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「バンクシー展 天才か反逆者か」感想

横浜ASOBUILDで開催中の

「バンクシー展 天才か反逆者か」

を観てきました!!

横浜ASOBUILD

いろいろ感じることがあったので、こちらにメモ代わりに記しておきます!
バンクシーについて知りたい人にとっては、役に立つ内容になっていると思うので、よかったら最後までご覧ください。
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アソビルの中はこんな感じ。壁一面に遊び心の詰まった立体コラージュが敷き詰められている。

展示スペースは2階
1階は飲み屋横丁風のレイアウトになっています。
展示を見終わったら、感想を語りながら一杯いかがですか?

1.バンクシーってどんな人?

オークションにて、額縁に仕掛けられたシュレッダーで、自分の作品を刻むパフォーマンスが有名なバンクシー。
日本でも広く知られるようになりましたが、その活動の詳細まで知っている人は、まだあまりいないのではないでしょうか?

バンクシー(Banksy, 生年月日未公表)は、英国を拠点とする匿名のアーティスト(路上芸術家)、政治活動家、そして映画監督。
彼の風刺ストリートアートと破壊的なエピグラム(短く簡潔で、ウィットに富んだ詩のこと)は、独特のステンシル技法で実行された落書きとダークユーモアを組み合わせたものである。

(↑Wikipediaより引用)


そして、するぞうが思うバンクシー像↓

世界各国ご当地ならではの問題を取り上げて、その場所ならではの落書きを残す発想力と行動力がすごい。
(イギリスが活動の中心だが、パリ、ヴェニス、ニューヨーク、パレスチナなど世界各国を巡って至る所に作品を残している。)

壁に落書きするだけに留まらず、美術館に忍び込んで、無許可で自分の作品を展示したり、自分の作品をシュレッダーにかけたり、名の売り方がダイナミック過ぎ。

そしてなにより、国や言語問わず、老若男女誰にでも伝わり、刺さる、メッセージ性のある形を作るのがうますぎる。
何か伝えたいことを言葉で表すのではなく、形で伝えるってすごいし、すてき。

Christ with shopping bags
クリスマスの本来の意味と、現実の様子との歪みや矛盾を表してる

選ぶ形のセンスがよすぎ

ストリートアートは本来壁に描くものですが、
バンクシーにとっての「壁」は単なる建物の壁を越えて
言語や文化、価値観、権力などを指しているんじゃないかと思いました!


というように、表現の手法、発信の内容、意味の形態化、PRの方法
などなど

もう、全てが神かがってるのです。
ていうか、もはや神。
2000年ぶりにこの世に舞い降りたイエス・キリストなんじゃないかと思うくらいです。


しかも、やっている内容がちょい悪な雰囲気(落書きは今のところ犯罪です)で、なおかつ本人がわからないというミステリアスさも、もう全てが完璧。

表現力もさることながら、行動力も、発信力も、誰がどう見てもすごい人だし、何がすごいのかがわかりやすいし、間違いなく歴史に名を残す天才だと思う。

生きていながら、人類史に残ることが確定してるってすごいですよね。



2.展覧会の感想

バンクシーの作品を初めてちゃんと観たけど、言葉ではなく「形」で語り掛けられてる気持ちになりました。
これは、わざわざ言葉にする必要もないくらい、万人に共通する感覚だと思います。

バンクシーのアートは「ヴィジュアル・プロテスタント」と呼ばれているそうですが、まさに純度100%そのままの性質を持ってるアートだと思いました。
風刺の効いたピクトグラムというか。。

展示されている作品の中からいくつか紹介します!
(ちなみに館内は撮影OKです!さすがバンクシー)

love is in the air
手榴弾の代わりに花束を投げる人

ブレグジット

バーコード

トキシックメアリー

クルード・オイルズとバンクシーvsブリストルミュージアム

(モネの睡蓮の池が元の絵です↓)

ケイトモス
(↑写真ではなく、シルクスクリーンです。アンディウォーホルからの影響をもろに受けていますよね。)
これは一見の価値あり!!



と、ここまで全肯定で、完璧な印象のバンクシーですが、

展覧会自体の個人的な評価は

展示作品数    ★★☆☆☆
展示のわかりやすさ★★★★★
実物がもつ迫力感 ★★★☆☆
グッズのエモさ  ★★☆☆☆

総評       ★★★☆☆

でした。

これは至って個人的な好みなんだけど、美術館や展覧会に行く時って、「本物に会える」というワクワク感が強いんです。

それは、画像や写真で見たことがあって、既に知ってる作品だとしても、実物がもつ迫力は実物を見ないと味わえないから。

この感覚は科学的にも説明できて、電子画面が表現できる色は、今のところ256色に対して、人間が認識できる色は700色以上と言われています。 
画像なんかでは伝わらない、あの、尋常じゃない色彩の豊かさは、実物を観たことない人にはなかなか伝わないと思います。

それから大抵の作品は平面、立体に関わらず、3次元的に味わうことができます!
(絵の具の盛り上がり、重なり、額縁との一体感、光の当たり具合、裏まで観れるなどなど、画像ではわからない実物ならではの引力、迫力があります!)

ちょっと難しい説明になってしまいましたが、とにかく本物は画像とは比べ物にならないくらいすごいのです!!
(初めてモネの「セーヌ川の朝」を観た時は、気付いたら2時間経っていました。あれは自分でも驚きました。)

でも、今回の展覧会は、
その肝心な本物を目の前にした時の引き込まれる感じとか、圧倒される感じはしなかった。

それもそうです。バンクシーのアートは、その土地に存在して、その場所で初めて「実物」としての力を発揮するからなんです。きっと。

ストリートのものを縮小したシルクスクリーンの「実物」は沢山展示してあるんですが、(もちろん本物です。バンクシーのサインも手書きで書いてあります。)
なんだかミュージアムショップに並んでいる、ちょっと豪華なポストカードの陳列を見ている気分になってしまいました。。

シルクスクリーンという技法も、色の重なりや版の活かし方に工夫が凝らされているわけでもなく、単純に生産効率性を求めたような表現に留まってます。
つまり、本物を見ずとも画像で十分意味は読み取れるということです。

(2021年3月現在、バンクシーの作品は高騰を続けていて、ついに1作品25億円の大台を突破しました。しかし、上でも述べているように、バンクシーの売りに出されている作品はあくまで壁の落書きの「複製品」です。ディズニーランドとかで売っているミッキーの「グッズ」と同じような立ち位置。それに○○千万円、○○億円という値段がつくのは、正直いって本質的ではないと思っています。。)

とはいっても、自分で作品を調べたり探すのは手間なので、
○バンクシーの活動をまとめてまるっとわかりやすく、知りたい人
○バンクシーの活動の臨場感を味わいたい人
○バンクシーよくわからないけど、興味ある人
○バンクシーのグッズが欲しい人
○展覧会に行った思い出を写真でバッチリ撮りたい人(ここまで全面的に撮影OKの展覧会は珍しい!!)

は絶対行くべきだと思う。
すごくわかりやすい展示だし、丁寧な音声ガイドもスマホで無料で聴ける。

でも、なんていうか、美術館に行く時のあの「実物に会いに行くワクワク感」はあまり期待しない方がいいかもしれません。。
(繰り返しますが、あくまでも個人的な好みの問題です!)

最後に自分の展覧会の感想を、バンクシーの形を借りて表すとこんな感じです!

(見る前の待ち時間に、なんとなくインスタに投稿した写真ですが、まさにこういう気持ちになりましたw)

バンクシーの作品についての詳しい解説は、リクエストがあればやります!!
noteのコメントまたは、Twitter、インスタのDMにてお待ちしております!

毎度締まりが悪いですが、今回はここまで!
この記事が皆さんの中で何か役に立ちますように。
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ではまた!^ ^

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