理解とは「人に説明できる状態」になること。

ビジネス書の紹介記事を添削していると、「あ、この人著者の主張をきちんと理解できていないな」「論理構成を読み解けてないな」と感じることがよくあります。

「アウトプット」とは人に説明することであり、説明できる状態(=相手に理解させられる状態)になって初めて、「自分が理解している」状態だと言えます。

自分は理解しているつもりでも、記事を読んだ読者が「?」となってしまっては、それは理解できているとは言えません。理解とは「自分でわかればそれでOK」ではなく、「相手に説明して、理解させられる状態」なのです。

以前紹介した『すべての知識を「20字」でまとめる』では、次のように書かれています。

実際に人に説明する機会があるかどうかに関係なく、すべての物事を、いざ人に説明しようと思えばできるというレベル感で理解していく。これが、「アウトプット型」の仕事観であり、学習観なのです。(P.108)

著者の浅田すぐる氏は「学習とは、説明可能なレベルで思考整理する営み」であるとまとめています。

美女読書サロンでは、本を読んだら記事にしてアウトプットする(読者に本の内容や魅力を説明する)ことを前提としていますから、なおのこと、本を読みながら「人に説明できるように、思考整理する」ことを目指さなければなりません。

では、「人に説明できる状態」とは一体どのような状態なのでしょうか。本書では、以下の「3つの疑問」が解消した状態だといいます。

・「What?」...何を? どんな?
・「Why?」...なぜ?

・「How?」...どうするか?

なぜなら、あらゆるツッコミは、これら3つの疑問詞に分類することができるからです。3つの疑問の順番は、この通りでなくても構いません。

たとえば、本の紹介記事なら、

・「Why?」...なぜこの本を読んだのか?
・「What?」...何を学んだのか?
・「How?」...今後にどう活かすか?

というパターンもあれば、

・「What?」...「○○(本書のキーワード)」とは何か?
・「Why?」...なぜ「○○」が重要なのか?
・「How?」...今後にどう活かすか?

というパターンもあります。もしくは

・「Why?」...なぜ「△△(著者の主張)」と言えるのか?
・「What?」...「△△」とはどういうことか?
・「How?」...今後にどう活かすか?

というパターンもあるでしょう。

このように、つねに「3つの疑問を解消」するように「思考整理」することで、人に説明できるレベルの「理解」を得ることができます。

昨日の記事では、「読書の目的」を決めることの重要性を説明しました。「読書の目的」を定めた上で、上記3つの疑問を解消するようにすれば、「主眼」と「骨子(=主眼を達成するための骨組み)」の両方の素材が集まることになります。

たとえば

・目的:「文章が書けない悩みを解決する方法」を学ぶ。

としたら、

・「What?」...「文章が書けない悩みを解決する方法」とは何か?
・「Why?」...なぜ、それが解決方法になるのか?
・「How?」...今後にどのように活かせるか?

という疑問を解消するように本を読みます。これらの疑問に答えられるようになれば、「文章が書けない悩みを解決する方法」を人に説明できるようになります。つまりアウトプットできるようになります。

ぜひ、「読書の目的」を設定し、「3つの疑問」を解消するように「思考整理」しながら本を読むようにしてみてください。

そうすれば、記事を書く際に迷うことがなくなり、読者を理解させられる、わかりやすい文章が書けるようになります。

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