です。桜島は全く見えません。雲が立ちこめ錦江湾なのか外洋なのかすらわかりません。SD号に乗っていても揺れは継続、なんだかフワフワします。……果たして19時発のスオーナダフェリーに乗ること出来るのでしょうか? (つづく)

――この沖縄 喜屋武岬から北海道 宗谷岬への6泊7日旅の全貌は本誌特集「走って走って日本縦断記」でお読みいただけます。とにかく目まぐるしく慌ただしく、時に均一化進む郊外景色に自分自身を見失うことも……。旅は2022年5月、スタートした喜屋武岬の気温は27℃、ゴールした宗谷岬は6℃台でした。

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出典:バイカー春秋 創刊4号

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