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ビタミンKについて

ビタミンKとは‥‥

ビタミンKは脂溶性ビタミンの一つです。脂溶性なので水には溶けず、油脂に溶けるビタミンです。
ビタミンKには、いくつかの種類があり、それらをまとめて一般的にビタミンKと呼ばれています。
まず、天然のものはビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン類)の2種類のみです。ビタミンK1は植物の葉緑体で生産され、ビタミンK2は微生物から生産されます。

ビタミンK1は1種類ですが、ビタミンK2には何種類かの同族体が存在します。ビタミンK2のうち代表的なものは、動物性食品に含まれるメナキノン-4と納豆が産生するメナキノン-7です。一般にビタミンKというときには、フィロキノン、メナキノン-4、メナキノン-7を総称したものをいいます。
また、ビタミンK3 (メナジオン) というものもあり、天然には存在せず、大量摂取すると毒性が認められる場合があるため、使用は認められていません 。

ビタミンKの吸収

食事から摂取したビタミンKは、胆汁酸や膵液と混合され、小腸で吸収されたのち、カイロミクロンに取り込まれてリンパ管を通り、肝臓に運ばれます。その後、肝臓でリポタンパク質に取り込まれて血中を通り、各末梢組織へ運搬されます。生体内でのビタミンKの代謝は以下の通りです 。

ビタミンKの働き

ビタミンKの主要な作用は、血液凝固に関与するものです。血液が凝固するのには、プロトロンビンなどの血液凝固因子が必要ですが、プロトロンビンが肝臓で生成されるときに、補酵素として働くのがビタミンKです。そのためビタミンKが欠乏すると血液中のプロトロンビンが減少し、血液凝固に時間がかかり、出血が止まりにくくなります。

また、ビタミンKは丈夫な骨づくりにも不可欠で、骨に存在するオステオカルシンというたんぱく質を活性化し、カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促す作用があります。そのため、骨粗鬆症の治療薬としてメナキノン-4が処方されています。そのほかに、動脈の石灰化を抑制する作用もあります。

ビタミンKの摂取基準量

日本人の食事摂取基準(2015年版)では、ビタミンKの成人の1日の摂取の目安量を男女ともに150㎍ に設定しています。ビタミンKは多量に摂取しても健康被害が見られないことから、上限量は設定されていません。
2018 (平成30) 年の国民健康・栄養調査では男性で平均252μg/日、女性で平均239μg/日摂取しています。男女とも目安量を充分満たしています。

ビタミンKが不足すると‥‥

鼻血、胃腸からの出血、月経過多、血尿、血液凝固の遅延などといった症状が現れます。また、慢性的なビタミンK不足は、骨粗鬆症や骨折を引き起こすことが知られています 。

ビタミンK不足はどうして起こるの?

ビタミンKの不足は、
1.ビタミンKの摂取不足 
2.長期間の抗生物質投与により、腸内細菌からのビタミンK供給が減少した時
3.慢性の胆道閉塞症
4.脂肪吸収不全
5.肝臓病
6.赤ちゃん
※ビタミンKは腸内細菌によってもつくられます。よって、腸内細菌叢の定着していない新生児で欠乏を起こしやすくなっています。ビタミンKは母乳に少ないため、乳児ビタミンK欠乏性出血症(頭蓋内出血)を起こす場合があるということもいわれています。

この様な原因でビタミンK不足が起こると言われていますが、通常の食事をしている人ではビタミンKが不足することはほとんどありません 。

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まとめ**

ビタミンKは、主に血液凝固に関与しており、不足すると、血が止まらないなどの症状が現れます。また、骨を作る上でも大切な役割を担っています。骨粗鬆症の方にビタミンKの成分が処方されたりもします。これらを踏まえてビタミンKがいかに体に必要なものか理解して頂けたでしょうか。
ビタミンKは、普通に食事をしていれば不足する事はほぼありませんが、この飽食の時代ではライフスタイルの変化や、多種多様な食品の登場で偏った食事をするかたも少なくありません。そのような場合、体に様々な不調が現れる事でしょう。ビタミンk一つでこれだけの作用があることから、他のビタミン、栄養素が不足すればそれだけ人の健康寿命は下がるのでしょうね。
そうならないためにも規則正しい生活、バランスの良い食事を心掛けましょう。
そして最後に、育ち盛りのお子さんをお持ちの方は、ビタミンに限らず、三大栄養素はもちろんミネラルなどを含めしっかり栄養を取らせてあげましょう。できれば自炊で、自炊に勝るものはありません。育ち盛りの子どもの未来は今どう過ごすかで大きく変わります。

※当院では子どもの栄養指導も行っております。
気軽にご相談下さい。

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