見出し画像

エンデューロ、この私的世界の探求


スタート前の10分間、ゴール直前15分間以外、整備のために時間が与えられることはない。モーターサイクルを維持する能力も試されるのがこの競技だ

スタート前の10分間、ゴール直前15分間以外、整備のために時間が与えられることはない。モーターサイクルを維持する能力も試されるのがこの競技だ


村田SUGO2デイズエンデューロより

それは静かに自分と向き合う2日間、あるいは6日間だ。試すのは自分自身のチカラ。SUGOで再現された2日間競技に、今や「クラシック」と呼ばれる競技形態の真髄を見つける。

Text & Images : Hisashi Haruki

JECが2005年に始まったのも、このSUGOの2日間競技があったからだ

JECが2005年に始まったのも、このSUGOの2日間競技があったからだ


ここにはすべてがある

 エンデューロという競技の基礎的な要件をほぼすべて満たし、かつ、日本のライダーにはとても参加しやすい条件を併せ持っているのが、この2日間競技だ。2003年に初めて開催されて以来、昨2019年の中止を挟んで開催が続けられている。2005年に始まるMFJ全日本エンデューロ選手権が発足するきっかけとなった大会でもあり、この競技会を通じて多くのライダーが、エンデューロとはどんな競技か、ということを経験し、学んできた。

 ISDEや世界選手権のENDURO GPのように一般道路を走ることはないが、スポーツランドSUGO内の閉鎖されていない道路を走り、シングルトラックを走るルートには中間地点にひとつのタイムチェックを持つ。スペシャルテストは、エンデューロテスト、クロステスト、今年は無かったけれど走破力が試されるエクストリームテストがある。そのように性格の異なるスピードテストにあわせて、ルートを確実に時間通りに走り切る力が試される。もちろん、パルクフェルメ方式によって、整備や修理に充てられる時間も制限されているから、モーターサイクルを維持、管理するスキルも求められる。まったく、ISDEに参加するのと同じような経験が、日本にいながらにして2日間で経験できるのである。

ここから先は

1,928字 / 2画像
1998年に創刊。世界のエンデューロ、ラリーのマニアックな情報をお届けしています。

BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?