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【沖縄→北海道】Day04鳥取から富山へ

【鳥取県倉吉市から富山県富山市へ】日常使いしている110ccのSD(ベトナムHONDA製スーパーカブ、Super Dream)号で、沖縄から北海道まで6泊7日で走りきる? 机上では大丈夫そうなので、実際に走ってみました。……4日目は鳥取県倉吉市から富山へ。7日間中最も長距離、480㎞を走る予定です。

4日目の朝も好天に恵まれました。倉吉市の『ホテルアーク21』のシングルルームで目覚めたのですが、自分が何処にいるのか全くわかりません。壁際のTVをつけNHKに。やがて天気予報が始まり鳥取にいることがわかりました。ツーリング中は、なんだか毎朝生まれ変わってい気がします。

今日は7日間の行程中、移動距離が最も長くなる予定。今晩の宿、富山市内の『いなり鉱泉』めざし480㎞走ります。国道9号と同8号を北上。寄り道せずに真面目に走らないと、深夜着になりかねません。その翌日も400㎞ほど走る予定なので、睡眠時間は確保したいところ。なので午前中はスマホナビのしもべとなりひたすら淡々、距離を稼ぎました。

幹線道路から一切外れず200㎞ほど走り、昼には舞鶴に着きました。尻が相当痛くなりましたが、まだ残り300㎞もあります。舞鶴港には小樽行きの新日本カーフェリーが停泊していました。夜中に出るそうです。あれに乗ってしまえば……、と一瞬不埒な考えが頭をかすめます。そのいかにも長距離フェリーらしい堂々たる姿(旅客定員746名、全長224.8m、総トン数16,897t、 航海速力30.5ノットだそうです)は正直目の毒(&尻の毒)です。

昼は店構えに誘われて舞鶴市魚屋の『清蓮亭』へ

初夏を思わせる日差しを受け、凪いだ日本海が碧く港内入り江を塗りつぶしています。昼食は国道175号からちょっと路地を入った先の『清蓮亭』に。偶然前を通りがかり、その店構えに誘われました。カウンター席で地元の方とおぼしきテーブルの会話を聞くともなし聞いていると、急に「いま旅先なんだ」と実感。旅をひとり完結できるソロツーリングにおいては貴重な瞬間です。「この前亡くなった〇〇さんやけど」「いや、あん人はまだ生きとうで」と話ははずみます。

本日の日替わり カレイ野菜あんかけ、小鉢、みそ汁、ご飯 820円

『清蓮亭』でいただいたのは「本日の日替わり カレイ野菜あんかけ、小鉢、みそ汁、ご飯 820円」。唐揚げされたカレイは新鮮で、薄口のあんとの相性もよく、さすが舞鶴!と唸らされる絶品です。店を仕切る女将さんは、常連さんには「ありがとう」、非常連さんには「おおきに」と店を送り出していました。カレイがまとうあんの薄口具合とともに、ああ舞鶴は京都なのだと実感。いいお店でした。

舞鶴港にて。碧く青い初夏の凪いだ日本海

舞鶴を出てしばらく走り福井県に。国道27号を東に進み、小浜市に差し掛かったあたりでのこと。トンネルに入ると中が真っ暗です。入口、出口付近には照明があるのですが、中には灯りがありません。外の明るさとのギャップに目がついていかず、中では何も見えなくなり肝が冷えました。SDGs的配慮かもしれませんが、二桁幹線国道で真っ暗トンネルはちょっと危ない気がします。 (つづく)

――この沖縄 喜屋武岬から北海道 宗谷岬への6泊7日旅の全貌は本誌特集「走って走って日本縦断記」でお読みいただけます。とにかく目まぐるしく慌ただしく、時に均一化進む郊外景色に自分自身を見失うことも……。旅は2022年5月、スタートした喜屋武岬の気温は27℃、ゴールした宗谷岬は6℃台でした。

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出典:バイカー春秋 創刊4号


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