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大阪堺東 ヒビノビアの「日々」と日々に含まれない僕

ビール出るとこ、イットコ。
今回は堺東のヒビノビアさんに行ってきた。
思うところが多くつらつらと書いていたら今回も長文になってしまった。
そして堺市ディス的な内容が含まれるので、そういうのが嫌な人は読まないほうがいいよ。

■堺市について


堺市は大阪の南よりに位置する都市で、歴史の教科書に2回登場する街だ。
1度目は世界最大級の墳墓「大仙陵古墳」の所在地として。
2回目は戦国時代の自由都市。南蛮貿易で栄えた商人の町「東洋のベニス」として登場する。

社会系ニュースに詳しい人なら、O-157の集団感染があったとか、市役所職員の給料が日本一高額だったとか、図書館のBL本蔵書数が凄いことになってたとか……まぁ、そういう話もあった。

趣味の領域だと釣り具や自転車メーカーのシマノがあることで有名だ。なんでも鉄砲の筒を作る技術が磨かれて今に至るそうだ。

今?

イマイチ都市
政令指定都市だけど。政令指定都市なのに。
大阪市のベッドタウン。煤けた大都市、あるいは大田舎。
再開発はイマイチ。昭和からイマイチ更新されない住宅街。
イマイチ栄えてない繁華街。
私鉄、地下鉄、路面電車にJRが縦に走るが「横」の繋がりがほとんど無く、市内移動がイマイチ。大阪市内に行っちゃう方が楽。

美味しい飲食店は多いが、各地に点在しているためハシゴしにくい。

古墳群が世界遺産に登録されたことが最近のビッグニュースだが、観光客はイマイチ来てない。古墳は大きすぎてタダノ丘にしか見えないんだよなぁ……。仕方ないね。中にも入れないし。

さっきからイマイチイマイチ言ってて失礼やな君ぃ!
と思った方もいるだろうが、すまない…私の生まれ育った地域なんだ。
僕が踏まれた町で僕に踏まれた町なんだ。
今もザ・昭和のような実家が健在。

さてそんなイマイチ堺市だが、中百舌鳥という地域に「エニブリュ」というビアバーがある。2007年創業で関西古参のビアギーク、あるいは地ビールマニアなら必ず訪れている…と書くのが過言にならない名店。
古くから醸造師さんを招いてのタップテイクオーバーをやっている。店員さんのレベルが非常に高い。
常連と会話しつつ、一見さんにもしっかり応対」といえば、凄さがわかってもらえるか。

私も何回か行った…何回かしか行ってないのは私の実家から「横」にあたるので微妙に行きにくいから。あと、気持ちお高めだから…わはは。

そんなエニブリュさんの系列店が堺東に出来た。そんな話を聞いたのが一昨年の2018年。堺東にはアホみたいなクソデカ市庁舎があって、クソデカ市庁舎があるということは周囲に繁華街がある。そしてクソデカ市庁舎があるのだから堺市の中で最もアクセスしやすい地点。うちの実家からも行きやすい。これは…ありがたい。

名前は「ヒビノビア」 


■本編

実は今の俺は仕事に間が空いて実家でだらだらしている。
そんな俺が飲みに行かないわけもなく。
ヒビノビア…行ってみようか!となるのは自然の摂理。
ネットの予約状況を確認すると満席の日も多いので、予約も入れて万全を期す。

ヒビノビアの位置は堺東の~南海電鉄降りて~銀座通りの真正面から入ってからの~1本目の裏路地。かなりの良立地。

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それにしても「銀座通り」という名称は、正直古臭い。「小京都」や「~富士」は品があるが、地方の銀座はだいたいが死んでいるイメージだ。

そんなこんなで17時入店。店内はおしゃれでスペースに余裕あり。キッチン周りも余裕があって働きやすそうで何より。客席の真後ろにある冷蔵庫に入った缶瓶ビールに目移り。これはこの場で飲んでも良いし持ち帰ることも可能。
持ち帰りオンリーの入店でも良いらしい。(これ大事)
WCBの缶もあったので、あとで忘れず買って帰ろう。

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樽のタップ数は12。
ヒビノビアでは月ごとに醸造所ピックアップを行っていて、訪問したこの月は奈良醸造特集だそうな。この日は3タップが奈良醸造。
……奈良醸造はこの間行ったっちゅうねん!
というのは冗談で、その日のブログ記事で銘柄をチェックしていたので知っていた。ノープロブレム。

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ヒビノビアとMARCAさんのコラボの「テーブルみかん」からの入り。
ヨーグルト系円やかで良くってよ。みかんの風味はわかりにくいけど。
MARCAさんは良い銘柄とボヤッとした銘柄が分かれる印象だが、これはなかなか。フルーツもいけるのか?

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ここから、MサイズとLサイズと織り交ぜて飲んでいく。

まぁ今の流行に沿ってしっかり作られたビアバー。
スタッフは話しに嫌みが無く爽やかヤングマン。常連のお客さんと会話しつつも、一見さんの俺にもしっかりと話を振ってくるし、グラスが空になったらタイミングを見計らって「次、いかがですか?」の一言が嬉しい。

特に良かったのは飲み始めのあたり。
「クラフトビールはけっこう色々と飲まれますか?」と、度合いの確認いれてきたこと。

この一手間が案外……できぬものなのだ……!

いきなり1から解説入れてくるスタッフとか売り子さんとかいるからな…。そういうの間に合ってるので、はよ注文させてクレメンス。
それでこっちが「けっこう飲んでます」って応えると、なんかビアギーク道マウント取ろうとしてくる店員(売り子)って時々いるよね。なんなんだアレ。お前の飲んだ銘柄数とか知らねえよ。

その点、ヒビノビアさんの距離感は抜群だった。
俺を気持ちよくさせてくれる店は素晴らしい!ぐへへ。
おつまみやフードはそれなりに美味しい。出てくるのが少し遅いかな?くらい。


■感想(1日目)

さてそんな感じでビールは2リットル咥え入れて満足、接客にも満足。
お会計は飲んだビール代が4500円ほど……。+おつまみと持ち帰り。
むむむ…ちょっとお値段高いか…?いやでもそうでもないか。
Mが280mlでだいたい850円、Lが400mlで1200円……400mlか……
堺東はテナント料がクソ高いはずだしこうなるのも止むを得ないのか。いや…でもなぁ、この価格で日々の利用はキツイのでは

そしてもう一つ。日本のビアバーの流行をしっかり踏まえてる店ではあるし、それゆえに個性がもの足りない印象を受けた。ぶっちゃけると「いい店だがこういう店、東京にもありそう」と思ってしまった。
ガンダムのモビルスーツで例えると、ジム・カスタムのような高級量産期のような。性能は超良いのだがガンダムではない。

となると、大阪に来たお客さんをわざわざ堺まで引っ張ってこれる感じでも無いし…。再訪は無いかもなぁ…。

そう、一度結論づけたものの、その自分の結論に対して非常にモヤモヤ。何かが凄い間違っているのだ。


■感想2日目

モヤモヤ原因に思い当たる。
単純に、自分が堺で日々を過ごしてる人間ではなかっただけだった。

確かにビアバーとしてはやや個性が弱いが、住人にそんな濃いクセとか必要ないんだよ、普通でいいんだ普通で。
堺にあって東京の良い感じのビアバーと比べて遜色ない(どころか勝ってる箇所もある)とか素敵やん。

観光旅行に来た人は地域ならではの商店とかに行きたがるが、地元民に必要なのはイオン。しかもヒビノビアは超巨大イオンモール基幹店くらいのクオリティあるんだから文句ない。堺市民が大阪まで飲みにいく交通費を考えれば、価格差もそこまできつくない。

次。値段が高いのは高い。ただし持ち帰りができる
「飲んで帰る」と「家飲み」が組み合わされば、御代はグッと下がり「日々のビール店」となる。
そもそも、堺市内でクラフトビールの品ぞろえが良い酒店は限りなく少ないのだ。

鳳にあるベルギービールのきおかさんが筆頭だが、ほかには…ある?
深井にもあるとの噂は聞いたが…。あとは…成城石井…?他にも隠れた良店があるのかもしれないが、あいにくと私はしらない。
そう考えると堺東で持ち帰り可能な店があるのはとてもありがたい。夕方からオープンなのが惜しいが。

そういえば店のLINE登録時にMサイズ1杯無料サービスもやっていた。
サービス満点じゃないか。
 
それと「大阪に来たお客さんをわざわざ堺まで引っ張ってこれる感じは無い」と書いたが。いやいやちょっとまて、醸造所ピックアップやってるじゃないか。タップテイクオーバーも含め、大阪でこの手のイベントをやっているビアバーは多くない。特集している醸造所によっては市外府外の人にも十分刺さる。そうなればコスト距離が問題にならない。
 
1日目に私が弱点だと思った部分は、なにかしらで補強されていて、よく考えられている。自分が「ビアバーを評価してやるぜヘッヘッ」みたいな、上から目線クソ野郎だったので店の良さを捉えそこなっていただけだった。

まぁ、この2日目の感想も、私がそう思っただけなので、お店の人の考えもコンセプトも全く違うのかもしれないが、私の中でストンと腑に落ちたのでそれで良い。
納得して気分がよくなったのでもう1度飲みに行こう。
2杯さっくり飲んで持ち帰り3本買って決着でも良いな。

■情報

最寄り駅:南海堺東駅
徒歩1分
定休日:月