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「これだけは知っておきたい- 閉幕 ENDURO GP 2021 」 - エンデューロ日記 No.24

昨年、最終戦の悲劇について、フリーマンは後に「なかなか事実を受け入れられなかった」と話しました。今年はガルシアという強敵が空いてとなっただけに、喜びも数倍でしょう。多くのライバルの登場で、本当の強さが証明されることにもなりました。


今季6大会、全6ラウンドが開催されたFIMエンデューロ世界選手権=ENDURO GPも、10/15-17日のフランスGPで幕を閉じました。

排気量クラス

前回説明し忘れました。メインのシニアクラスは、下記の3つの排気量に分かれていて、GPクラスは、全排気量のオーバーオールカテゴリーで、E1.E2.E3にエントリーしているライダーすべてが自動的にGPクラスにも登録されます。

Enduro 1: Up to 250cc 2 stroke and 4 stroke
Enduro 2: From 255cc to 450cc 4 stroke
Enduro 3: Over 255cc 2 stroke and over 455cc 4 stroke


激戦はE2クラス

今年は、4ストローク450ccのE2が激戦でしたね。昨年のチャンピオン、Beta 350のスティーブ・ホルコムに、カムバックしてきたジョセップ・ガルシアはKTM350EXCF、ジュニアからステップアップしたウイル・ルプレヒトはtmの300cc、それにホンダCRF450RXのベテラン、トーマス・オールドラティ…。タイトルは、結局、ガルシアが獲りました。スティーブ・ホルコムにとっては、今まででもっともライバルの多かったシーズンだったでしょう。


E3は不人気クラス

最大排気量クラスのE3は、Beta以外のメーカーはあまり注力していないクラスで、フル参戦しているライダーは10名前後にとどまります。BetaもE3というよりもGPクラスをにらんでフリーマンをここに投入しているわけです。

実質、2ストローク300ccのクラスになっているのが不人気の理由で、このクラスのバイクは、ハードエンデューロでは人気がありますが、普通のエンデューロのライダー、トレイルライダーにはあまり好まれていません。KTMのヤウメ・ベトリュウは、4ストローク500で善戦していますが、4ストが活躍しないとこのクラスの存在理由はこれからも希薄になっていくでしょう。


E1はヴェローナがタイトル獲得

E1は2スト250と4スト250のクラスです。2スト250と4スト250だと、2ストが有利だから、2ストばっかりになりそうな気がしますが、メーカーにとっては4スト250が商品として大事なこともあって、ここは4スト250がメインです。今年はGASGAS EC250Fのアンドレア・ヴェローナがタイトル獲得です。

ISDEのE1は、2スト125と4スト250なので、これと異なります。ENDURO GPも、ISDEと同じに戻るか、あるいは2スト250をE2に組み入れるかするのではないでしょうか。

スーパーテスト

最終戦がフランス、というのが最近の定番となっていますが、これは、昨年までのプロモーターがフランス企業だったこと。それから伝統的にエンデューロが盛んな土地だからでもあります。スーパーテストも当然盛り上がります。

フランスGPのスーパーテスト
https://www.youtube.com/watch?v=BNfn4b6YAIg


スーパーテストの仕組み

スーパーテストのタイムは、トップで1分40秒程度と決められています。このタイムは、DAY1(土曜日)の成績にマージされます。

以前は、順位によってボーナスタイムが与えられ、ボーナスの分だけ、DAY1のタイムからマイナスされる仕組みでした。スーパーテストのタイム差が、成績に影響しすぎないようにしていたわけです。1位なら-20秒、2位なら-18秒、3位で-15秒、15位以下は一律ゼロみたいな感じです。

現在は、タイムがそのまま、DAY1のタイムにプラスされますが、いくら遅くても、1位のタイムの25%プラスまで、というルールがあります。スーパーテストで大失敗しても、DAY1で挽回できる余地があるわけです。

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