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自由や新しい何かを求める風土を感じる ~光州への旅の記録8

光州への旅の記録1~7の続きです。

☆☆☆

2024年5月18日。
昨日の光州民主化抗争記念式典の前夜祭から一夜が明けた。

青い空から差す光が眩しい。
目覚めたその時、昨日の前夜祭が、現実だったのか、夢だったのかわからなくなる。

光州に初めて宣教師が来た時に暮らしていた洋館をリノベーションした、趣のあるゲストハウス。

民主化運動の起こったこの地には、自由や新しい何かを求める風土が根差しているのかもしれないと、直感的に思う。

ゲストハウスの周辺を散策しながら、ランチタイムやカフェを楽しむ。
光州事件という歴史をふまえてこの地を訪れたけれど、
2024年の今、この場所は、おしゃれなカフェやアート作品のあふれる美しい街だ。

光州事件で傷ついた女性が集う場所だと聞いた
「5月母の家」。
5月18日の集いが行われる、その場所に同行した。

集いが終了し、「5月母の家」の門を出ようとした時、道を歩く3人の老女とすれ違う。
集いの後の人だかりを見ながら、通りすがりの老女たちのつぶやく会話が耳に入る。

「今日は5月18日だからね。
おいしいものを食べるんだよ。」(長女の訳)

ふと耳に入ったその会話から、光州事件を実際に経験した人の人生が今も続いていることが、改めて意識に昇る。

足もとをみた。
放射状の広がりと、はじめも終わりもない永遠に続く円。
光の象形は、鳥が飛び立つように見えた。



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